交響曲第3番 (ルトスワフスキ)

交響曲第3番は、ヴィトルト・ルトスワフスキ1973年から1983年にかけて作曲した交響曲ゲオルク・ショルティシカゴ交響楽団に献呈された。 1984年に連帯賞を受賞、1985年グロマイヤー賞を世界で初めて作曲部門で受賞した。

概要

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ヴィトルト・ルトスワフスキ(1991年)

交響曲第3番の多くの楽節では「アド・リビトゥム手法」が用いられている。これは、ルトスワフスキがジョン・ケージの「偶然性の音楽」に触発され終生用いた手法である。これらの楽節では、同期的な場面がほとんどなく、旋律の始まりや、楽器群の入りが奏者ごとに異なって設定されている。この方法により、作曲家は交響曲の構成と意図の実現を制御しながら、同時に複雑で予測不可能な混沌とした効果が得られている。この場合、作曲者の意図により曲が構成されているので「管理された偶然性」と呼ぶ。

編成

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大規模な編成を必要とする。

録音

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オーケストラ 指揮者 レコード会社 録音年 カタログ番号
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ヴィトルト・ルトスワフスキ フィリップスレコード 1985 464 043-2
ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団 エサ・ペッカ・サロネン ソニークラシカル 1985 SK66280
ポーランド国立放送交響楽団 ヴィトルト・ルトスワフスキ CDアコード 1992 ACD 015
シカゴ交響楽団 ダニエル・バレンボイム エラート 1992 91711-2
ポーランド国立放送交響楽団 アントニ・ヴィト ナクソス 1995 8.553423
BBCウェールズ交響楽団 尾高忠明 BISレコード 1995 CD743
シレジア・フィルハーモニー管弦楽団 ミロスワフ・ブワシュチク ダックス 2005 0506
BBC交響楽団 エドワード・ガードナー チャンドス 2010 CHSA 5082
ヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団 ヤチェク・カスプシク CDアコード 2013 ACD 197

サロネン指揮、ロサンゼルス・フィルの録音は、1986年にグラモフォン賞を受賞した。

初演

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1983年、ゲオルク・ショルティ指揮のシカゴ交響楽団により世界初演。

参考資料

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  • Witold Lutosławski: Symphony No. 3 (3.Symfonia) – information page for the work from the publisher, Chester Novello (accessed 2007-03-31)
  • Lutosławski, Witold. Symphony no. 3 (score). London: Chester Music, 1990. ISBN 978-0-7119-2368-3