青木理

日本のジャーナリスト (1966-)

青木 理(あおき おさむ、1966年昭和41年〉10月26日 - )は、日本ジャーナリストTVコメンテーター。元共同通信社記者。元ソウル特派員。身長は183cm[1]

あおき おさむ
青木 理
生誕 (1966-10-26) 1966年10月26日(57歳)
日本の旗 日本 長野県小諸市
出身校 慶應義塾大学文学部卒業
職業 ジャーナリスト
活動期間 1990年 -
テレビ番組 サンデーモーニングMr.サンデーなど
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経歴

長野県小諸市生まれ[2]。父は元小学校教員[3]長野県野沢北高等学校慶應義塾大学文学部卒業後[4]1990年共同通信社入社[5]

同社では大阪社会部成田支局を経て東京社会部で警視庁警備公安部門などを担当[5]オウム真理教事件阪神大震災、種々の公安事件や経済事件を取材する。

1997年から1998年まで韓国延世大学校韓国語学堂に留学し、外信部勤務を経て2002年から2006年までソウル特派員を務める。社会部在籍中の1999年に『日本の公安警察』を講談社現代新書から著し「それなりのベストセラーとなって話題を呼んだ」と本人は語っている[6]

2006年6月、同社を退社。同年8月から日本版『オーマイニュース』の創刊に参加し、副編集長に就任した[7][8]

死刑存廃問題を取材した「死刑執行 絞首台の現実」を『月刊現代』で連載[8] したものを2009年に『絞首刑』として出版し、第32回講談社ノンフィクション賞の候補作に挙がる[9](のちの2012年には、大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件における確定判決後を描いた同題の講談社文庫版も出版されている[注釈 1]。)。死刑賛成、反対のどちらか一方の立場ではなく被害者、加害者、執行刑務官などを取材してありのままを伝える目的で著した[13]、と語っている。

2011年4月から2021年3月まで、テレビ朝日モーニングバード』(2015年より『羽鳥慎一モーニングショー』)のコメンテーターとしてレギュラー出演[14] していた。

筋萎縮性側索硬化症を患った徳田虎雄を取材して2011年4月から『週刊ポスト』で8回連載し、単行本『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』が、再び講談社ノンフィクション賞の候補作となる[2][15][16]

ニュース探究ラジオ Dig』で木曜担当のラジオパーソナリティを務めた。

第19回新聞労連ジャーナリズム大賞、第9回疋田桂一郎賞選考委員[17]

2015年、『AERA』編集長の浜田敬子は、青木に、安倍晋三とその一族に関するルポルタージュの執筆を依頼。編集部の記者二人(作田裕史、宮下直之)を取材班に付け、同年8月17日号(8月10日発売)から「安倍家三代 世襲の果てに」の連載が開始された。2016年5月2日・9日号まで断続的に掲載され、この連載をもとに加筆修正された単行本『安倍三代』が2017年1月に刊行された[18][19]

主張

日韓関係

内閣総理大臣安倍晋三を「嫌い」であると公言し、岸信介の劣化コピーと評している。日韓関係は、韓国の朴槿恵大統領も社会や政治をどうにか変えたいという内なる情熱もない世襲政治家であり、「特別な自分なりの哲学や思想がなかった二人の政治家が、彼らの存在を必要としていた“勢力”(日本の極右、韓国の守旧)によって振り回されたことで、日韓両国社会に大きな衝撃と痛みを与えている」と解説している[20]

夫婦別姓に賛成

選択的夫婦別姓制度に賛同し、「選択的夫婦別姓を認めないことは、多様な考えや価値観を否定するようなもので成熟した民主主義国家の姿とは言えない」と主張している[21]

朝日新聞による慰安婦・吉田調書誤報を擁護

朝日新聞記者の植村隆による従軍慰安婦に関連する報道への批判について、「メディアに誤報はつきものだ」などとした上で、「朝日新聞は日本を代表する新聞であることに異論はなく、それゆえ世論からの批判は仕方がないにしても、問題はやりかただ。『売国奴』や『反日』などという批判をすべきではない」「ヘイトスピーチが堂々と街頭に出ている現状を考えると、歴史は大きな転換点にきている。今回の問題は朝日だけのものではない、歴史的事件であり、すごく危機感を持っている」と疑問視している[22]

さらに記事の内容に誤りがあったとして朝日新聞が取り消した吉田調書に関連する報道についても「虚報やねつ造と同列に論じるのはおかしい」と擁護し[23]、朝日新聞が記事を取り消したことを「この国のメディアとジャーナリズムの将来に重大な禍根を残す」とし、一連の朝日新聞批判は「言論・報道の自由を殺し、果ては民主主義を殺す」と批判している[24]

暴力団排除条例に反対

2012年1月24日、作家の宮崎学らが暴力団排除条例の廃止を求める記者会見を都内の参議院議員会館で催し[25]、司会を務めた青木は「暴排条例には“暴力団と個人的に交際するな”と書いてあります。個人的な交際をお上が規制するというのはおかしくないのか、という憤慨を抱いております」と挨拶した[25]

Go Toキャンペーン

2020年10月25日放送の番組「サンデーモーニング」において「GoToって僕も使ったんですけれど、多少お金があって、休みも取れる人が使ってるんだけど、そうじゃない人もいっぱいいらっしゃるわけで。そういう所への支援っていうのを、少し冬に向かって真剣に考えないと、ヨーロッパの事を対岸の火事みたいに言ってられないような状況ってこともあり得るんじゃないかなって気がしますよね」と発言した[26]

批判

韓国における日本人女性観光客暴行事件

2019年8月にソウルで発生した10代の日本人女性観光客が30代の韓国人男性に暴行された事件について、青木は2019年8月27日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』で、「邦人保護の対象となるような人が、怪我をしたとか行方不明になったというならわかるけど、はっきり言えば今回のケース、僕がソウル特派員で普段の時にいたら多分書かない」「ニュースにならないニュースがこういう形で大きく注目されるって言うことが、今の日韓関係をさらにまた悪化させていく原因」と主張。加害者男性が被害者女性に対して韓国において日本人を侮蔑するときに用いられる「チョッパリ」という差別用語を発していたことから通常の暴行事件と背景が異なるとする同席したコメンテーターの玉川徹の指摘には、「別にその今の時期じゃなくても日本人の悪感情を呼ぶ時には必ず使うものなんですよ」と説明し、ネット上で猛批判を浴びているとニュースサイト『リアルライブ』が報じた[27][注釈 2]

この発言に対し韓国人の作家である崔碩栄は、「『差別語って言うのも日本人を呼ぶ時に必ず使う言葉』100%無い」「『韓国人全体=差別主義者』にする酷い発言」と青木を批判[27]石平太郎は、「(青木は)韓国人にはどこまでも優しいが、日本人にはどこまでも冷酷だ。彼らが普段に言っている『反差別』も『女性の人権』もただの嘘だ」と批判した[27]。(詳細は「弘大日本人女性暴行事件」を参照

福島第一原発の処理水を汚染水と表現

福島第一原子力発電所事故で発生した汚染水を浄化処理した『ALPS処理水』について、2021年5月2日放送の「サンデーモーニング」で「人類史でも最大級の原発事故をこの国は起こしてね、福島、僕も取材で通ってますけれども、皆さんご存知の通り、10年経っても今度は汚染水を放出するなんて話をしている」と処理水の海洋放出を批判し、『処理水』ではなく『汚染水』と表現。この発言が物議を醸しているとデイリー新潮が報じた[29]。番組内での青木の発言について、タレントのほんこんツイッターで「汚染水を放出と 青木氏がテレビで発言 処理水です この様な発言が 風評被害、風評イジメになるんですよ これ発言は問題になりませんかね」と批判[29]。また、民主党政権下で原子力損害賠償支援機構担当の特命大臣環境大臣原子力行政担当大臣原子力防災大臣を歴任した細野豪志議員もツイッターで青木の発言を風評加害であると批判し「事故の有無に関係なく、国内外の原子力施設は処理水を海洋放出している」と指摘した[29]

日本の新型コロナ(COVID-19)感染者数と対策に対する発言

2021年11月14日放送の、TBS系の「サンデーモーニング」に出演し、「皆さんご存知の通り、これまでの(日本の)政権もこういう色々な対策を打ち出すんだけれど、(中略)結果的にもアジアではご存知の通り、最大級最悪級の感染者が出ちゃったりとか、東京大阪で医療崩壊状態になっちゃったわけですよね」と批判した。この「アジアではご存知の通り、最大級最悪級の感染者が出ちゃった」という発言に対して、「インドインドネシアの一日当たり感染者数の方が日本より多い」「根拠を示して話すべきではないか」などの批判が起きた[30]

また2021年12月12日放送の、TBS系の「サンデーモーニング」に出演した折には日本のコロナ対策を「客観的に見て、日本政府の感染対策ってダメダメだったわけですから」と批判した。しかし例えば近隣国である大韓民国ではロイター通信によれば、報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による新たな死者の1日の平均を更新し平均57件以上の死亡が報告されている(2021年12月13日)[31]。事実、韓国内の報道においても900人の重篤症目前の「894人」、及び新規確認6689人となっており[32][独自研究?]「どう客観的?」「どこがダメダメなのか具体的に」と批判を浴びた[33]

著書

単著

  • 『日本の公安警察』講談社現代新書1999年ISBN 9784061494886
  • 『北朝鮮に潜入せよ』講談社現代新書、2006年ISBN 9784061498365
  • 『国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』金曜日2008年 増補版角川文庫、2013年。ISBN 9784041010815
  • 『絞首刑』講談社2009年 のち文庫 ISBN 9784062774079
  • 『ルポ 拉致と人々 救う会、公安警察、朝鮮総聯』 岩波書店2011年ISBN 9784000024273
  • 『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』小学館、2011年12月。ISBN 978-4093798280 
    • 『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』小学館〈小学館文庫〉、2013年11月6日。 
  • 『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』講談社、2013年11月12日。ISBN 978-4062816397 
  • 『青木理の抵抗の視線』トランスビュー、2014年11月14日。ISBN 978-4798701547 
  • 『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心』講談社、2014年12月17日。ISBN 978-4062193436 
  • 『ルポ 国家権力』トランスビュー、2015年3月15日。ISBN 978-4798701585 
  • 『日本会議の正体』平凡社平凡社新書〉、2016年7月9日。ISBN 978-4582858181 
  • 『安倍三代』朝日新聞出版、2017年1月20日。ISBN 978-4023315433 
  • 『暗黒のスキャンダル国家』河出書房新社、2019年9月26日。ISBN 978-4309249094 
  • 『カルト権力―公安、軍事、宗教侵蝕の果てに』河出書房新社、2023年3月14日。ISBN 978-4309231235 

共著

連載

出演

テレビ番組

現在(レギュラー、準レギュラー)

過去(レギュラー、準レギュラー)

テレビ(その他)

ウェブ番組

  • デモクラシータイムスYouTube、2021年4月24日 - )-「ウィークエンドニュース」、「著者に訊く」等
  • ポリタスTV(YouTube他、2021年4月 - )- 隔週金曜日ゲスト(2022年9月に月曜日から金曜日へ)
  • JAM THE WORLD – UP CLOSE(Amazon Music、2021年8月17日 - )- 火曜日ナビゲーター

ラジオ

現在(レギュラー、準レギュラー)

過去(レギュラー、準レギュラー)

ラジオ(その他)

脚注

注釈

  1. ^ なお、この死刑囚と青木が面会した際に撮影した写真を含む講談社FRIDAY』記事[10]について法務省が2011年に抗議した[11]が、青木は「法律では一切禁じられていない」と説明した[12]
  2. ^ 実際には被害者の日本人女性は暴行を受けて入院した[28]

出典

  1. ^ https://www.daily.co.jp/gossip/2022/10/02/0015689518.shtml
  2. ^ a b トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 内容紹介 - Amazon.co.jp
  3. ^ “(おやじのせなか)青木理さん 半島へ、たった一度の頼み”. 朝日新聞. (2020年9月27日). https://www.asahi.com/articles/DA3S14637233.html 2021年4月22日閲覧。 
  4. ^ 青木理『日本会議の正体』平凡社、2016年、著者紹介。
  5. ^ a b 青木 理(あおき・おさむ)”. PRESIDENT Online. 2021年4月22日閲覧。
  6. ^ 現代ビジネス 『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』
  7. ^ レイバーネット アジア記者クラブ例会~オーマイニュースをめぐってディスカッション
  8. ^ a b 佐野眞一高山文彦、青木理、城戸久枝「誰が『雑誌』を殺したか―『現代』休刊と編集者のあり方」『』2009年6月号、pp.40-43
  9. ^ 誌上公開 第32回講談社ノンフィクション賞選考会 講談社『G2公式サイト内
  10. ^ 講談社『FRIDAY』第28巻第22号(2011年5月27日発売)p22-26 - 「彼は死ななければならないのか 木曽川・長良川連続リンチ殺人事件 死刑囚・KA「面会室で流した涙」」
  11. ^ 中日新聞』2011年5月31日朝刊29面「死刑囚撮影し掲載 フライデーに抗議 法務省」(中日新聞社)
  12. ^ 「懸命に生きている姿伝えたい」 FRIDAYに死刑囚の写真を掲載した理由 (2011年6月22日) - エキサイトニュース(2/2)
  13. ^ 講談社の新刊『絞首刑』の著者・青木理が、死刑の現場を語る YouTube 2009年7月15日
  14. ^ 出演者紹介 テレビ朝日『情報満載ライブショー モーニングバード!』公式サイト
  15. ^ G2 » Vol.11 » 激論! 講談社ノンフィクション賞選考会 講談社公式サイト内
  16. ^ 「著者インタビュー 青木理」『サンデー毎日』2012年2月12日号、p.108
  17. ^ 新聞労連トピックス「2015年1月13日(火) : 第19回新聞労連ジャーナリズム大賞、第9回疋田桂一郎賞決まる」
  18. ^ 青木理 2017, pp. 291–292.
  19. ^ AERA(アエラ) 2015年8/17号 (発売日2015年08月10日)”. Fujisan.co.jp. 2022年12月5日閲覧。
  20. ^ “[インタビュー]「先代の七光り“世襲政治家”安倍と朴槿恵、似たもの同士かも」”. ハンギョレ. (2017年2月8日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/26457.html 
  21. ^ 「青木理、夫婦別姓『選択的自由を奪うという視点で考えて』」週刊女性、2016年1月26日号
  22. ^ ジャーナリストを守れ!~シンポジウム「朝日バッシングとジャーナリズムの危機」”. レイバーネット. 2017年11月23日閲覧。
  23. ^ 朝日新聞の「誤報」に新聞労連が特別賞 原発「吉田調書」報道めぐり評価真っ二つ”. J-CASTニュース (2015年1月30日). 2021年6月15日閲覧。
  24. ^ 青木理・特別寄稿「なぜ異議を唱えないのか」”. 現代ビジネス (2015年2月25日). 2021年6月15日閲覧。
  25. ^ a b 「マスコミは警察の味方」と激怒、田原総一朗氏ら暴排条例廃止を求めて会見、2012年01月24日、BLOGOS編集部
  26. ^ 「「GoTo僕も使ったんですけれど…」で物議 批判的な『サンモニ』青木理氏の発言に疑問と反論の声も」、 リアルライブ、2020年10月26日
  27. ^ a b c 青木理氏、邦人暴行事件を「取り扱うに値しない」 ネットで猛批判”. ライブドアニュース. 2019年8月29日閲覧。
  28. ^ 「みんな見て見ぬふり。やっぱり日本人は嫌なのかな」ソウル繁華街で暴行被害女性――まだ入院中”. J-CAST. 2019年9月11日閲覧。
  29. ^ a b c TBS「サンデーモーニング」原発処理水の報道で批判殺到 元担当大臣が指摘する問題点”. デイリー新潮. 2021年6月10日閲覧。
  30. ^ 『サンモニ』で青木理氏「日本はアジア最大最悪級のコロナ感染者」発言 事実誤認とも”. ニフティニュース (2021年11月16日). 2021年11月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月13日閲覧。
  31. ^ 韓国における新型コロナウイルスの感染状況・グラフ*”. graphics.reuters.com (2021年12月13日). 2021年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月13日閲覧。
  32. ^ [速報] 900人の重篤症の目の前に「894人」...新規確認6689人”. ネイバーニュース (2021年12月13日). 2021年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月13日閲覧。
  33. ^ 青木理氏「日本の感染対策ってダメダメ」 ネット「どこが?」”. Yahoo!ニュース. デイリースポーツ (2021年12月12日). 2021年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月13日閲覧。