尾形 聡彦(おがた としひこ、1969年[1] - )は、日本のジャーナリスト。元朝日新聞社新聞記者特派員として米国のシリコンバレーホワイトハウスを主に取材[2][3][4]。国際報道部デスク、サンフランシスコ支局長などを歴任した。2022年6月に退社し、同年7月にオンラインメディア「Arc Times」を立ち上げた[2][1]

おがた としひこ

尾形 聡彦
生誕 1969年(54 - 55歳)
東京都
国籍 日本の旗 日本
出身校 慶應義塾大学経済学部
職業朝日新聞社新聞記者
ジャーナリスト
活動期間 1993年 -
肩書き 「Arc Times」代表
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来歴

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東京都出身[1]東京学芸大学附属大泉中学校東京学芸大学附属高等学校卒業[5]。1993年3月、慶應義塾大学経済学部卒業。同年4月、朝日新聞社に入社[1]。秋田支局、千葉支局を経て、1998年から経済部記者として財務省、鉄鋼業界、証券業界、流通業界などを担当した[2]。2000年から2001年にかけて、米国のスタンフォード大学客員研究員を務めた。

2002年、特派員として米国のサンノゼに赴任。シリコンバレーを取材した。2008年、ロンドンに赴任。2009年、ワシントンに赴任[2][1]

2015年から2018年にかけて機動特派員としてオバマ政権とトランプ政権を取材。赴任期間中の2017年7月、両政権や大統領弾劾の行方を描いた『乱流のホワイトハウス―トランプvs.オバマ』(岩波書店)を刊行した[2]。2018年8月、サンフランシスコ支局長に就任[6]ビッグ・テック関連の海外記事を多く執筆した[7][8][9][10]

オンラインメディア「Arc Times」を設立するため、2022年6月30日に朝日新聞社を退職した[3]。それから8日後の7月8日に安倍晋三銃撃事件が発生。開局を前倒し、7月12日、尾形と望月衣塑子がメインキャスターを務める第1回放送「安倍氏暗殺と参院選、今後の日本」をYouTubeチャンネルで配信した。ゲストは青木理だった[11][注 1]。サンフランシスコ特派員時代の自宅に会社を登記し、東京のシェアオフィスに連絡場所をおいた[3]

ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川による性加害問題をめぐって2023年9月7日と10月2日に記者会見を開いた際、会見の運営を担当したFTIコンサルティングは「指名NG記者」のリストを作成した[13]。尾形は会見で最前列に座り、挙手し続けたが、自身の名が望月とともにリストの一番上に記載されていたため、指名されなかった[14][15][16]。10月5日にFTIコンサルティングは謝罪。尾形は「不誠実かつ無責任に八百長会見を画策した罪はあまりにも重い」として、ジャニーズ事務所社長の東山紀之を強く批判した[15]

著書

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  • 尾形聡彦『乱流のホワイトハウス―トランプvs.オバマ』岩波書店、2017年7月27日。ISBN 978-4000255042 
  • 李鍾元木宮正史、尾形聡彦、朱建栄田中均太田昌克ほか 著、李鍾元、木宮正史 編『朝鮮半島 危機から対話へ―変動する東アジアの地政図』岩波書店、2018年10月12日。ISBN 978-4000238977 

脚注

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注釈

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  1. ^ 青木理は2015年から2016年にかけて『AERA』に 安倍晋三とその一族に関するルポルタージュを断続的に連載。2017年1月にそれらをまとめた書籍『安倍三代』を刊行した[12]

出典

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  1. ^ a b c d e 2022年9月 第10回オンライン講演会予定”. 国際善隣協会. 2024年7月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e 尾形 聡彦 | 著者ページ”. 東洋経済オンライン. 2024年7月25日閲覧。
  3. ^ a b c 下山進 (2022年10月26日). “【下山進=2050年のメディア第14回】朝日を静かに辞める そしてメディアを創る”. AERA dot.. 2024年7月25日閲覧。
  4. ^ 尾形聡彦、望月洋嗣 (2011年5月8日). “オバマ大統領「やつを仕留めたぞ」 緊迫の作戦舞台裏”. 朝日新聞. 2024年7月25日閲覧。
  5. ^ 独立型動画メディアの未来は明るい? 暗い?|昨年7月に立ち上がったネットの報道番組「Arc Times」とのコラボ企画。”. ポリタスTV (2023年4月26日). 2024年7月25日閲覧。
  6. ^ 尾形聡彦の記事”. 朝日新聞GLOBE+. 2024年7月25日閲覧。
  7. ^ 尾形聡彦 (2020年4月30日). “フェイスブック、月間利用者30億人 外出制限で大幅増”. 朝日新聞. 2024年7月25日閲覧。
  8. ^ 尾形聡彦 (2020年10月14日). “初の5G対応「iPhone 12」を発表 米アップル:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年11月13日閲覧。
  9. ^ 尾形聡彦 (2021年4月7日). “米最高裁、グーグル勝訴と判断 オラクルが著作権で訴え”. 朝日新聞. 2024年7月25日閲覧。
  10. ^ 尾形聡彦 (2021年5月26日). “米アマゾン、老舗映画会社MGMを買収へ 9200億円”. 朝日新聞. 2024年7月25日閲覧。
  11. ^ 政治と宗教【青木理・望月衣塑子・尾形聡彦】”. Arc Times (2022年7月12日). 2024年7月23日閲覧。
  12. ^ 青木理『安倍三代』朝日新聞出版、2017年1月20日、291-292頁。ISBN 978-4023315433 
  13. ^ “ジャニーズ会見「NGリスト」 PR会社が作成認め謝罪”. 日本経済新聞. (2023年10月5日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE054CN0V01C23A0000000/ 2023年10月7日閲覧。 
  14. ^ “スクープ!ジャニーズ会見で使用された「指名候補&NGリスト」現物入手&全社名公開!”. フライデー. (2023年10月5日). https://friday.kodansha.co.jp/article/335459 2024年5月5日閲覧。 
  15. ^ a b “NGリストの一番上だった”尾形聡彦氏、ジャニ会見「やり直し」求む 「罪はあまりにも重い」”. スポーツニッポン (2023年10月6日). 2024年7月25日閲覧。
  16. ^ ジャーナリストら「市民を愚弄」 ジャニーズ会見で「NGリスト」”. 共同通信 (2023年10月4日). 2024年7月25日閲覧。

外部リンク

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