ミスジハエトリ(三筋蠅取、Plexippus setipes)は、ハエトリグモの一種。日本で屋内外にみられ、雌雄で斑紋が異なる。

ミスジハエトリ
ミスジハエトリ♂
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: クモ綱 Arachnida
: クモ目 Araneae
: ハエトリグモ科 Salticidae
: スジハエトリグモ属 Plexippus
: ミスジハエトリ P. setipes
学名
Plexippus setipes Karsch1879

特徴 編集

体長はメスは7〜8mm、オスは6〜7mm。性的二形が明確で体色や斑紋も異なる。オスは頭部にオレンジ色の毛の帯があるのが特徴で、胸部から腹部を貫く縦筋の明暗がくっきりと見られる。メスは比較的均一な体色で斑紋もオスより目立たず、関東地方では全体的に暗色で南に行くと淡色になる[1]

類似種 編集

本種のオスは、頭部の橙色の帯が目立つため他の種とは見分け易い。メスの場合は、前述の通り体色の濃淡に地域差があることも手伝って、特に同属のチャスジハエトリP. paykulli)のメスとの見分けが困難な場合がある。

分布と生息 編集

日本では5月から8月頃に、本州四国九州南西諸島までの家屋内・外の壁や海岸の堤防などにみられる[1]。ただし、本州以南の同じく家屋(室内)に生息する同じハエトリグモ科のアダンソンハエトリHasarius adansoni)が、元は生息していなかった本州以北にも近年その分布を広げつつあり、本種はそのアダンソンハエトリとの競争には負けてるようだと報告されている[2]

日本国外ではベトナム中国南東部(山東省江蘇省安徽省浙江省湖北省湖南省江西省福建省広東省四川省)および新疆ウイグル自治区で記録されている[3]

利害  編集

家屋内外の害虫を食べる益虫と考えられる。姿が気味悪いと嫌われることの多いクモ類の中ではハエトリグモ類は比較的嫌われることが少ない。

出典資料  編集

  1. ^ a b 新海栄一高野伸二『フィールド図鑑 クモ』東海大学出版会、1984年。ISBN 4-486-00805-7 
  2. ^ 新海栄一『ネイチャーガイド 日本のクモ』文一総合出版、2006年。ISBN 978-4829901748 
  3. ^ 中国科学院动物研究所. “条纹蝇虎”. 中国动物物种编目数据库. 中国科学院微生物研究所. 2009年4月28日閲覧。[リンク切れ]