ヤウンデの悲劇[要出典]ヤウンデのひげき)とは、2006 FIFAワールドカップドイツ大会アフリカ最終予選におけるサッカーカメルーン代表エジプト代表との試合、およびその試合結果によってカメルーン代表が本戦出場を逃したこと自体を指す通称である。

2006年FIFAワールドカップ
アフリカ地区最終予選第3組 第10戦
開催日 2005年10月8日
会場 スタッド・アマド・アイジョ(カメルーンの旗 カメルーン ヤウンデ)

最終予選の経過編集

ドイツ大会のアフリカ最終予選では、参加国を6チームずつ5つのグループに分け、ホーム・アンド・アウェー方式で計10試合の総当たり戦を行い、各組1位だけが本戦出場できる規定だった。アフリカ最終予選グループ3では最終戦を残す時点で、カメルーンが2位コートジボワールに勝ち点1差の1位であり、カメルーンのヤウンデで開催される3位エジプト(本戦出場の可能性なし)との最終戦に勝てば、同日同時刻にスーダンで行われるコートジボワール対5位スーダン(本戦出場の可能性なし)の結果如何に関わらず自力で本戦出場できる状況にあった。

試合経過編集

2005年10月8日ヤウンデでの最終戦、ホームのカメルーンは21分にルドルフ・ドゥアラのゴールで先制したが、80分にエジプトが同点に追いついた。この時点で2位コートジボワールはスーダンを3-0とリードし勝利確実であるという情報が入っており、カメルーンはこのまま引き分けると2位に転落し本戦出場できない可能性が極めて高くなった。何としても勝ち越さねばならなくなったカメルーンは猛攻を続けるも90分内ではゴールを奪えず、試合は5分間のアディショナルタイムに突入した。

しかし94分にエジプト陣ペナルティエリア内でサロモン・オレンベが倒され、カメルーンが土壇場でPKを獲得。オレンベは歓喜し走り回り、他のカメルーンイレブンもカメルーン国民も、エジプト戦の勝利と通算6度目となるW杯本戦出場を確信した。しかし、PKを蹴ったピエール・ウォメがボールをゴールポストに当ててしまう。そのままボールはゴールラインを割り、ノーゴールとなった。ゴールキック後まもなく終了のホイッスルが鳴らされ、1-1の引き分けで試合終了となった。

結局、他会場でコートジボワールがスーダンに3-1で勝利したため、逆転でグループ3の1位となったコートジボワールが本戦出場権を獲得。カメルーンは出場権を逃した。

その後編集

試合後、PKを外したウォメの自宅が暴徒に襲われ、自宅の自動車(ベンツ)を破壊されてしまったという。

その後のインタビューでサミュエル・エトオ「PKは自分が蹴ろうとしたが、ウォメが蹴らせてほしいと言ってきたので彼に譲ったんだ」とコメント。しかし後日行なわれたウォメの会見(ピエール・ウォメの項参照)などによりエトオの発言が嘘だという事実が分かり、エトオへ批判が集中した。

関連項目編集