ホッキョクウサギ (北極兎、学名Lepus arcticus)はウサギ目ウサギ科ノウサギ属に属するウサギの一種。北極圏山地のような極寒の環境に適応している。

ホッキョクウサギ
ホッキョクウサギ
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウサギ目 Lagomorpha
: ウサギ科 Leporidae
: ノウサギ属 Lepus
: ホッキョクウサギ L. arcticus
学名
Lepus arcticus
Ross1819
和名
ホッキョクウサギ
英名
Arctic Hare, Polar Rabbit
ホッキョクウサギの分布
ホッキョクウサギの分布

分布

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グリーンランドツンドラ地域からカナダの北端にかけて分布している。

形態

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ホッキョクウサギは現存するウサギ目の中で最も大きくなる種のひとつである。平均的な体長は43 - 70センチメートル(尾長4.5 - 10センチメートルを除いて)である。体重はおよそ2.5 - 5.5キログラムになり、大型の個体では7キログラムを超える[1][2]

極寒地域で生存するために体表は厚い毛で覆われている。分布域の南方では、同地域に生息する他の動物(オコジョライチョウ)のように、環境の変化に伴ってカモフラージュのために毛の生え変わりが起こり、夏場は褐色や灰色、冬場は白色になる[3]。 しかしながら、カナダから遠く離れた北方地域では夏の期間が非常に短く、年間を通して白色のままである[3][4]

長い後脚をもち、時速60キロメートル以上で走ることが可能である[5]

生態

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雪に残されたホッキョクウサギの足跡

主にSalix arcticaのような木本植物を食料とする。その他に、ガンコウラン属植物の芽や果実、コケ地衣類、そのほか様々な草本を食べる。雪に埋もれた植物を、前足と鼻を使って掘り起こして食べることができる。さらに、凍った魚や罠に掛かった動物の肉などを食べているとの報告がある[6]

ホッキョクウサギの捕食者には、ホッキョクオオカミホッキョクギツネオコジョがいる[7]

通常は単独で行動しているが、ときに大規模な群れを作って行動することがある。

1羽のオスが複数のメスと交尾する。メスは6月ごろ、およそ2 - 8羽の仔を生む(地域によって異なる)。仔は充分に成長し、単独で生存できる状態になるまで母のもとで生活する[8]

平均寿命は5年程度である。

分類

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過去にユキウサギ (Lepus timidus)の亜種であると考えられていたが、現在は別種であるとされている。4亜種が存在する。

  • Lepus arcticus arcticus
  • Lepus arcticus banksii
  • Lepus arcticus groenlandicus
  • Lepus arcticus monstrabilis

脚注

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  1. ^ Burnie D and Wilson DE (Eds.), Animal: The Definitive Visual Guide to the World's Wildlife. DK Adult (2005), ISBN 0789477645
  2. ^ アーカイブされたコピー”. 2012年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年6月10日閲覧。
  3. ^ a b Arctic Wildlife”. Arctic Wildlife. Churchill Polar Bears (2011年). 2012年1月30日閲覧。
  4. ^ A hare of a different color”. How Arctic Hares have adapted to Gros Morne National Park of Canada. Parks Canada (2004年12月1日). 2012年1月30日閲覧。
  5. ^ Arctic Hare”. National Geographic. 2009年9月4日閲覧。
  6. ^ Best, Troy L.; Henry, Travis Hill (1994). “Lepus arcticus”. Mammalian Species (American Society of Mammalogists) 457 (457): 1–9. doi:10.2307/3504088. JSTOR 3504088. 
  7. ^ Ukaliq: the Arctic Hare”. About the Arctic Hare: Eat and Be Eaten. Canadian Museum of Nature. 2012年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月21日閲覧。
  8. ^ The Arctic Hare”. Canadian Museum of Nature英語版. 2012年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月26日閲覧。