ホソバシャクナゲ(細葉石楠花、学名:Rhododendron makinoi )はツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属常緑低木。別名、エンシュウシャクナゲ(遠州石楠花)[3][4][5]

ホソバシャクナゲ
東京大学植物園日光分園 2012年5月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
: ツツジ属 Rhododendron
亜属 : シャクナゲ亜属
Hymenanthes (Blume) K.Koch
: ホソバシャクナゲ R. makinoi
学名
Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai[1]
シノニム
  • Rhododendron yakushimanum Nakai subsp. makinoi (Tagg ex Nakai) D.F.Chamb.[2]
和名
ホソバシャクナゲ(細葉石楠花)

特徴 編集

を横に広げ、樹高は1-2mになる。若い枝には褐色の綿毛状の枝状毛が密に生える。は互生し、革質で、枝先に集まってつき、葉柄は長さ1-2.5cmになり、褐色の綿毛状の枝状毛が密生する。葉身は長さ7-18cm、幅1-2cmになり、狭長楕円形で、先はとがり、基部はくさび形で葉柄に流れる。葉の表面は無毛で光沢があり、細脈がしわ状になり、裏面には褐色の綿毛状の長い枝状毛が密生し、スポンジ状になる[3][4][5]

花期は5月。枝先に短い総状花序をつけて、5-10個のをつける。花柄は長さ1.5-3cmになり、褐色のやわらかな枝状毛が密生する。花冠は紅紫色で、径4-5cmの漏斗形で5中裂し、花冠の上側内面に濃色の斑点がある。雄蕊は10本で、花糸の下半部に短い毛が散生する。花柱の基部に毛が散生し、子房には褐色の枝状毛が密生する。果実蒴果で長さ10-15mm、幅約6mmの短い円柱形になり、褐色の枝状毛が密生する[3][4][5]

分布と生育環境 編集

日本固有種。本州の静岡県の天竜川以西から愛知県東部に分布し、山地の日当たりのよい岩場に生育する[3][4][5]。日本産のシャクナゲ類では、最も標高が低い場所に生育する種で、愛知県北設楽郡設楽町にある本種の自生地は、「ホソバシャクナゲ自生地」として愛知県の天然記念物に指定されている[6]

保全状況評価 編集

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

下位分類 編集

  • シロバナホソバシャクナゲ Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai f. leucanthum (Makino) Sugim. [7]
  • クルマザキホソバシャクナゲ Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai f. muranoanum (Makino) H.Hara[8]
  • ヤエホソバシャクナゲ(ヤエエンシュウ) Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai f. plenum Sugim. [9]

脚注 編集

  1. ^ ホソバシャクナゲ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ホソバシャクナゲ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d 『日本の野生植物 木本II』p.145
  4. ^ a b c d 『樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物)山溪ハンディ図鑑5』p.100
  5. ^ a b c d 『新牧野日本植物圖鑑』p.539
  6. ^ 文化財ナビ愛知
  7. ^ シロバナホソバシャクナゲ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  8. ^ クルマザキホソバシャクナゲ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  9. ^ ヤエホソバシャクナゲ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献 編集