夜、鳥たちが啼く
『夜、鳥たちが啼く』(よる、とりたちがなく)は、佐藤泰志の連作短編集『大きなハードルと小さなハードル』に収録されている短編小説[1][2]。
夜、鳥たちが啼く | |
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作者 | 佐藤泰志 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 連作短編集 |
刊本情報 | |
収録 | 大きなハードルと小さなハードル |
出版元 | 河出書房新社 |
出版年月日 | 1991年3月26日 |
総ページ数 | 320 |
id | ISBN 978-4-309-00676-5 |
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あらすじ 編集
若くして小説家となった慎一だったが、その後は鳴かず飛ばずの状態で付き合っていた恋人も離れていき、鬱屈した日々を送っていた。そんなある日、友人の元妻である裕子が一人息子とともに慎一の家に引っ越してきた。自分が住んでいた家を裕子と子供に与え、慎一はプレハブに住むことになるという奇妙な共同生活を送ることになった。自分の身勝手な性格が災いして他人を傷つけた経緯のある慎一は夜になると、 かつての自分自身の姿を投影するような小説を書く日々を送るようになっていた。
一方、一人息子とともに慎一のところに身を寄せた裕子は息子が寝静まった頃に外へと繰り出し、夜ごと男たちと逢瀬を繰り返していた。親として強くありたいという想いと言い知れぬ孤独との間で裕子は苦しんでいた。そんな生活をしていく中で父親がいなくなった淋しさで傷心していた一人息子は慎一を慕い始める。慎一と裕子は互いを刺激し合わぬように共同生活を送るが、それぞれに前に進むきっかけを掴めずにいた。
「大きなハードルと小さなハードル」 収録作品 編集
- 美しい夏
- 野栗鼠
- 大きなハードルと小さなハードル
- 納屋のように広い心
- 裸者の夏
- 夜、鳥たちが啼く
書誌情報 編集
- 佐藤泰志「夜、鳥たちが啼く」
- 初出:『文藝』1989年冬季号
- 連作短編集『大きなハードルと小さなハードル』所収
- 単行本:河出書房新社、1991年3月26日発売、ISBN 978-4-309-00676-5[5]
- 文庫本:河出文庫、2011年6月7日発売、ISBN 978-4-309-41084-5[1][2]
映画 編集
夜、鳥たちが啼く | |
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監督 | 城定秀夫 |
脚本 | 高田亮 |
原作 | 佐藤泰志 |
出演者 |
山田裕貴 松本まりか |
音楽 | 石塚徹 |
撮影 | 渡邊雅紀 |
編集 | 清野英樹 |
製作会社 | クロックワークス |
配給 | クロックワークス |
公開 | 2022年12月9日 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
佐藤泰志の同名短編小説を原作として、城定秀夫監督により2022年12月9日に公開された[3][4]。主演は山田裕貴[3][4]。
第17回ロサンゼルス日本映画祭で最優秀長編作品賞を受賞した[6]。
キャスト 編集
- 岡田慎一:山田裕貴
- 裕子:松本まりか[3][4]
- アキラ:森優理斗
- 文子:中村ゆりか
- 邦博:カトウシンスケ
- 大谷静子:藤田朋子
- 武井徹:宇野祥平
- 三宅隼人:吉田浩太
- 小野田しずく:縄田カノン
- 滝沢:加治将樹
スタッフ 編集
脚注 編集
- ^ a b "大きなハードルと小さなハードル". 河出文庫. 河出書房新社. 2022年6月21日閲覧。
- ^ a b "大きなハードルと小さなハードル 佐藤泰志(著/文)". 版元ドットコム. 2022年6月21日閲覧。
- ^ a b c d "山田裕貴×松本まりか『夜、鳥たちが啼く』公開決定 佐藤泰志の原作を城定秀夫のメガホンで映画化". クランクイン!. ブロードメディア. 2022年6月21日. 2022年6月21日閲覧。
- ^ a b c d "山田裕貴×松本まりか『夜、鳥たちが啼く』12月公開 城定秀夫が佐藤泰志の短編小説映画化". Real Sound映画部. blueprint. 2022年6月21日. 2022年6月21日閲覧。
- ^ "大きなハードルと小さなハードル". 河出書房新社. 2022年6月21日閲覧。
- ^ “山田裕貴の主演作「夜、鳥たちが啼く」ロサンゼルス日本映画祭で最優秀長編作品賞に”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2022年9月19日) 2022年9月19日閲覧。