故障者リスト

故障者リスト(こしょうしゃリスト)とは、MLBNBAなどにおいて、公認の医師により怪我や疾病のために試合出場が困難と診断された選手を登録するリスト。これに登録されることを「故障者リスト入り」と呼ぶ。登録期間中は公式戦に出場できない。MLBではDisabled List(略称DL)、NBAではInactive Roster、NFLではInjury Reserveと呼ばれる。

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MLB編集

10日間と60日間の2種類あり、前者は該当選手を25人ロースター(登録選手枠)に、後者は40人ロースターに残したまま代わりの選手をマイナーリーグなどから補充することができる。対象の選手が最後に出場した試合日の翌日まで遡って適用できる[1]。2017年よりこれまでの15日間から10日間に変更されている[1]

10日間、60日間の故障者リストに登録された選手は、当該期間が経過するまでは復帰できないが、期間の経過後も登録状態にとどまれる。10日間のリストに登録された選手はロースターの25人枠のみから人数の計算上外される。60日間のリストに登録された選手はロースターの25人枠の人数の計算からも、40人枠の人数の計算からも除外される。メジャーの選手をマイナーに降格させる場合(25人枠から40人枠への移行によるマイナー降格も含む)、自由に昇降格させることのできるオプションを持つ選手を除いて、必ずウェイバー公示をパスしなければならない。このため、合計3シーズン分あるオプションを使い切った選手は安易に降格させることはできなくなる。故障者リストは、このようなオプションを使い切った選手が故障により稼動できなくなった際に、ロースターから実質的に除外して代わりの選手を登録するシステムとして機能する。2014年まではポストシーズン出場には8月31日時点で25人枠に入っている必要があったが、その選手が60日間のリストに登録された場合、40人枠の選手をその選手と入れ替えでポストシーズンのロースターに組み込むことも可能である。

故障者リスト入りしている選手は、マイナーリーグの試合にリハビリを目的として出場することができる。上限は野手20日間、投手30日間。

2011年シーズンからは選手の夫人が子供を出産する際に立ち会うことができる特別制度(Paternity List、「父性リスト」「父親リスト」と訳される)が設けられ、最大72時間の一時離脱が可能となった。これにより、離脱した選手に代わって一時的にマイナーから選手の補充が可能となっている。なお適用者第1号はコルビー・ルイスであった[2]。また、脳震盪を起こした選手を対象とした7日間の短期故障者リスト制度(Concussion List)もこの年から導入された。適用第1号はエリック・アルモンテ[3]

マイナーリーグでは7日間となっている。

  1. ^ a b Glossary”. MLB.com. 2017年4月3日閲覧。
  2. ^ 元広島ルイス、大リーグ初「育休」 - 日刊スポーツ、2011年4月17日
  3. ^ 兄は元巨人の元日本ハム助っ人 7日間DLを初適用 - スポーツニッポン、2011年4月28日

NBA編集

NBAにおいては、12人のロースターの他に故障者リストとして3人まで登録することになっていた。リストに入った選手は最低5試合が経過するまでロースターには復帰できない。また、リスト登録されている間は試合には出場できないが、練習への帯同は可能である。

現在は「インアクティブ」に変更され、インアクティブは最低1人最高3人登録されることになっており、試合毎に選手の入れ替えが可能になっている。

NFL編集

NFLにおいては、故障者が出た場合にその選手を故障者リストに登録し、代替要員を登録することが可能である。

リスト登録された選手は53人のロースター枠から外れるが、チームの一員としては確保(リザーブ)される。ただし、一度リストに登録されると、そのシーズンの残りの試合に出場はできず、チーム練習への参加も認められない。言い換えれば、リスト入りした選手には来季のロースター復帰のために治療に専念してもらうことになる。

かつては故障者リスト入りした選手もシーズン中に復帰できた。尚2012-13シーズンより1名に限りIR入りした選手の復帰が認められる。

日本での故障者リスト制度編集

日本プロ野球においても1992年から1996年まで、故障者リストの制度が設けられていた。

当時はプロ野球各チームの支配下選手登録(70人)を1軍40人・2軍30人に固定し、シーズン開幕時にまずそれを振り分け、シーズン途中に最大5人までの1・2軍の入れ替えを行った他、9月からは1・2軍の枠を外して支配下登録選手であれば誰でもベンチ入り(1試合最大25人)登録(これを「出場選手登録」という)できるようになっていたが、全治までに2ヶ月以上かかってしまう場合は故障者リスト登録され、自動的に1軍選手登録から外して(2軍降格)治療に専念させ、代ってその分から2軍の選手を1軍登録に昇格させることができた。

1997年に1軍40人・2軍30人の振り分けが撤廃されて以降は、支配下登録選手の中から最大28人を出場選手登録し、試合ごとにそのうち最大25人をベンチ入りさせることが出来るシステムとなっており、選手の入れ替えに関しても、抹消後10日間再登録出来ない点を除けば比較的自由度が高いため、故障者リストに該当するような制度は存在しない。その一方、治療に時間を要する故障者を一旦形式的に自由契約とした後「育成選手」として再契約して治療に専念させる形で運用する動きがある。

2007年より故障により出場選手登録を抹消された選手を救済する「故障者選手特例措置」が設けられた。

プロバスケットボールのB.LEAGUEにおいては、「インジュアリーリスト」の名称で設けられ、当リストには2名まで登録される[1]。当リストへ登録された選手は所属との契約は保持されるが、登録から30日間再登録することができず、不可期日以降にクラブの抹消申請を受理されて再登録されることになる[2]

かつてリンク栃木ブレックスでは独自に「インアクティブ選手」という制度を設けていた。適用されると、登録上は二軍(TGI D-RISE)となるが、練習は一軍に帯同することになっていた。

脚注編集

  1. ^ “選手契約および登録に関する規程” (プレスリリース), 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ, (2016年6月1日), https://www.bleague.jp/about/pdf/r-26.pdf 
  2. ^ “インジュアリーリストの公示” (プレスリリース), 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ, (2016年10月5日), https://www.bleague.jp/news/injury.html 

関連項目編集