ブルース・アービン(Bruce Irvin 1987年1月11日- )はジョージア州アトランタ出身のアメリカンフットボール選手。ポジションはディフェンシブエンドNFLデトロイト・ライオンズ所属。

ブルース・アービン
Bruce Irvin
refer to caption
シアトル・シーホークス時代(2013年)
デトロイト・ライオンズ
ポジション ディフェンシブエンド
生年月日 (1987-01-11) 1987年1月11日(37歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジョージア州アトランタ
身長: 6' 3" =約190.5cm
体重: 258 lb =約117kg
経歴
大学 ウェストバージニア大学
NFLドラフト 2012年 / 1巡目全体15位
初出場年 2012年
初出場チーム シアトル・シーホークス
所属歴
2012-2015 シアトル・シーホークス
2016-2017 オークランド・レイダース
2018 アトランタ・ファルコンズ
2019 カロライナ・パンサーズ
2020 シアトル・シーホークス
2021 シカゴ・ベアーズ
2022 シアトル・シーホークス
2023* デトロイト・ライオンズ
受賞歴・記録
スーパーボウル制覇(1回)
第48回
NFL 通算成績
(2018年終了時点)
タックル 265回
サック 43.5回
ファンブルフォース 15回
インターセプト 3回
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

経歴 編集

プロ入り前 編集

ジョージア州ストックブリッジの高校に通ったが、コーチの指導を無視して有望なWRにタックルし、チームを追われた。同高校ではわずか3試合の出場にとどまった。その後ストーンマウンテンの高校に転校したが、高校で再びフットボールをすることができないことを初めて知った彼は、その後退学した[1]。この頃、数週間刑務所にも入っている[2]

バトラーコミュニティカレッジを経て、マウントサンアントニオカレッジに転校、同大学では72タックル、16サック、3ファンブルフォース、1TDをあげた。2010年にウェストバージニア大学に転校、全米2位の14サックをあげて[3]ビッグ・イースト・カンファレンスのセカンドチーム[4]スポーツ・イラストレイテッドからは、オールアメリカンに選ばれた[5]。2011年は、シーズン終盤の5試合で6サックをあげた[6]

2012年のNFLドラフトでは、最も優れたアウトサイドラインバッカー/ディフェンシブエンドの1人と評価された。ドラフトでは1巡15位でシアトル・シーホークスに指名されたが、この指名は批判された[7][8]。これはウェストバージニア大学の選手としては、2005年パックマン・ジョーンズ以来の早い指名であった。5月にその年のドラフト1巡指名選手としては一番早く、4年間934万ドル(534万ドルのサインボーナスを含む)で契約を結んだ[9]

シアトル・シーホークス(第1期) 編集

2012年第3週のグリーンベイ・パッカーズ戦では2サックをあげた。第5週のカロライナ・パンサーズ戦でも2サック、1ファンブルロースをあげて、開幕から5試合で4.5サックをあげた[10]。この年彼はローテーションで起用され8サックをあげた[11][12]

2013年、5月17日、禁止薬物を使用していたことにより、NFLから開幕より4試合の出場停止処分を受けた[13]。7月、ピート・キャロルヘッドコーチは、アービンをアウトサイドラインバッカーにコンバートする考えを示し[14]、彼はマルコム・スミスとアウトサイドラインバッカーのポジションを争った[15]

2014年、第8週のカロライナ・パンサーズ戦ではキャム・ニュートンを2サックして、13-9の勝利に貢献した[16]。第9週のオークランド・レイダース戦ではインターセプトリターンTDをあげた[17]。第17週のセントルイス・ラムズ戦でも49ヤードのインターセプトリターンTDをあげた[18]。この年、37タックル、6.5サック、1ファンブルフォース、2インターセプトをあげた。ディビジョナルプレーオフでもニュートンをサック、チームは31-17で勝利した[19]第49回スーパーボウルではニューイングランド・ペイトリオッツのTEロブ・グロンコウスキーを殴り、退場処分を受け、その後1万ドルの罰金を科された[20]。スーパーボウルで退場となったのは、彼が初めてであった[21]

2015年、5年目の契約オプションがシーホークスから見送られた[22]

オークランド・レイダース 編集

2016年3月10日にオークランド・レイダースと契約を結んだ[23]

ニューオーリンズ・セインツとのシーズン開幕戦ではドリュー・ブリーズをサックするなど活躍を見せ35-34で勝利した。メキシコシティでのヒューストン・テキサンズ戦ではブロック・オズワイラーをサックするなど活躍して27-20で勝利した[24]。第15週のサンディエゴ・チャージャーズではフィリップ・リバースを2度サックし、守備部門の週間MVPに選ばれた[25]。この年は16試合全試合に先発出場し、57タックル(47回はソロタックル)・7サックを記録した[26]

レイダースはAFC西地区12勝4敗でプレーオフ進出を決め、2017年1月7日のプレーオフ初戦となるテキサンズ戦では、アービン自身初のプレーオフ出場となったが、チームは14-27で敗れた。


 
ワシントン・レッドスキンズ 戦にてサマジェ・ペリーンにタックルするアービン

2017年12月3日のニューヨーク・ジャイアンツ戦ではジーノ・スミスに対しサック、8回のタックルを記録し、24-17での勝利に貢献した。第14週のカンザスシティ・チーフス戦では15-26で敗れるものの、アレックス・スミスを2度サックするなど活躍を見せた。このシーズンも16試合に先発出場し、キャリアハイとなる58タックル(38回はソロタックル)、8サックを記録した[27]

2018年10月7日の ロサンゼルス・チャージャーズ戦ではキャリア40回目のサックを記録した[28]

しかし11月3日にレイダースからリリースされた[29]

アトランタ・ファルコンズ 編集

2018年11月8日にアービンの地元でもあるアトランタ・ファルコンズと1年契約を結んだ[30]。ファルコンズでは8試合に3.5サックと13タックルを記録した。

カロライナ・パンサーズ 編集

2019年の3月19日、カロライナ・パンサーズと1年契約を結んだ[31]

13試合に出場し、タックル36回、サック8.5回、ファンブルフォースド1回、セーフティ1回を記録した。

シアトル・シーホークス(第2期) 編集

2020年3月18日にシアトル・シーホークスと契約合意した[32]。 しかし第2週で前十字靭帯損傷の怪我を負いIR入りした[33]

シカゴ・ベアーズ 編集

2021年11月18日にシカゴ・ベアーズと契約し、プラクティス・スクワッド入りし[34]、12月10日にアクティブロースター入りした[35]

シアトル・シーホークス(第3期) 編集

2022年10月12日にシーホークスと契約し、プラクティス・スクワッド入りした[36]。11月4日にアクティブ・ロースター入りした。

デトロイト・ライオンズ 編集

2023年11月14日にデトロイト・ライオンズとプラクティス・スクワッド契約を結んだ[37]

人物 編集

ドラフト指名前には、フットボールIQを不安視された[6]

脚注 編集

  1. ^ Thayer Evans (2011年8月11日). “Former HS dropout now excelling at WVU”. FOXスポーツ. 2013年6月8日閲覧。
  2. ^ 河田剛 (2013年3月19日). “気の緩み?カレッジ選手たちが引き起こす不祥事”. NFL JAPAN. 2013年6月8日閲覧。
  3. ^ FBS (Division I-A) Statistics - 2010”. ESPN. 2013年6月8日閲覧。
  4. ^ BIG EAST Announces 2010 Postseason Football Honors”. ビッグ・イースト・カンファレンス (2010年12月8日). 2013年6月8日閲覧。
  5. ^ SI.com's 2010 All-Americas”. スポーツ・イラストレイテッド (2010年12月14日). 2013年6月8日閲覧。
  6. ^ a b コンバイン前、注目のハイブリッドLBトップ5”. NFL JAPAN (2012年2月21日). 2013年6月8日閲覧。
  7. ^ 意外な1巡指名だったDEアービン、改心を強調”. NFL JAPAN (2012年4月28日). 2013年6月8日閲覧。
  8. ^ Chris Roling (2012年9月24日). “Is Bruce Irvin the NFL's Best Rookie Pass-Rusher?”. bleacherreport.com. 2013年6月8日閲覧。
  9. ^ シーホークス、ドラ1DEアービンと契約合意”. NFL JAPAN (2012年5月8日). 2013年6月8日閲覧。
  10. ^ 15位指名でリーチと言わせないブルース・アービン”. アメフトNewsJapan (2012年10月10日). 2013年6月8日閲覧。
  11. ^ Scott Carasik (2010年). “The Most Shocking NFL Draft Day Selections in the Last 20 Years”. bleacherreport.com. 2020年6月3日閲覧。
  12. ^ プレーオフ出場チーム紹介 シアトル・シーホークス”. NFL JAPAN (2013年). 2013年6月8日閲覧。
  13. ^ シーホークスのDEアービン、禁止薬物使用で4試合の出場停止”. NFL JAPAN (2013年5月18日). 2013年6月8日閲覧。
  14. ^ シーホークス、昨季のドラ1DEアービンをOLBへコンバート”. NFL JAPAN (2013年7月11日). 2013年8月18日閲覧。
  15. ^ シーホークスのDEブルース・アービン、今季はOLBへ転向”. アメフトNewsJapan (2013年7月10日). 2013年12月25日閲覧。
  16. ^ Danny O'Neill (2014年10月26日). “Bruce Irvin helps Seahawks finish off Panthers”. 710 ESPNシアトル. 2015年10月10日閲覧。
  17. ^ Bruce Irvin pick-six”. シアトル・シーホークス (2014年11月2日). 2015年10月10日閲覧。
  18. ^ Can't-Miss Play: Bruce Irvin Pick Six”. シアトル・シーホークス (2014年12月28日). 2015年10月10日閲覧。
  19. ^ Panthers VS, Seahawks - Box Score - January 10, 2015”. ESPN (2015年1月10日). 2015年10月10日閲覧。
  20. ^ スーパーボウルでの乱闘騒動、4選手に罰金処分”. NFL JAPAN (2015年2月7日). 2015年10月10日閲覧。
  21. ^ Steve Almasy (2015年2月2日). “A questionable decision to pass, a brawl and other key Super Bowl moments”. CNN. 2015年10月10日閲覧。
  22. ^ 契約オプション行使見送られたLBアービン、「シアトルにいたい」”. NFL JAPAN (2015年6月7日). 2015年10月10日閲覧。
  23. ^ Oakland Raiders Sign Free Agent Linebacker Bruce Irvin”. Raiders.com (2016年3月10日). 2016年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月11日閲覧。
  24. ^ NFL Game Center: Week 11:2016: Houston Texans @ Oakland Raiders”. nfl.com. 2018年1月30日閲覧。
  25. ^ Lewis, Edward (2016年12月21日). “Devonta Freeman, Moore among NFL Players of Week”. NFL.com. 2021年1月17日閲覧。
  26. ^ NFL Player stats: Bruce Irvin (2016)”. NFL.com. 2018年1月30日閲覧。
  27. ^ NFL player stats: Bruce Irvin (2017)”. NFL.com. 2018年1月30日閲覧。
  28. ^ Game Notes: Oakland Raiders 10 Los Angeles Chargers 26”. Raiders.com (2018年10月7日). 2021年1月17日閲覧。
  29. ^ Bergman, Jeremy (2018年11月3日). “Raiders part ways with veteran DE Bruce Irvin”. NFL.com. http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000983656/article/raiders-part-ways-with-veteran-de-bruce-irvin 
  30. ^ Patra, Kevin (2018年11月7日). “Falcons sign ex-Raider Bruce Irvin to one-year deal”. NFL.com. http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000985456/article/falcons-sign-exraider-bruce-irvin-to-oneyear-deal 
  31. ^ パンサーズがDEアービンと1年契約を締結”. NFL JAPAN (2019年3月20日). 2019年9月1日閲覧。
  32. ^ FAのDEアービンがシーホークスへ帰還”. NFL JAPAN (2020年3月19日). 2020年3月28日閲覧。
  33. ^ Alper, Josh (2020年9月23日). “Seahawks put Bruce Irvin, Marquise Blair and Phillip Dorsett on IR”. https://profootballtalk.nbcsports.com/2020/09/23/seahawks-put-bruce-irvin-marquise-blair-and-phillip-dorsett-on-ir/ 2021年1月17日閲覧。 
  34. ^ Mayer, Larry (2021年11月19日). “Roster Moves: Bears add Irvin, Marsh; put Trevathan on IR” (英語). ChicagoBears.com. 2021年12月14日閲覧。
  35. ^ Bears sign OLB Bruce Irvin to active roster, place OLB Cassius Marsh on IR” (英語). Bears Wire. USA Today (2021年12月10日). 2021年12月14日閲覧。
  36. ^ Seahawks Sign Bruce Irvin To Practice Squad, Sign Cullen Gillaspia To 53-Man Roster” (英語). Seahawks.com (2022年10月12日). 2022年10月14日閲覧。
  37. ^ Lions officially sign Jake McQuaide, add Bruce Irvin to practice squad”. Lions Wire (2023年11月15日). 2023年11月28日閲覧。

外部リンク 編集