フフシル(中国語簡体字:可可西里、ピンイン:Kěkěxīlǐ)は、チベット高原北部の、西蔵自治区の北部と青海省の西南部にまたがり、およそ東経90°、北緯36°付近に位置する山地。世界第3位の広さを持つ無人地帯で原始的な自然状態がほぼ完璧に維持されており、230種類を越す野生動物が生息している。「フフシル (Хөх шил, xöx sil)」という名称はモンゴル語で「青い峰」を意味し、チベット名の「ホホシリ (ho ho zhi li)」、中国名の「可可西里」はいずれもこのモンゴル名を音写したものである。日本では、中国名「可可西里」からカタカナ転写された「ココシリ」という呼称が用いられる例が多い。
フフシル |
 8月のフフシル山地の風景 |
中国語 |
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簡体字 | 可可西里 |
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繁体字 | 可可西里 |
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文字通りの意味 | Blue ridge |
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チベット語の古名 |
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簡体字 | 阿卿贡嘉 |
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繁体字 | 阿卿貢嘉 |
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文字通りの意味 | Lord of ten thousand mountains |
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チベット語 |
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チベット文字 | ཧོ་ཧོ་ཞི་ལི ཨ་ཆེན་གངས་རྒྱལ |
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モンゴル語 |
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モンゴルキリル文字 | Хөх шил |
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モンゴル文字 | ᠬᠥᠬᠡ ᠰᠢᠯ |
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近年高値で売買される絶滅危惧種であるチベットアンテロープの毛皮をめぐる密猟と、密猟者に対するパトロール活動が注目を集めているが、映画『ココシリ』の公開でより知られるようになった。2017年にはフフシルに含まれる自然保護区などが、自然美と生物多様性を理由として、世界遺産リストに登録された。
ドキュメンタリー番組編集
- 『遥かなり 秘境 可可西里 〜日中合同探検隊・60日間の記録〜』(NHK1995年4月)
- 『20世紀最後の秘境 青く透明な大地ココシリ』(テレビ東京 2000年3月17日)
青海可可西里国家級自然保護区(中国語版)や三江源国家級自然保護区(英語版)に属する地域などが、2017年に世界遺産リストに加えられた[1]。
この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
- (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
外部リンク編集