数字であそぼ。』(すうじであそぼ。)は絹田村子による日本漫画作品。

数字であそぼ。
漫画
作者 絹田村子
出版社 小学館
掲載誌 月刊フラワーズ
レーベル フラワーコミックスアルファ
発表号 2018年8月号[1] -
発表期間 2018年6月28日[1] -
巻数 既刊6巻(2021年7月9日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

月刊フラワーズ』(小学館)にて2018年8月号から連載中[1]

製作背景編集

重要参考人探偵』の連載終了後、次回作の構想を練っていた絹田は、たまたま数学好きの人と知り合った。絹田自身は文系で高校の数学もよく判らなかったのだが、その人と話すうちに文系の自分とは違う考え方や価値観を持っていることに興味を抱いた[2][3][3]。一例で言うと、絹田にとって数学とは「公式などをたくさん覚えて問題を解くもの」だったが、数学好きの人たちに言わせれば「公式は覚えなくていい」というものだった[3]。そこで主人公を「数学が判らない」側とし、「数学が暗記科目ではない」ことを強調するために記憶力を強化した設定を付けた[3]

ストーリーは先にシチュエーションを考え、数学科出身の人に数学ネタをどう絡められるか意見を聞きながら組み立てている[2]。読者には数学が好きな人もいれば、数学が苦手な人もいるので、絹田自身が聞いてもさっぱり理解できないことは入れないことにしている[2]

作中では、さまざまな数学のトリビアが出てくるほか、数学分野の学生や教授たちの姿がユーモラスに描かれている[4]。これらは京都大学数学科出身の人に取材した内容を元にしており、作中で描かれているエピソードも実際にそのような先生がいたという話をもとにしている[3]。また、理系大学生たちの生活を描いたという点では佐々木倫子の『動物のお医者さん』を彷彿とさせる[4]

あらすじ編集

横辺建己は、親譲りの記憶力、見た物をそのまま記憶する映像記憶の能力から、神童と呼ばれて育ち、将来は物理学者としてノーベル賞受賞と周囲からも言われ、本人もその気になって、京都の名門・吉田大学理学部に現役合格した。しかしながら初日に受講した数学の授業がまったく理解できなかった。周囲の同級生も同じだろうと思って声をかけるも、逆に大学の講義は判りやすいとの話に人生初の挫折を経験。ショックのあまり、下宿に引きこもって2年も留年した。たまたま2年留年していた同学年の北方創介と出会って気を取り直して再び大学に通い始めた。

変わり者揃いの理学部の友人たちは数学とは理解して積み重ねていく学問だと言うが、建己には大問題。次々と立ちふさがる難問に混乱する建己だったが、どうにか単位をそろえて、北方、猫田、夏目、平坂と共に理学部数学科へと進む。(以上、2巻まで)

主な登場人物編集

横辺 建己(よこべ たてき)
奈良県出身。見た物をそのまま記憶する映像記憶の能力があり、暗記物にはとてつもなく強い。そのため、自分で考えることなく、真に理解することなく試験では高得点を獲得し、高校までは神童と呼ばれていた。大学の期末試験なども過去問を丸暗記することで単位を取得していることもある。
記憶力だけで入試を乗り切った数学に向かないタイプ[2]、(大学)数学は暗記科目ではないということを強調するために覚えられるけど、理解できない主人公[3]として設定された。
ゼミは早乙女教授の代数学1群[注 1]
北方 創介(きたかた そうすけ)
建己と同期だが、建己同様に入学してから2年間、1単位も取得していなかった。2留同士ということで建己と意気投合し講義に出席するようになる。
実はパチスロにはまり込んで留年しており、数学的な考え方はできる。
高知県出身で、実奈(みな)、菜美(なみ)という双子の妹がいる。
ゼミは建己と同じ早乙女教授の代数学1群。
猫田 賢(ねこた けん)
東京出身。過去20年分ほどの過去問を集めており、それを売っている。
言葉をオブラートに包めないタイプ。
ゼミは中條教授の幾何学1群。
夏目 まふゆ(なつめ まふゆ)
建己と同期の女性だが、第4話での再会時は1年遊んでいたため単位不足から専攻は決まっていない。新潟県出身。
1年生最初の講義のあとに建己に「公式も考えてその場で作ればいい。理解していればできる」と言い放ち、トドメを刺したが、本人はまったく覚えていなかった。
数学は得意であるが、社会生活を営むには問題があり、下宿としている女子専用マンションの部屋は腐海と化している。電子炊飯器には1か月ほど入れっぱなしで深緑色に変色した飯が入っていたほど。
シュリニヴァーサ・ラマヌジャンが好きで部屋のクローゼットの中にはポスターも貼っている。
ゼミは代数学2群[注 2]
平坂 世見子(ひらさか よみこ)
初登場時は留年無しの2回生。夏目の友人。女性。実家は京都市内にある神社。
ゼミは解析学1群。
甘野(あまの)
建己とは2期後から入学しているが、2浪しているので同年齢。大学の寮住まい。
アルバイトで観光用人力車の車夫を行っている。この他、家庭教師もアルバイトとして掛け持ちしている。
建己のつまづきの原因ともなった1回生時の最初の授業「実数の定義(デデキント切断)」について、建己が理解するきっかけにもなる。
早乙女 万里雄(さおとめ まりお)
吉田大学理学部数学科代数学の教授。甘い菓子好きで生徒に勧めたがる。2留した建己と北方に郵便で呼び出しを行い、面談を行った。
建己が専攻に悩んださいも、数学科への声掛けと後押しを行っている。
建己らがゼミ生となる年度では学部長に就任している。
数学の難問の問題解決の糸口を風呂上りに思いつき、そのまま考え続けてパンツ1枚で往来を歩いていたところを警官に確保され職務質問されるエピソードは加藤和也の大学院生時代のエピソードが下敷きと思われる[5]
だんご
建己の下宿「紫陽花荘」大家の飼い犬、雑種の雄。女性好き。
建己は引きこもり中、だんごの餌係、散歩係をしていた。
アナンド
インド人男性。建己、創介と同じく代数学1群のゼミ生。
アニメ『じゃりン子チエ』のDVDで日本語を学んだため、こてこての関西弁を話す。留学生ではなく一般入試で吉田大学に入学している。
京都市内ではなく日本橋 (大阪市)に居住しているが、マンガ・アニメオタクでありグッズのショップやメイド喫茶が豊富にあることが理由。

用語編集

吉田大学
主人公らが在学する国立大学。京都市にあり、ノーベル賞受賞者を多数輩出している。
キャンパスや建物の様子は京都大学そのものである[4]
2年次終了までは数学系、物理学系、宇宙物理学系などに別れず理学部理学系として単位を取得し、必要な単位を獲得した場合に専攻を決める。建己、創介は2留していたため1年間で必要な単位をそろえて数学系へと進んだ。
紫陽花荘
建己の下宿。吉田大学の近郊になるが、築60年、風呂無し、クーラー無しであり、建己以外の下宿人はいない(犬のだんごと同居状態)。第3話でクーラーが設置されるが、建己のためではなく、だんごのため(暑いと庭に穴を掘ってもぐるため)。
モデルとなった下宿は現存しているが、営業はしていない(2019年時点)[3]

書誌情報編集

  • 絹田村子 『数字であそぼ。』 小学館 〈フラワーコミックスアルファ〉、既刊6巻(2021年7月9日現在)
    1. 2018年12月10日発売、ISBN 978-4-09-870281-7
    2. 2019年6月10日発売、ISBN 978-4-09-870452-1
    3. 2019年12月10日発売、ISBN 978-4-09-870665-5
    4. 2020年5月8日発売、ISBN 978-4-09-871024-9
    5. 2021年1月8日発売、ISBN 978-4-09-871274-8
    6. 2021年7月9日発売、ISBN 978-4-09-871298-4

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 1群は通常のゼミ。
  2. ^ 2群は担当教員とマンツーマンで行う、1群より高度なゼミ。

出典編集

外部リンク編集