フェリーきかいは、奄美海運が運航するフェリー。現在、就航しているのは2015年竣工の3代目である。

フェリーきかい
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本の旗 日本
所有者 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
奄美海運
運用者 奄美海運
建造所 三菱重工業下関造船所(1181番船)
航行区域 近海(非国際)
船級 JG
信号符字 7JTP
IMO番号 9726918
MMSI番号 431001070
経歴
起工 2014年6月16日
進水 2014年11月13日[1]
竣工 2015年2月27日
就航 2015年3月5日
現況 就航中
要目
総トン数 2,551 トン
全長 102.00 m
全幅 17.8 m
機関方式 ディーゼル
主機関 2機
出力 10,500 PS
最大速力 21.5ノット
航海速力 19.7ノット
旅客定員 196名
積載能力 10ftコンテナ60個
車両搭載数 トラック18台、乗用車11台
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概要 編集

フェリーきかい (2代)の代船として三菱重工業下関造船所で建造され、2015年3月5日に就航した。 鉄道建設・運輸施設整備支援機構の共有建造制度を利用して建造された鉄道・運輸機構との共有船である。

航路 編集

知名航路

鹿児島発が火・木の週2便で、平土野航路に就航するフェリーあまみと交互に運航される。上り便は古仁屋港と平土野港には寄港しない。 下り便は鹿児島出港が17時40分、名瀬入港が2日目7時、知名入港が14時50分、所要時間は21時間10分、上り便は知名出港が15時5分、名瀬入港が19時55分、鹿児島入港が10時20分、所要時間は19時間15分である。

設計 編集

先に建造されたフェリーあまみ (3代)と比較して総トン数で約450トン、全長で約10m小型化し、旅客定員も約50名減少したが、代替する2代目より約2ノット速力が向上している。 両舷船尾にランプウェイを装備しており、トラック、乗用車などをロールオン・ロールオフ方式で車両甲板に搭載するほか、船首甲板がコンテナスペースとなっており、コンテナをデリックによるリフトオン・リフトオフ方式で搭載する。

船内 編集

新たな船室として1人用個室(9室)が追加された。パブリックスペースを確保するためレストランは常時開放とされ、授乳室、ペットルームなどを設置して利便性が高められた。エントランスには情報提供のため運航情報案内板が設置された。船内の照明にはLEDが採用されている。

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)に基づいて作成された鉄道・運輸機構の旅客船バリアフリーガイドラインに準拠したバリアフリー高度化船である。通常の船内設備に加えて、高齢者や身障者に対応した客室、多機能トイレ、車いす対応エレベーターなどのバリアフリー設備を備える。

フェリーあまみでは乗り物酔い防止薬の販売を行っているが、本船では販売してないので、乗船前に購入すること。

船室 編集

船室タイプの一覧
等級 部屋数 定員 設備
1等 2名×1室 2名 ツインベッド、シャワー・トイレ・テレビ付
2等(寝台S) 1名×9室 9名 シングルベッド、テレビ付
2等(寝台A) 5名×2室 18名 2段ベッド×4名、和室×1名、テレビ付
2等(寝台B) 8名×4室 32名 2段ベッド×8名
2等(和室) 12名×2室
10名×4室
79名×1室
189名 マット

設備 編集

パブリックスペース

  • 案内所
  • エントランス
  • レストコーナー
  • 授乳室
  • 喫煙コーナー
  • ペットルーム

供食・物販設備

  • レストラン
  • 自動販売機

入浴設備

  • シャワー室

事故・インシデント 編集

2015年4月8日、22時10分ごろ、奄美大島から喜界島へ向かっていた本船は、喜界島湾港の北西5.0海里の地点で右舷主機が停止したため、左舷主機のみで名瀬港へ引き返した。右舷主機のカム軸駆動装置の中間歯車接続ボルト全12本が折損しており、左舷主機の同ボルトにも緩みが生じていた。折損の原因は、新造時に規定トルクで締め付けられていなかったためとされた[2]

脚注 編集

  1. ^ “「フェリーきかい」新造船進水式”. 奄美新聞 (奄美新聞社). (2014年11月14日). http://amamishimbun.co.jp/index.php?QBlog-20141114-1 2016年2月22日閲覧。 
  2. ^ 運輸安全委員会(海事専門部会) (17 September 2015). 船舶事故等調査報告書 2015那第15号 旅客フェリーフェリーきかい運航阻害 (PDF) (Report). 運輸安全委員会. 2016年2月23日閲覧

外部リンク 編集