六君子湯

ツムラ六君子湯エキス顆粒(医療用)[1]
六君子湯(りっくんしとう)とは、漢方方剤の一種。出典は明代の医書『万病回春』。マウス実験では同剤投与により、細胞をストレスから保護する遺伝子「サーチュイン」が活性化され、マウスが長生きできることが確認されているため、人の健康寿命を延ばせる期待が寄せられている[2][3]。
目次
概要編集
補気剤の一種。
効能・効果編集
適応編集
虚弱な人の消化不良、食欲不振、嘔吐などに用いる。
保険適用エキス剤の適応編集
胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐[4]
臨床試験編集
六君子湯は、上部消化管機能異常に起因すると考えられる食欲不振、胃部不快感、胃もたれなどの運動不全型の上腹部不定愁訴患者235 例(六君子湯エキス顆粒群118 例、低用量(40倍希釈)群117 例)による多施設共同の二重盲検ランダム化比較試験において、低用量群に比較して運動不全型の上腹部愁訴(dysmotility-like dyspepsia)が有意に改善した[5]。
組成編集
白朮(びゃくじゅつ)[6]、茯苓(ぶくりょう)、人参(にんじん)、半夏(はんげ)、陳皮(ちんぴ)、大棗(たいそう)、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう)
方解編集
- 四君子湯(白朮[6]・茯苓・人参・大棗・生姜・甘草)と、二陳湯(半夏・陳皮・茯苓・生姜・甘草)の合方
- 両処方の君薬(主薬)である白朮[6]・茯苓・人参・甘草及び陳皮・半夏の6生薬から六君子湯と名付けられた。
相互作用編集
副作用編集
注意事項編集
高齢者は生理機能の低下、妊産婦、小児は安全性未確立のため、注意が必要である[4]。
この漢方薬を元にした市販薬編集
関連処方編集
脚注編集
- ^ a b 本来白朮のところが蒼朮となっている。
- ^ “産経ニュース 漢方薬「六君子湯」で健康寿命が伸びるかかも? マウス実験で長生き確認 2016.3.16 08:31”. 2018年9月26日閲覧。
- ^ “自治医科大学[医学部 六君子湯によるグレリンシグナル増強はSirtuin 1活性化により加齢モデルの寿命を延長する 2016年2月12日]”. 2018年9月26日閲覧。
- ^ a b c d ツムラ製品情報『ツムラ六君子湯』
- ^ 原澤茂ほか『医学のあゆみ』1998年、187巻、p207-29
- ^ a b c メーカーによっては蒼朮(そうじゅつ)となっており、白朮と蒼朮の混同は日本独自の古方派の影響であるが、補剤という方剤の性質上白朮を用いるべきとされ、蒼朮を用いたものは本来の意味からして処方そのものの使用目的が不明瞭との批判がある。
関連項目編集
外部リンク編集
- 医療関係者向けサイト漢方スクエア「六君子湯関連コーナー」 六君子湯のエビデンス情報が集められています。