国税不服審判所(こくぜいふふくしんぱんしょ、英語:National Tax Tribunal)は、財務省設置法(平成11年7月16日法律第95号)第22条に基づき国税庁に設置される特別の機関である。

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国税不服審判所
こくぜいふふくしんぱんしょ
National Tax Tribunal
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国税不服審判所本部が設置される財務省庁舎
国税不服審判所本部が設置される財務省庁舎
概要
所在地 100-8978
東京都千代田区霞が関3-1-1
定員 747人(平成24年度)
設置 1970年昭和45年)5月1日
前身 国税庁協議団、国税局協議団
ウェブサイト
国税不服審判所
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沿革編集

  • 1970年(昭和45年) - 従前の協議団制度に代えて、国税庁の附属機関として国税不服審判所が設置される。
  • 1984年(昭和59年) - 附属機関から特別の機関となる。

職務編集

国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を行なう(国税通則法(昭和37年4月2日法律第66号)第78条第1項)。

組織編集

国税不服審判所は、本部及び各国税局の所在地に対応した12の支部で構成される(国税不服審判所組織規則第1条)。

本部編集

  • 国税不服審判所
    • 所在地:東京都千代田区霞が関3-1-1

支部・支所編集

  • 東京国税不服審判所

東京国税不服審判所長(首席国税審判官)は政令で規定される指定職2号の役職である。所在は東京都千代田区九段南1-1-15。所管区域は東京都・千葉県・山梨県。東京国税不服審判所横浜支所の所在地は神奈川県横浜市中区山下町37-9。所管区域は神奈川県。

  • 関東信越国税不服審判所

関東信越国税不服審判所長(首席国税審判官)は政令で規定される指定職2号の役職である。所在地は埼玉県さいたま市中央区新都心1-1。所管区域は埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県。関東信越国税不服審判所長野支所の所在地は長野県長野市西後町608-2。所管区域は長野県。関東信越国税不服審判所新潟支所の所在地は新潟県新潟市中央区営所通二番町692-5。所管区域は新潟県。

  • 大阪国税不服審判所

大阪国税不服審判所長(首席国税審判官)は政令で規定される指定職2号の役職である。所在地は大阪府大阪市中央区大手前1-5-63。所管区域は大阪府・奈良県・和歌山県。大阪国税不服審判所京都支所の所在地は京都府京都市左京区聖護院円頓美町18。所管区域は京都府・滋賀県。大阪国税不服審判所神戸支所の所在地は兵庫県神戸市兵庫区水木通2-1-4。所管区域は兵庫県。

  • 札幌国税不服審判所 所在地は北海道札幌市中央区大通西10。所管区域は北海道。
  • 仙台国税不服審判所 所在地は宮城県仙台市青葉区本町3-2-23。所管区域は宮城県・岩手県・福島県・秋田県・青森県・山形県。
  • 名古屋国税不服審判所

名古屋国税不服審判所長(首席国税審判官)は政令で規定される指定職2号の役職である。所在地は愛知県名古屋市中区三の丸3-2-4。所管区域は愛知県・三重県・岐阜県。名古屋国税不服審判所静岡支部の所在地は静岡県静岡市葵区追手町10-88。所管区域は静岡県。

  • 金沢国税不服審判所 所在地は石川県金沢市新神田4-3-10。所管区域は石川県・福井県・富山県。
  • 広島国税不服審判所

広島国税不服審判所長(首席国税審判官)は政令で規定される指定職2号の役職である。所在地は広島県広島市中区上八丁堀6-30。所管区域は広島県・山口県・島根県。 広島国税不服審判所岡山支所の所在地は岡山県岡山市北区天神町3-23。所管区域は岡山県・鳥取県。

  • 高松国税不服審判所 所在地は香川県高松市天神前2-10。所管区域は香川県・愛媛県・徳島県・高知県。
  • 福岡国税不服審判所

福岡国税不服審判所長(首席国税審判官)は政令で規定される指定職2号の役職である。所在地は福岡県福岡市博多区博多駅東2-11-1。所管区域は福岡県・佐賀県・長崎県。

  • 熊本国税不服審判所 所在地は熊本県熊本市中央区二の丸1-3。所管区域は熊本県・大分県・鹿児島県・宮崎県。
  • 国税不服審判所 沖縄事務所 所在地は沖縄県那覇市旭町9。所管区域は沖縄県。

国税審判所本部編集

国税審判所本部は、全国12の支部を統括し、審判所全体の管理・運営や、各支部に係属した個別事件の処理に関する助言指導(本部照会制度、相互審査制度)等の事務を行っている。 行政審判機関としての性格や、国税庁に対する中立性・第三者性保持の観点から、国税不服審判所本部所長には裁判官から出向する[1]。 国税不服審判所本部所長のもとで働く国税不服審判所次長は財務省本省(総合職)。

歴代国税不服審判所長編集

裁判官から出向するのが通例である。国税不服審判所長は政令で規定される指定職5号の役職である。

氏名 在任期間 前職 後職
小酒禮 1986年4月1日-1989年5月31日 大阪地方裁判所部総括判事 大津地方・家庭裁判所長
杉山伸顕 1989年6月1日-1993年3月31日 宇都宮地方・家庭裁判所栃木支部長 東京高等裁判所部総括判事
佐久間重吉 1993年4月1日-1995年3月31日 横浜地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
小田泰機 1995年4月1日-1997年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
太田幸夫 1997年4月1日-1999年3月31日 東京高等裁判所判事 東京高等裁判所判事
島内乗統 1999年4月1日-2002年3月30日 東京地方裁判所判事 東京高等裁判所判事
成田喜達 2002年3月31日-2004年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 山形地方・家庭裁判所長
春日通良 2004年4月1日-2006年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
井上哲男 2006年4月1日-2008年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
金子順一 2008年4月1日-2010年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
孝橋宏 2010年4月1日-2012年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
生野考司 2012年4月1日-2014年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
畠山稔 2014年4月1日-2016年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
増田稔 2016年4月1日-2018年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
脇博人 2018年4月1日-2020年3月31日 東京地方裁判所部総括判事 東京高等裁判所判事
東亜由美 2020年4月1日- 東京地方裁判所部総括判事

歴代国税不服審判所次長編集

国税不服審判所次長は政令で規定される指定職2号の役職である。首席国税審判官(関東信越、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)と同様である。

氏名 出身校 前職 在任期間
有働忠明 東京大学 財務省大臣官房付 2017年7月-
片山一夫 東京大学 横浜税関長兼税関研修所横浜支所長 2018年7月-
中山信行 東京大学 原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事 2019年10月-


  • 東京国税不服審判所長

検察官から出向するのが通例である。東京国税不服審判所次席国税審判官は財務省本省(総合職)又は財務省の外局である国税庁(総合職)。

  • 大阪国税不服審判所長

裁判官から出向するのが通例である。大阪国税不服審判所次席国税審判官は財務省本省(総合職)又は財務省の外局である国税庁(総合職)。

  • 各支部の国税不服審判所長(首席国税審判官)

各支部の国税不服審判所長(首席国税審判官)は財務省本省(総合職)又は財務省の外局である国税庁(総合職)。首席国税審判官(関東信越、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)は政令で規定される指定職2号の役職である。

  • 国税審判官、国税副審判官及び国税審査官

国税審判官は税務署長級(国税審判官の約半数に、弁護士・公認会計士・税理士等の有資格者が、任期付公務員として登用されている)[2]。国税副審判官は副署長級。国税審査官は統括官級又は上席級。

このほか、本部及び主要支部に、裁判官又は検察官からの出向者が若干名配置されている(なお、裁判官からの出向者の出向中の身分(官名)は、検察官からの出向者と同じく「検事」となるのが例である。)。

裁決編集

まずはじめに、各支部に配置された国税審判官が、担当審判官1名及び参加審判官2名から成る合議体を構成して審査請求事件の調査・審理を行い、審査請求に対する判断(主文、理由)を示した「議決」をする。

国税不服審判所長が、この議決に基づいて、裁決をする。

もっとも、実際の裁決権は、内部規程で各支部の国税不服審判所長(首席国税審判官)に委任されており、いわゆる専決処理がされている。

財務省庁舎内にある国税審判所本部からは、裁決に至る各段階において、各支部に係属した個別事件の処理に関する助言指導(本部照会制度、相互審査制度)等がされる。

その他編集

大蔵省主税局税制第三課長早田肇は、国税不服審判所の誕生の経緯について、「従来から、協議団制度に対しては、次のような批判が寄せられていた。第1に、協議団が国税局の付属機関として国税局長の指揮下に置かれ、しかも審査請求に当たって協議団の議決を経るのではあるが、裁決権は国税局長が保持する形をとっているところから、裁決に対して直税部、調査部等のいわゆる主管部が強い影響力を及ぼしているのではないかとの疑念が持たれ、このような制度のもとでは、納税者の納得を得られるような裁決は期し難いとの批判が生じていた。第2に、納税者の不服について真に個別性に応じた解決をはかるためには、場合によっては通達と異なる法令の解釈を行なう必要も生じるのであるが、国税局長の下におかれ、国税庁長官の発する通達に応じ得ないのではないかという批判も見られた。税制調査会の税制簡素化特別部会においては、これらの情勢および批判をふまえつつ、慎重な検討を重ねた結果、国税庁の付属機関として、自ら裁決権を有する不服審査機関を設置すべきであるという結論に達したものである。」と論じている[3]

脚注編集

  1. ^ “こういったポストには法曹の御出身の方々を任命しているところでございます”[1] 第5回国税審査分科会、第25回税理士分科会及び第6回酒類分科会の3分科会合同会議
  2. ^ [2] - 平成23年度税制改正大綱
  3. ^ 「特集・国税不服審判所の誕生」大蔵省主税局税制第三課長早田肇“国税不服審判所の成立経過”月刊「税務実務」May.1970,Vol.2No.5

関連項目編集

外部リンク編集