ホソバアカバナ(細葉赤花、学名:Epilobium palustre )は、アカバナ科アカバナ属多年草。別名、ヤナギアカバナという[4][5][6]

ホソバアカバナ
福島県尾瀬ヶ原 2016年8月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : アオイ類 Malvids
: フトモモ目 Myrtales
: アカバナ科 Onagraceae
: アカバナ属 Epilobium
: ホソバアカバナ E. palustre
学名
Epilobium palustre L.[1]
シノニム
和名
ホソバアカバナ(細葉赤花)[4]

特徴 編集

地下に、まれに地表に細長い匍匐枝を伸ばし、対生する鱗片状の葉をまばらにつけ、匐枝の先端に越冬芽をつくる。には稜がなく円柱形で、高さは10-80cmになり、全面に短毛が生え、上部には腺毛もあり、ときに上部で枝を分ける。は上部の葉を除いて対生し、葉柄が無く、葉身は線形から線状披針形で、長さ1.5-9cm、幅3-15mm、先端は鋭頭になり、短毛が生える[4][5][6]

花期は6-9月。は茎上部の葉腋から単生する。花の基部に細長くつく花柄状のものは、のちに果実になる子房で短毛がつく。は漏斗状になり、萼片は4個あり、裂片は長さ3-5mmの披針形で先端は鋭形になり、外面に毛と腺毛が密につく。花は白色から淡紅色、花弁は4個あり、倒卵形で長さ5-8mmになり先端が2浅裂する。雄蕊は8個あり、そのうち4個が長い。雌蕊の柱頭は倒卵状棍棒形になる。果実は4稜形の細長い蒴果で長さ3-9cmになり、短い白毛があり、先端から裂開する。果柄は長さ1-5cmになる。種子は長さ1-1.5mmの紡錘形で、細かい乳頭状突起があり、白色から淡黄褐色の冠毛状の長い毛(種髪)がつき、風によって飛ばされる[4][5][6]

分布と生育環境 編集

日本では、北海道、本州中部地方以北に分布し、湿原に生育する[4][5][6]。世界では、中国大陸インドカザフスタン韓国モンゴルネパールパキスタンロシア、中央・北・南西アジア、ヨーロッパ北アメリカグリーンランドに広く分布する[7]。大きさや葉形など変化が多い[4][5][6]

名前の由来 編集

和名のホソバアカバナは、「細葉赤花」の意で、葉の形が線形または線状披針形になり、細長いことによる。種小名palustre は、「沼地を好む」「沼地生の」の意味[4]

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ ホソバアカバナ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ホソバアカバナ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ ホソバアカバナ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  4. ^ a b c d e f g 『新牧野日本植物圖鑑』p.485, p.1340
  5. ^ a b c d e 『日本の野生植物草本II離弁花類』p.265
  6. ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物 3』pp.265-266
  7. ^ Epilobium palustre, Flora of China

参考文献 編集