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常勤(じょうきん)は、フルタイム:full-time)ともいい、事業所の所定労働時間を通じて勤務する労働形態のこと。

法律上は、「通常の労働者」(つうじょうのろうどうしゃ)と呼称される[1]

これに対し、所定労働時間のうち一部を勤務する形態を「非常勤」(短時間労働者、パートタイム)という[1]と呼ばれる。

一般には、日本においては正規雇用者(正社員・正職員)がこれに該当することが多い。日本法労働基準法により、変形労働時間制を敷かない場合にあっては、「1日8時間・週40時間以内の労働」が義務付けられている。

各国のフルタイム時間編集

各国の週の労働時間は、

となっている。フルタイム時間以上に働く分は残業となり、割増賃金を受け取ることができる(月給とはみなさない)。

常時使用労働者編集

20世紀中盤に整備された古い労働法規は、常勤にあたる概念として「常時使用する労働者」という考え方をしばしば用いた。これは時間に関わらず職場で常態的に労働している者を意味し、必ずしも「就業規則上限の労働」「正規雇用契約者」を意味しなかった。

例えば、労働安全衛生規則は、常時使用労働者に健康診断を受けさせる義務などを定めているが、常時使用労働者の定義について国通達「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」(平成47年9月18日付け基発第602号)は、労働時間こそ明記していないもののパートタイマーも含むとしている。

また、健康保険や厚生年金保険について、「昭和55年6月6日付け厚生省保険局保険課長・社会保険庁医療保険部健康保険課長・社会保険庁年金保険部厚生年金保険課長内かん」は、常用的使用関係にある者が加入対象であることを前提とした上で、その定義を「所定労働時間及び所定労働日数のおおむね4分の3以上」としている。(いわゆる3法加入の4分の3基準。ただしこの内簡は、「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大に係る事務の取扱いについて」(平成28年5月13日付け保保発0513第1号・年管管発0513第1号)により廃止された。)

また、医療が高度化・専門化が進むにつれ、「出張医」などと呼ばれる短時間勤務の医師が生まれるようになり、労務管理などにおいて常時使用労働者である医師を定義する必要が生じたため「医療法第25条第1項に基づく立入検査要綱」(平成13年6月14日付け医薬発第637号・医政発第638号)により、週に32時間以上労働する医師が常勤であると規定された。

しかし20世紀後半以降、日本で長時間労働社会が急速に進展し、終身雇用された正規労働者は愛社精神のままに長時間時間外労働を行うのが当然となり、日本の労働者は労務管理の全ての面で「就業規則の上限ぴったり(実質的には加えて大量の時間外労働)で働く正社員」と「短時間のみ働くパートタイマー」の2区分に完全に断絶した。「正規雇用・パートタイマーを一定の幅で含めた常時使用労働者」という概念は実質的な意味を完全に喪失し、労働者の安全管理や社会保険の分野のみで形骸化した規定として残存した。行政も考え方の転換を余儀なくされ、例えば21世紀初頭の国通達「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律の施行について」(平成19年10月1日付け基発第1001016号・職発第1001002号・雇児発第1001002号)では、所定労働時間がわずかでも短ければ無条件で短時間労働者であると定義している。

このような状況の中で、21世紀初に非正規雇用の大量動員により急拡大した福祉分野において常勤(=正規労働者)・非常勤(=非正規労働者)という概念が整備された。

常勤換算編集

常勤換算とは、常勤・非常勤の従事者数を「常勤」に置き換えた場合の人数、及びその換算方法をいう。

常勤者1名は、常勤に換算すると1名であり、常勤の50%の時間を勤務する非常勤者は、常勤換算は0.5名(1名×50%)ということになる。

医療・福祉の事業所の運営を定めた省令において、必要とされる資格者の数が常勤換算で定められている例が少なくない。

例えば、訪問介護事業者は、ヘルパーを常勤換算2.5名置くことが必要である。

脚注編集

  1. ^ a b 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
  2. ^ http://policies.anu.edu.au/procedures/hours_of_work/procedure
  3. ^ Official governmental site on the 35-hour workweek
  4. ^ "The Fair Labor Standards Act (FLSA) does not define full-time employment or part-time employment. This is a matter generally to be determined by the employer." http://www.dol.gov/dol/topic/work時間/full-time.htm

関連項目編集