フィリップ・リバース

アメリカンフットボール選手、クォーターバック (1981 - )

フィリップ・マイケル・リバースPhilip Michael Rivers1981年12月8日 - )は、アメリカ合衆国アラバマ州ディケーター出身の元アメリカンフットボール選手。現役時代のポジションはクォーターバック(QB)。これまでにプロボウルに8回選出されている。2006年9月1日の試合から連続先発出場をしており、NFLのクォーターバック連続先発出場記録ではブレット・ファーヴに次ぐ歴代2位の記録となっている。

フィリップ・リバース
Philip Rivers
refer to caption
チャージャーズ時代のリバース(2017年)
基本情報
ポジション クォーターバック
生年月日 (1981-12-08) 1981年12月8日(42歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アラバマ州ディケーター
身長: 6' 5" =約195.6cm
体重: 228 lb =約103.4kg
経歴
高校 アセンズ高校
(アラバマ州アセンズ
大学 ノースカロライナ州立大学
NFLドラフト 2004年 / 1巡目全体4位
初出場年 2004年
初出場チーム サンディエゴ・チャージャーズ
所属歴
選手歴
2004-2019 サンディエゴ・チャージャーズ
ロサンゼルス・チャージャーズ
2020 インディアナポリス・コルツ
コーチ歴
2021- セントマイケル・カトリック高校
受賞歴・記録
プロボウル選出(8回)
2006・2009・2010・2011・2013・2016・2017・2018
その他受賞・記録
カムバック賞(2013年)
NFL 通算成績
TD/INT 421/209
パス獲得ヤード 64,440
パス成功率 64.9%
QBレイティング 95.2
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

経歴

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プロ入り前

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アラバマ州ディケーターで生まれた。父・スティーブは地元の高校のフットボールチームのヘッドコーチで、母・ジョアンは教師であった。その後、アセンズへ転居。当時、ミネソタ・バイキングスでプレーしている自画像を描き、スポーツ・イラストレイテッドで紹介されたことがある。少年時代からつけている背番号17は、父が高校時代につけていたものと同じである。

ノースカロライナ州立大学でプレーした後、2004年NFLドラフト1巡全体4位でニューヨーク・ジャイアンツに指名されたが、全体1位でサンディエゴ・チャージャーズに指名されたイーライ・マニングとトレードされた。彼とチームの契約交渉はなかなか進まず、4週間のトレーニングキャンプと、2週間のプレシーズンゲームを欠場し、8月23日に、1425万ドルのサインボーナスを含む6年4050万ドルの契約を結んだ[1]

チャージャーズ時代

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プロ入りして最初の2シーズンは、ドリュー・ブリーズの控えQBを務めた。2004年は、ブリーズがカムバック賞に選ばれる活躍で[2]、ブリーズ、ダグ・フルーティに次ぐ第3QBであった。2試合のみの出場で、チームがAFC西地区優勝を果たした後の最終週のカンザスシティ・チーフス戦の後半に初めてパスを投げた。

2005年、フルーティが解雇されて、第2QBに昇格した。最終週のデンバー・ブロンコス戦でブリーズが右肩を負傷したため、交代出場、パス22回中12回成功、1インターセプト、2ファンブルを喫し、チームは7-23で敗れた。シーズン終了後、ブリーズはフリーエージェントとなり、ニューオーリンズ・セインツと契約を結んだ。

2006年より先発QBを務めた[3]。この年、彼はパス成功率62%、3388ヤード、22TD、9INTの好成績をおさめた[4]。チームは14勝2敗でプレーオフのホームフィールドアドバンテージを獲得したが、プレーオフ初戦のディビジョナルプレーオフでニューイングランド・ペイトリオッツに21-24で敗れ、マーティ・ショッテンハイマーヘッドコーチは解任され、ノーブ・ターナーが後任のヘッドコーチとなった[5]

2007年には開幕4試合で1勝3敗となったが、11勝5敗で2年連続AFC西地区優勝を果たした。プレーオフでテネシー・タイタンズインディアナポリス・コルツを破り、チームに1994年以来となるプレーオフ勝利をもたらし、チームはAFCチャンピオンシップゲームに進出したが、レギュラーシーズンを無敗で終えた、ニューイングランド・ペイトリオッツに敗れてスーパーボウル出場は果たせなかった[4]

2008年、NFLトップの35TDパス、QBレイティング105.5の成績を残した。プレーオフではインディアナポリス・コルツを破った後、ピッツバーグ・スティーラーズとのディビジョナルプレーオフでは300ヤード以上を投げて、3タッチダウンパスをあげたが、QBサック4回、1インターセプトを喫し、24-35で敗れた。

2009年8月、6年9200万ドルの契約延長を果たした[6]。この年4254ヤード、28TDパス、9INTの成績をあげて、2度目のプロボウルに選ばれた。チームは13勝3敗でAFC第2シードを獲得したが、ディビジョナルプレーオフでニューヨーク・ジェッツに14-17で敗れた。

2010年、NFLトップの4710ヤードを投げた[4]。チームは3勝5敗のスロースタートとなり、9勝7敗でシーズンを終えた。プロボウルには4回目の選出で初めてプレーした。それまでの3回のプロボウルでは、負傷で2回欠場、前年のプロボウルは子どもの誕生により出場していなかった[7]

2011年もプロボウルに選出された。

2012年、第4週のカンザスシティ・チーフス戦で100戦連続先発出場を果たした。また、この試合で史上7番目の早さでパス25000ヤードを記録した[8]。チームは7勝9敗で2003年以来の負け越しでシーズンを終えた。チームは3年連続でプレーオフ出場を逃し、ノーブ・ターナーヘッドコーチ、A・J・スミスゼネラルマネージャーは解任された[9]

過去2シーズンで35インターセプトを喫したリバースであったが、2013年マイク・マッコイがヘッドコーチに就任し、新しいオフェンスシステムを導入、この年、リバースは、ダン・ファウツ以来チーム史上2人目となるパス30000ヤードを達成、最後の4試合を連勝し、AFC第6シードでプレーオフに進出した。この年パス成功率69.5%、4478ヤード、32タッチダウン、11インターセプトの成績をあげてカムバック賞に選ばれた[10]。プレーオフではシンシナティ・ベンガルズを27-10で破ったが、デンバー・ブロンコスに17-24で敗れた。

2014年、第2週から第6週までの5試合全てでQBレイティング120以上の成績を残した。5試合連続120以上の成績を残したのは彼がNFL史上初の快挙であったが、12月には肋骨や背中の負傷もあり、月間のQBレイティングは、71.2にとどまり、これは2007年11月のQBレイティング68.8以来の低い数字であった。勝てばプレーオフ進出となる最終週の試合で7サックを浴びてチームは敗れた。6年連続パス4000ヤード以上となるパス4286ヤード、31タッチダウン、18インターセプトでチームのMVPに選ばれた。

2015年8月、4年8400万ドル(6500万ドルの補償つき)の契約延長を果たした[11]。この年ダン・ファウツの作ったチーム記録にあと11ヤードに迫る4792ヤードを投げた。プロボウルに選出されたが、欠場した。

2016年、33タッチダウンパスを投げたが、リーグ最多の21インターセプト、パス成功率も60.4%に終わり、キャリアで2番目に悪いQBレイティング87,9でシーズンを終えた。チームは5勝11敗で2年連続地区最下位に終わった。

2017年、パス4515ヤード、28タッチダウン、10インターセプトの成績を残し、チームは9勝7敗で2014年以来となる勝ち越しでシーズンを終えた。

2018年、パス4308ヤード、32タッチダウン、12インターセプト、チームは12勝4敗で2013年以来となるプレーオフ出場を果たした。プレーオフではボルチモア・レイブンズに23-17で勝ったが、ニューイングランド・ペイトリオッツに28-41で敗れた。

2019年シーズン、チームは地区最下位に沈んだ。更にチャージャーズは2020年のドラフトジャスティン・ハーバートを全体6位で指名したのに伴い、リバースとの再契約を見送る決断を下した。

コルツ時代

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2020年3月17日、1年2500万ドルでインディアナポリス・コルツと契約を結んだ。コルツのフランク・ライクヘッドコーチは、かつてチャージャーズでリバースを指導したことがある[12]。このシーズンはチームをワイルドカードでプレーオフに導いた。プレーオフ初戦でバッファロー・ビルズ相手に、309ヤードを投げ2つのタッチダウンを取ったものの試合は敗れた。

引退後

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コルツがプレーオフを敗退した後の2021年1月20日、現役引退し、同時にアラバマ州フェアホープのセントマイケル・カトリック高校のコーチに就任すると発表した[13][14][15]

詳細情報

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年度別成績

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レギュラーシーズン

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年度 チーム

試合 パス ラン 記録
出場 先発 成功
回数
試投
回数
成功
確率
獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD Int レイテ
ィング
試行
回数
獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD 先発出場
試合勝敗
2004 SD
LAC
17 2 0 5 8 62.5 33 4.1 1 0 110.9 4 -5 -1.3 0 0-0
2005 2 0 12 22 54.5 115 5.2 0 1 50.4 1 -1 -1.0 0 0-0
2006 16 16 284 460 61.7 3,388 7.4 22 9 92.0 48 49 1.0 0 14-2
2007 16 16 277 460 60.2 3,152 6.9 21 15 82.4 29 33 1.1 1 11-5
2008 16 16 312 478 65.3 4,009 8.4 34 11 105.5 31 84 2.7 0 8-8
2009 16 16 317 486 65.2 4,254 8.8 28 9 104.4 26 50 1.9 1 13-3
2010 16 16 357 541 66.0 4,710 8.7 30 13 101.8 29 52 1.8 0 9-7
2011 16 16 366 582 62.9 4,624 7.9 27 20 88.7 26 36 1.4 1 8-8
2012 16 16 338 527 64.1 3,606 6.8 26 15 88.6 27 40 1.5 0 7-9
2013 16 16 378 544 69.5 4,478 8.2 32 11 105.5 28 72 2.6 0 9-7
2014 16 16 379 570 66.5 4,286 7.5 31 18 93.8 37 102 2.8 0 9-7
2015 16 16 437 661 66.1 4,792 7.3 29 13 93.8 17 28 1.6 0 4-12
2016 16 16 349 578 60.4 4,386 7.6 33 21 87.9 14 35 2.5 0 5-11
2017 16 16 360 575 62.6 4,515 7.9 28 10 96.0 18 -2 -0.1 0 9-7
2018 16 16 347 508 68.3 4,308 8.5 32 12 105.5 18 7 0.4 0 12-4
2019 16 16 390 591 66.0 4,615 7.8 23 20 88.5 12 29 2.4 0 5-11
2020 IND 16 16 369 543 68.0 4,169 7.7 24 11 97.0 18 -8 -0.4 0 11-5
NFL:17年 244 240 5,277 8,134 64.9 63,440 7.8 421 209 95.2 383 601 1.6 3 134-106
  • 2020年度シーズン終了時
  • 太字は自身最高記録
  • は各年度のリーグ最高記録

ポストシーズン

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年度 チーム 試合 パス ラン 記録
出場 先発 成功
回数
試投
回数
成功
確率
獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD Int レイテ
ィング
試行
回数
獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD 先発出場
試合勝敗
2006 SD
LAC
1 1 14 32 43.8 230 7.2 0 1 55.5 3 3 1.0 0 0-1
2007 3 3 52 86 60.5 767 8.9 4 4 85.8 4 -2 -0.5 0 2-1
2008 2 2 41 71 57.7 525 7.4 3 2 83.4 2 13 6.5 0 1-1
2009 1 1 27 40 67.5 298 7.5 1 2 76.9 3 4 1.3 1 0-1
2013 2 2 30 43 69.8 345 8.0 3 0 116.9 5 14 2.8 0 1-1
2018 2 2 47 83 56.6 491 5.9 3 1 80.9 3 15 5.0 0 1-1
2020 IND 1 1 27 46 58.7 309 6.7 2 0 93.5 1 -1 -1.0 0 0-1
12 12 238 401 59.4 2,965 7.5 16 10 85.3 21 46 3.8 1 5-7
  • 2020年度シーズン終了時

脚注

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  1. ^ Rivers Agrees to Contract”. ロサンゼルス・タイムズ (2004年8月24日). 2019年10月21日閲覧。
  2. ^ Brees beats out Fields in 'Comeback' voting”. ESPN (2005年1月6日). 2019年10月21日閲覧。
  3. ^ Brees returns to the Q for 1st time since ’05 to face Bolts”. AP通信. houmatoday.com (2016年9月30日). 2019年10月21日閲覧。
  4. ^ a b c NFL: 3 Greatest Quarterbacks to Ever Play for the Chargers”. sportscasting.com (2015年10月28日). 2019年10月21日閲覧。
  5. ^ Chargers hire Turner as new head coach”. ESPN (2007年2月20日). 2019年10月21日閲覧。
  6. ^ Source: Rivers' extension worth $92M publisher=ESPN” (2009年8月25日). 2019年10月21日閲覧。
  7. ^ Chris Jenkins (2010年12月28日). “https://webcitation.org/5w9o78nfJ?url=http://www.signonsandiego.com/news/2010/dec/28/gates-dielman-named-pro-bowl-starters/”. 2019年10月21日閲覧。
  8. ^ Michael Gehlken (2012年9月30日). “Ironman streak ends for Chargers veteran”. sandiegouniontribune.com. 2019年10月21日閲覧。
  9. ^ Norv Turner, A.J. Smith fired”. ESPN (2012年12月31日). 2019年10月21日閲覧。
  10. ^ Chris Wesseling (2014年2月2日). “Chargers' Philip Rivers is Comeback Player of the Year”. nfl.com. 2019年10月21日閲覧。
  11. ^ Zac Jackson (2015年8月15日). “Chargers, Rivers finalize four-year extension”. NBCスポーツ. 2019年10月21日閲覧。
  12. ^ QBリバースが1年27億円でコルツと契約”. NFL JAPAN (2020年3月18日). 2020年3月18日閲覧。
  13. ^ Kevin Patra (2021年1月20日). “Philip Rivers retiring from football after 17 seasons in NFL”. NFL.com. 2021年1月21日閲覧。
  14. ^ コルツQBリバースが引退、17シーズンを過ごしたNFLから退き高校のコーチへ”. NFL JAPAN (2021年1月21日). 2021年4月4日閲覧。
  15. ^ https://twitter.com/Colts/status/1351891990322020354?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1351891990322020354%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.nfl.com%2Fnews%2Fphilip-rivers-retiring-from-nfl-after-17-seasons-chargers-colts

外部リンク

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