大類伸
日本の西洋史学者
大類 伸(おおるい のぶる、1884年(明治17年)2月22日[1] - 1975年(昭和50年)12月27日[1][2])は、日本の西洋史学者。東北帝国大学教授、帝国学士院会員、日本学士院会員。
人物情報 | |
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生誕 |
1884年2月22日 日本東京市日本橋区 |
死没 | 1975年12月27日 (91歳没) |
出身校 | 東京帝国大学 |
学問 | |
研究分野 | 歴史学(西洋史) |
研究機関 | 東京帝国大学、東北帝国大学、日本女子大学、明治大学 |
学位 | 文学博士 |
経歴
編集1884年、東京市日本橋区生まれ[1][2]。神田練塀小学校から東京開成中学校、第一高等学校[1]を経て、1906年東京帝国大学文科大学史学科を卒業[1][3]。
1921年、東京帝国大学文学部助教授に採用される[4]。1915年に東京帝国大学に日本城郭史の研究を提出して文学博士の学位を授与された[1][5]。1937年5月8日、帝国学士院会員に選出[1][6]。1924年、東北帝国大学教授に転任[7]。ヤーコプ・ブルクハルトを学んで西洋中世史、ルネッサンス史に先駆的業績をあげた。1944年に東北帝国大学を退官し、日本女子大学教授となった[1]。1949年以降は明治大学教授も兼任した[1]。帝国学士院会員(のち日本学士院会員)であった。
研究内容・業績
編集著作
編集著書
編集- 『ヴェニスとフロレンス』アカギ叢書 1914
- 『戦争と城塞』三省堂書店, 1914[8]
- 『民族競争』冨山房, 1915
- 『城郭之研究』日本学術普及会, 1915
- 『西洋時代史観 中世』文会堂書店, 1916、改題「西洋中世の文化」冨山房 1965
- 『現代世界の史的観察』天佑社, 1918
- 『史蹟めぐり』博文堂, 1919[9]
- 『世界大戦概史』右文閣, 1919
- 『世界的思想』学芸書院, 1919
- 『歴史と自然と人』博文館 1921
- 『美術をたづねて 伊太利みやげ』博文館, 1927
- 『小国興亡論 世界興亡史論 第20巻』平凡社 1932
- 『現代史学大系 第1巻 史学概論』共立社書店 1932
- 『西洋史講座 5 文藝復興時代史』雄山閣 1932
- 『女子新西洋史解説』東京開成館, 1934
- 『西洋史新講』冨山房 1934、新版1962、のち『改稿 西洋史新講』
- 『列強現勢史・ロシヤ』冨山房百科文庫 1938
- 『列強現勢史・ドイツ』冨山房百科文庫 1938
- 『ルネサンス文化の研究』三省堂, 1938、清水弘文堂書房 1971
- 『列強現勢史・東中欧諸国』冨山房百科文庫 1939
- 『世界の光 日本』新日本児童文庫 アルス 1940
- 『現代史学』弘文堂 1942
- 『ルネサンス文化の潮流』文藝春秋社 1943
- 『日本の城』アルス, 1943
- 『概論歴史学』生活社, 1944
- 『明治回顧』生活社, 1946
- 『歴史への道 藤村と漱石 日高書房, 1947
- 『西洋文化史観 東と西』帝国書院 1947
- 『綜合西洋世界史』雄山閣, 1948、のち『綜合世界史』角川文庫
- 『ルネッサンスの問題』三省堂, 1948
- 『西洋思潮三講』育生社, 1948
- 『現代世界史』労働文化社 1950
- 『西洋文化史論考』誠文堂新光社 1961
- 『桃山の春』冨山房, 1969
共著
編集編纂・監修
編集翻訳
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j 西村貞二『本会顧問大類伸先生を偲ぶ』公益財団法人 史学会、1976年。doi:10.24471/shigaku.85.3_348 。2022年4月16日閲覧。
- ^ a b 保坂栄一 1976
- ^ 『東京帝国大学一覧 従明治39年至明治40年』東京帝国大学、1907年、(208)頁。NDLJP:813182/319。
- ^ “「大類伸外十名任免ノ件○逓信局書記樋畑正太郎外一名任官、判事永根義雄任官、陸軍技師森田長太郎外一名依願免官」『任免裁可書・大正十年・任免巻八』”. 国立公文書館デジタルアーカイブ. 国立公文書館 (1921年3月4日). 2022年11月14日閲覧。
- ^ 『官報』第949号、大正4年9月30日、pp.586-587.
- ^ 『官報』第3102号、昭和12年5月10日。
- ^ “「東京帝国大学助教授大類伸外四名任官ノ件」『任免裁可書・大正十三年・任免巻五十』”. 国立公文書館 (1924年11月6日). 2022年11月11日閲覧。
- ^ 八巻1996, 194頁。"題名通り戦争と城郭の関わりをといたものである。(中略)ヨーロッパの城郭にも言及しており視野の広さがうかがわれる。この書が本格的な日本の城郭に関する初めての学術書といえる。".
- ^ 八巻1996, 195頁。"東北から九州までの史蹟散歩の本であるが、さすがに城郭の項は精彩を放っている。".