ブラインドケーブ・カラシン

ブラインドケーブ・カラシン (Astyanax jordani) [3]は、条鰭綱カラシン目に分類される魚類。最大全長10センチメートル[2]洞窟環境に適応した種で[4]、目は退化している[3]

Astyanax jordani
Astyanax jordani
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: カラシン目 Characiformes
: カラシン科 Characidae
: Astyanax
: A. jordani
学名
Astyanax jordani
(Hubbs & Innes, 1936)[1][2]
シノニム

Anoptichthys jordani
Hubbs & Innes, 1936[1]

和名
ブラインドケーブ・カラシン[3]
英名
Blind cave fish[1][2]
Sardina ciega[1][2]

分布 編集

メキシコ北東部(サン・ルイス・ポトシ州タマウリーパス州[1]

人間との関係 編集

サトウキビなどの農業による洞窟への堆積物の増加・農薬による水質汚染・水の汲み上げなどや、ティラピア類などの外来種による影響などが懸念されている[1]

ペットとして飼育されることもあり、世界中で広く流通している[1]

特徴 編集

成魚の体長は約8 センチメートル[4]。約100万年 - 1万年前に生じた種とされる[4]。 光の全くない洞窟で生活しているため目が退化しており、視力は全くない。また、メラニン色素も欠如しているため白っぽい外見をしている、その代わりに側線が発達しており、わずかな水の振動を敏感に感じ取ることによって行動している。

かつての日本では「メクラウオ」と呼ばれていたが、「めくら」という言葉が障害者差別に当たるとされ、現在はこの呼び名は使用されない。「ホソヌタウナギ」も同様の理由から2007年に日本魚類学会によって改名されている。

ブラインドケーブ・カラシンが生息しているのはエサが手に入りにくい洞窟内である、そのため、エネルギー消費を最小限に抑えるために目が退化したと考えられている。ある研究によると目を退化させることで、15%ほどのエネルギーカットを実現している。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h Ornelas Garcia, P. 2019. Astyanax jordani. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T191201A1972594. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T191201A1972594.en. Downloaded on 29 March 2020.
  2. ^ a b c d Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2019. Astyanax jordani. FishBase. World Wide Web electronic publication. http://www.fishbase.org, version (12/2019).
  3. ^ a b c 洞窟の魚が目を失ったのは、省エネのためだった 消費エネルギーを15%節約、スウェーデン研究」『ナチュラルジオグラフィック日経BP、2015年9月17日。2020年10月16日閲覧。オリジナルの2020年10月16日時点におけるアーカイブ。
  4. ^ a b c 阿見彌典子「ブラインドケーブカラシン」『比較内分泌学』第45巻第167号、日本比較内分泌学会、2019年5月、73-74頁、doi:10.5983/nl2008jsce.45.73 

関連項目 編集