夜光虫』(やこうちゅう)は、1995年6月16日スーパーファミコン用ソフトとしてアテナから発売されたノベルゲーム。

夜光虫
ジャンル サウンドノベル
対応機種 スーパーファミコン (SFC)
開発元 アテナ
発売元 アテナ
プロデューサー 中村栄
シナリオ 白石マミ
プログラマー 大渕武士
音楽 後藤次利
美術 大野正樹
重村太一
シリーズ 夜光虫シリーズ
人数 1人
メディア 24メガビットロムカセット
発売日 日本 199506161995年6月16日
その他 型式:SHVC-ADJJ(JPN)
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チュンソフト以外のメーカーから発売された初めてのサウンドノベルである。1999年10月22日に『夜光虫GB』というタイトルでゲームボーイカラー専用ソフトとして移植されている。その際、新エピソードの追加や若干のシステム変更などがなされている。また、今作の続編であるNINTENDO64ソフト『夜光虫II〜殺人航路〜』がGB版と同日に発売されている。

概要 編集

陸を離れ半年間の航海に出た貨物船「ダイアナ」の船長を主人公とした物語。設定上、舞台の殆どが海上であり、ゲーム中に用意されている画像は全て船内部と船周辺のものである。固有名詞で登場している人物は下記の通りであるが、話には絡まないが固有名詞がないクルーが少なくとも何人か存在している模様。

ノベルゲームでは「主人公にはデフォルト名が設定されているが、変更は可能」という仕様のものが多いが、本作の主人公にはデフォルト名が設定されていない。そのためプレイした人間の間で主人公の呼び方が定まらず、他の登場人物らが名前で呼ばれる中、一人だけ「主人公」や「船長」などと呼ばれている。なお、最初のデータ作成時に名前を空欄にしたままゲームを始めると、ランダムで適当な姓をつけられて開始となる。

ノベルゲームに限らずコンピューターゲームではテキストの表示は横書きが主流だが、本作はSFC版、GB版ともに縦書きが採用されている。

シナリオを脚本家の白石マミ、BGMを後藤次利が手がけている。

SFC版では説明書の応募券を貼ってゲーム中に登場する「キーワード」を書いてアテナに送ると、先着1000名に「光る夜光虫テレフォンカード」が当たった。

登場人物 編集

船長
主人公。貨物船「ダイアナ」の船長。28歳。SFC版では平仮名・片仮名・漢字・アルファベットを使い自由に名前をつけられるが、GB版では漢字は使えない。ただし、名前を入力せずに始めた場合は漢字の姓になる。
南条(なんじょう)
ダイアナの機関長。主人公とは同期で商船大学時代からの親友でありライバル。スポーツマンで容姿が良く、女性によくもてる。28歳。
岩倉(いわくら)
ダイアナの甲板長。クルーからは「ガンさん」という愛称で呼ばれている。酒とギャンブルが好き。深月とはある事情で犬猿の仲。45歳。
末吉(すえきち)
関西弁を使う二等航海士。童顔。性格は明るいが単純でおっちょこちょいなところがある。主人公を尊敬している。24歳。
三谷(みたに)
一等航海士。常に冷静沈着で優れた判断力を持つ。情に流されやすい主人公とは意見が違えることもあるが、命令はしっかりこなす。28歳。
深月(みづき)
ダイアナの船医。感情を表に出さず、常に冷笑を浮かべている。度が過ぎた潔癖症のため船員からは敬遠されている。29歳。
金井(かない)
ダイアナのコック長。気が弱く心霊現象に関しては神経質で、航海中にノイローゼになったこともある。35歳。
野田(のだ)
ダイアナの通信技師。色白でぽっちゃり体型。黒縁の眼鏡をかけている。性格は気弱。あだ名は「野タヌキ」。27歳。
近藤(こんどう)
甲板部のクルーの一人。幼い時に両親を亡くしている。性格は真面目だが無口で暗いところがあり、他の船員とは馴染めていない。22歳。
友香(ゆか)
主人公の婚約者。色白の美人で、主人公とは南条の紹介で知り合った。物語の冒頭でダイアナの出航を見送る。誕生石はルビー(7月)。24歳。

他機種版 編集

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 夜光虫GB   199910221999年10月22日
ゲームボーイカラー アテナ アテナ 16メガビットロムカセット CGB-AYTJ-JPN - -

スタッフ 編集

スーパーファミコン版
  • 原作・脚本:白石マミ
  • システムエンジニア:田端勤
  • プログラマー:大渕武士
  • グラフィックデザイナー:大野正樹、重村太一
  • 音楽:後藤次利
  • アーティストマネジメント:長谷部務(株式会社プライベーター)
  • サウンドプログラマー:禎清宏(有限会社ピュアサウンド)
  • サウンドオペレーター:足立美奈子(有限会社ピュアサウンド)
  • 音楽&サウンドコーディネーター:皆川賢輔(株式会社G・T・Oフォーバレー)
  • 音楽制作統括:平井かよ子(株式会社パセリプロモーション)
  • スペシャルサンクス:株式会社ジャグラー、日本脚本家連盟、新党ぬけがけ、高崎敬之、佐々木彰太郎、片野研一、小山正広、野崎竜也、多胡智弥、今智弘、鈴木諭、平織佳秋、樽林義貴
  • 制作総指揮:中村栄
ゲームボーイカラー版
  • 原作:白石マミ
  • 監督:平尾真士
  • 美術:浦河霧臣
  • 演出:浦河霧臣、山口照
  • プログラム:平尾真士、山口照
  • 音響:及川一億
  • 音楽・効果音製作:株式会社ピュアサウンド
  • サウンドプログラム:禎清宏
  • 広報:吉田修子、山野井佳織
  • 営業:鈴木美彦、藤掛裕二
  • スペシャルサンクス:太田八王子、平織佳秋、深川大輔、矢風図、浅見友之、富田賀彦
  • 製作総指揮:中村栄

評価 編集

スーパーファミコン版
評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通25/40点(SFC)[1]
24/40点(GBC)[2]
ファミリーコンピュータMagazine21.5/30点(SFC)[3]

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では8・6・6・5の合計25点(満40点)[1]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.5点(満30点)となっている[3]

項目 キャラクタ 音楽 お買い得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.2 3.8 3.3 3.7 3.9 3.5 21.5
ゲームボーイカラー版

ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」での評価は合計で24点(満40点)となっている[2]

脚注 編集

  1. ^ a b 夜光虫 まとめ [スーパーファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年8月7日閲覧。
  2. ^ a b 夜光虫GB まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年1月2日閲覧。
  3. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、408頁。 

関連項目 編集