メインメニューを開く

SYシリーズ(エスワイシリーズ)はヤマハシンセサイザーの機種の型番・商品名。同社のシンセサイザーにはSY-1、SY-2という1970年代に発売されたアナログシンセサイザーもあるが、ここでは1980年代末から1990年代前半にかけて発売されたデジタルシンセサイザーについて記述する。

概要編集

このシリーズの特徴は一部の機種を除きPCM音源(AWM2音源)とFM音源(AFM音源)のハイブリッド音源(RCM音源)を搭載し、両者をかけ合わせることで、音色を作りかえられるという点である。エフェクターや、一部の機種を除きデジタルフィルターも内蔵していた。モジュールタイプ(鍵盤のない音源だけのタイプ)はTGシリーズと名付けられた。

AFM音源部分は、DXシリーズのFM音源より大幅に強化された。DXシリーズのオペレータはサイン波だけであったが、AFM音源ではサイン波以外に数種類の波形を選ぶことができた。フィードバックループがあるオペレータはDXでは1個だけだったが、AFM音源では3個になっている。オペレータの接続バリエーションであるアルゴリズムでは、たすき掛けのような複雑なものも装備された。さらに出力はレゾナンス付きのデジタルローパスフィルターを通り、フィルターカットオフをアナログシンセと同様、エンベロープジェネレータやLFOで変調することができた。さらにPCM波形でオペレータを変調することができた。この場合のキャリアとなるオペレータは0Hz固定に設定する必要があった。DXと同じ6オペレータであったが、これらの機能により非常に複雑な音作りが可能であった。

94年には音色合成より伴奏データ作成を主眼に置いたWシリーズが発売され、それに移行したとも考えられるが、Wシリーズの発売後もSY99、SY85、SY35は継続販売されていた。直系の後継機種といえるのは、98年発売のハイブリッド音源を搭載するEXシリーズで、これらの発売に伴い製造中止となった。

その後、2016年MONTAGEが発売されることで、ヤマハ製のFM音源搭載のハイブリッドシンセが久々に世に現れることとなった。

シリーズのモデル編集

SY99
1991年発売。SYシリーズの最高峰モデル。76鍵、32音ポリフォニック。RCM音源を搭載している。PCM音源部は8MBのWAVE ROMで、267種類の波形を収録している。0.5MBのバッテリーバックアップされたスタティックRAMを標準装備(最大拡張時3MB)。サンプラーTX16Wの波形を読み込むことも可能である。FM音源部は6オペレーター、45アルゴリズム。最大27,000音、10ソング記録可能な16トラックシーケンサーを搭載。2系統最大4種類のエフェクトを同時使用可能。マスターキーボード機能も搭載。希望小売価格は420,000円(税別)。なお、重量が20キログラム近くもあった。別売りカードで波形を拡張可能。本体添付のデモソングはチック・コリアが作成したデモソング冒頭の"Hi, I am Chick Corea. This is YAMAHA, S-Y Ninty Nine."というPCM音声ファイルを0.5MBのスタティックRAMにロードするため、フロッピーディスクで供給された。当時SY99は、まさに"King of Synthesizer"と言われていた。
 
SY77
SY77
1989年発売。デジタルシンセサイザーのSYシリーズの最初のモデル。61鍵、32音ポリフォニック。PCM音源部は4MBのWAVE ROMで、112種類の波形を収録している。最大16,000音記録可能な16トラックシーケンサーを搭載。希望小売価格は300,000円(税別)。3Uサイズにした、モジュール版TG77もある。別売りカードで波形を拡張可能。SY99同様にフロッピーディスクドライブを搭載している。またSY77は、当時の音楽シーンを揺るがしたほどの実力だった。
SY85
1992年発売。SYシリーズの最終モデル。PCM音源のみ搭載の機種。61鍵、30音ポリフォニック。8本のスライダーを利用して音色をリアルタイムに変化させることが可能。PCM音源のWAVE ROMは6MBで、244種類の波形を収録している。SY99同様、サンプラーTX16Wの波形を読み込むことも可能。同じくMIDIサンプル・ダンプ・スタンダード基準にも対応。別売RAMボードの他、汎用のSIMMでもメモリーの拡張ができる。8トラックシーケンサーを搭載。
ソフトバレエがMILLION MIRRORSツアーでマスターキーボードとして使用していた。
SY55
1990年発売。PCM音源のみ搭載の機種。61鍵、16音ポリフォニック。波形容量は2MBで、74種類の波形を収録している。8トラックシーケンサーを搭載。
SY35
1992年発売。FM音源、PCM音源のハイブリッドモデル。61鍵、16音ポリフォニック。コルグWAVE STATIONと同じようにベクターコントローラーを持ち、リアルタイムに音色を変化させることが可能。SY22の音色を差し替えたリニューアルモデルで、SY22から波形メモリーが2倍に増やされている。シーケンサー非搭載。デスクトップタイプのモジュール版TG33もある。
SY22
1990年発売。FM音源、PCM音源のハイブリッドモデル。61鍵、16音ポリフォニック。SY35と同様にベクターコントローラーを持ち、リアルタイムに音色を変化させることが可能。シーケンサー非搭載。