フランス組曲 (バッハ)
フランス組曲(フランスくみきょく、独: Französische Suiten)BWV 812-817は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲したクラヴィーアのための曲集。
概要編集
この曲集は、バッハがケーテンで過ごした1722年から1723年頃に作曲されたと考えられており、イギリス組曲やパルティータと比べ比較的演奏は容易である。イギリス組曲が短調作品が多く、演奏も技術が求められ、峻厳な曲想であるのと好一対をなしている。
この時期、バッハは先妻であるマリア・バルバラ・バッハを亡くし、15歳下のアンナ・マグダレーナ・ヴィルケと再婚しているが、創作の意欲も衰えがなく、本作をはじめ多くの鍵盤楽器曲が残されている。
作品編集
全部で6つの組曲からなり、このうち第2番、第3番、第4番には異稿が存在する。
第1番 ニ短調 BWV 812編集
- アルマンド (Allemande)
- クーラント (Courante)
- サラバンド (Sarabande)
- メヌエットI (Menuet I)
- メヌエットII (Menuet II)
- ジーグ (Gigue)
第2番 ハ短調 BWV 813編集
第3番 ロ短調 BWV 814編集
- アルマンド (Allemande)
- クーラント (Courante)
- サラバンド (Sarabande)
- アングレーズ (Anglaise)
- バッハは初稿ではこの楽章を「ガヴォット」としていた。[1]
- メヌエット - トリオ (Menuet - Trio)
- ジーグ (Gigue)
第4番 変ホ長調 BWV 815編集
- アルマンド (Allemande)
- クーラント (Courante)
- サラバンド (Sarabande)
- ガヴォット (Gavotte)
- エール (Air)
- メヌエット (Menuett)
- ジーグ (Gigue)
第5番 ト長調 BWV 816編集
全曲中最も有名なものであり、この中でも「ガヴォット」は演奏会でもよく取り上げられている。そして第5番のうち、数曲は1722年に作曲されたが、完成したのは1723年になってからである。
- アルマンド (Allemande)
- クーラント (Courante)
- サラバンド (Sarabande)
- ガヴォット (Gavotte)
- ブーレ (Bourrée)
- ルール (Loure)
- ジーグ (Gigue)
第6番 ホ長調 BWV 817編集
曲集の中では最も規模が大きく、明朗な曲。ポロネーズを入れている点が注目される。
脚注編集
- ^ Bach. The French Suites: Embellished version. Barenreiter Urtext