斎藤友佳理

日本のバレエダンサー

斎藤 友佳理(さいとう ゆかり、1967年7月29日 - )は、日本バレエダンサーバレエ指導者、振付家である。1987年に東京バレエ団に入団し、2015年に芸術監督に就任した[1][2]

さいとう ゆかり
斎藤 友佳理
生誕 (1967-07-29) 1967年7月29日(53歳)
神奈川県横浜市
職業バレエダンサー、バレエ指導者
配偶者ニコライ・フョードロフ
子供1人

母は、アトリエ・ドゥ・バレエ[3]を主宰する木村公香[4]。叔母(母の妹)は女優の木村有里[5]、夫は元ボリショイ・バレエ団プリンシパルダンサー、ニコライ・フョードロフ[6]。20代で出産後、バレリーナに復帰[7][8]。愛称は『ユカリューシャ』(ユカリのロシア語での愛称に因む)[9]。フョードロフとの間に1男あり[8][10]

経歴編集

レパートリー編集

斎藤のこなすレパートリーは幅広く、古典作品の他にジョージ・バランシン、モーリス・ベジャール、ジョン・ノイマイヤーのような現代の振付家作品も踊っている[11][12]。とりわけ評価の高いのは、『ジゼル』やピエール・ラコット版『ラ・シルフィード』、『ドナウの娘』のようなロマンティック・バレエに分類される作品である[8][12]

彼女は非現実的なはかなさや浮遊感の表現に長けている[12]。その表現力をもって、リアリズムの対極にあるロマンティック・バレエに登場する妖精を舞台上に描き出し、ロシアの公演では「日本のマリー・タリオーニ」との賛辞を受けた[11][12]

現代の作品にも多くのレパートリーを持ち、モーリス・ベジャール、イリ・キリアン、ジョン・ノイマイヤーなどの作品を踊っている[11][12]。中でもノイマイヤーからの評価と信頼は高く、彼からの指名を受けて『月に寄せる七つの俳句』、『時節の色』などの初演者となった[12]。さらにノイマイヤーは斎藤の力量を見込んで、自らのカンパニー以外のダンサーにはめったに許可を与えない『椿姫』第3幕のパ・ド・ドゥ上演を認めている[12]

著書編集

斎藤は2002年に自著『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』を世界文化社から出版した[11][13][14][15]。この本の大まかな構成は、1996年12月の舞台『くるみ割り人形』で重傷を負った時期の話に始まり、最後は2001年12月24日に再び『くるみ割り人形』を踊る場面、そして未来への展望と最終的な夢を語る場面で終わる[16][17]

あとがきで斎藤が記述したところによれば、その10年ほど前にも本を出さないかという話が持ち込まれたという[13]。この話は諸般の事情で実現には至らなかった[13]。彼女は「もしそのときに書いていたら、内容も厚さも、この本には遠く及ばないものだったに違いありません。(中略)私はそれらの経験を経て、たくさんの伝えたいことと、それを書くエネルギーを与えられたのです」と語っている[13]

『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』は、2010年に『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』と改題した上で文春文庫から発売された[18]。文庫版には特別編として「オネーギン」が収録された[18]。この特別編には、彼女が切望していたバレエ『オネーギン』のタチヤーナ役を踊るまでの日々とそこに至るまでのさまざまな葛藤、そしてたどり着いた充足感などが描き出されている[18]

受賞歴編集

出演編集

DVD編集

  • 『ユカリューシャ』(2005年の同名公演を収録)[12][21]

脚注編集

[脚注の使い方]

出典編集

  1. ^ 斎藤友佳理 東京バレエ団芸術監督就任のお知らせ”. 日本舞台芸術振興会. 2020年3月7日閲覧。
  2. ^ 「『白鳥の湖』ドラマ性豊かに 東京バレエ団新芸術監督 斎藤友佳理」『読売新聞』2016年1月26日夕刊、p.10
  3. ^ 木村公香アトリエ・ドゥ・バレエ 2020年3月6日閲覧。
  4. ^ 『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』pp.44-51.
  5. ^ 『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』pp.212-214.
  6. ^ 「東京バレエ団の斎藤友佳理さん(人きのうきょう)」『朝日新聞』1990年02月22日夕刊、p.2
  7. ^ 「トレンドに迫る:バレリーナの出産」『毎日新聞』2018年06月05日夕刊、p.5
  8. ^ a b c 『バレエ・パーフェクト・ガイド』p.37.
  9. ^ 『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』pp.128-132.
  10. ^ 『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』pp.226-232.
  11. ^ a b c d 『東京バレエ団 2007年全国縦断公演プログラム』p.50.
  12. ^ a b c d e f g h 『バレエ・ダンサー201』、p.175.
  13. ^ a b c d 『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』pp.256-258.
  14. ^ 『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』奥付.
  15. ^ a b 服部智恵子賞受賞者”. 公益社団法人日本バレエ協会. 2020年3月14日閲覧。
  16. ^ 『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』目次.
  17. ^ 『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』pp.244-254.
  18. ^ a b c 『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』pp.322-325.
  19. ^ 『ユカリューシャ2不屈の鬼で夢をかなえたバレリーナ』pp.192-199.
  20. ^ 芸術選奨歴代受賞者一覧(昭和25年度~) (PDF)”. 文化庁. 2020年3月14日閲覧。
  21. ^ a b 斎藤友佳理芸術選奨受賞記念公演<ユカリューシャ>”. 日本舞台芸術振興会. 2020年3月16日閲覧。
  22. ^ 「横浜文化賞 4氏1団体」『読売新聞』2011年08月26日朝刊、p.32
  23. ^ 「秋の褒章、由紀さおりさんら」『朝日新聞』2012年11月02日朝刊、p.37

参考文献編集

  • 追分日出子『孤独な祝祭 佐々木忠次 バレエとオペラで世界と闘った日本人』 文藝春秋、2016年。ISBN 978-4-16-390550-1
  • 木村公香『バレエを習うということ』 健康ジャーナル社、2001年。ISBN 4-907838-04-2
  • 斎藤友佳理『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』 世界文化社、2002年。ISBN 4-418-02510-3
  • 斎藤友佳理『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』 文藝春秋〈文春文庫〉、2010年。ISBN 978-4-16-780111-3
  • ダンスマガジン編 『バレリーナのアルバム』 新書館、1998年。 ISBN 4-403-32006-6
  • ダンスマガジン編 『バレエ・パーフェクト・ガイド』 新書館、2008年。 ISBN 978-4-403-32028-6
  • ダンスマガジン編 『バレエ・ダンサー201』 新書館、2009年。 ISBN 978-4-403-25099-6
  • ダンスマガジン 2020年4月号(第30巻第4号)、新書館、2020年。
  • 『世界バレエフェスティバル2003年プログラム』日本舞台芸術振興会、2003年。
  • 『東京バレエ団 2007年全国縦断公演プログラム』日本舞台芸術振興会、2007年。

外部リンク編集