斎藤 忠(さいとう ただし、1908年明治41年〉8月28日[2] - 2013年平成25年〉7月21日[3][2])は、日本考古学者

斎藤忠
人物情報
生誕 (1908-08-28) 1908年8月28日
北海道
死没 (2013-07-21) 2013年7月21日(104歳没)
老衰
国籍 日本
出身校 東京帝国大学
学問
活動地域 日本東アジア
研究分野 考古学美術史
研究機関 東京大学大正大学静岡県埋蔵文化財調査研究所
学位 文学博士
称号 東京大学教授・大正大学名誉教授・静岡県埋蔵文化財調査研究所長
主な業績 仏教美術研究、日中韓文化交流の研究[1]、日本考古学史・好古家の研究
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経歴

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北海道生まれ[2]。生後ほどなく仙台市に移る。1926年(大正15年)3月、宮城県仙台第二中学校卒業[4]、同年4月第二高等学校文科甲類入学[4]、1929年(昭和4年)4月東京帝国大学文学部国史学科入学、卒業論文題名は「本邦古代に於ける葬制の研究」[5]1932年、同大学卒業[2][6]。1955年、「新羅文化の考古学的研究」により東京大学から文学博士学位を授与される[7]。1965年東京大学教授[8]、1970年大正大学教授、1983年退任[2]。財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所長を務めた。

著書

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単著

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  • 朝鮮古代文化の研究 地人書館 1943
  • 日本古代社会の葬制 高桐書院 1947
  • 上代における大陸文化の影響 大八洲出版[大八洲史書] 1947
  • 朝鮮仏教美術考 宝雲舎 1947
  • 朝鮮仏教美術考 寳雲舎 1948
  • 考古学の研究法 吉川弘文館 1950 / のち改訂版 1959
  • 装飾古墳の研究 吉川弘文館 1952
  • 日本考古学図鑑 吉川弘文館 1955 / のち新訂版 1965
  • 日本古墳の研究 吉川弘文館 1961
  • 木内石亭 吉川弘文館[人物叢書] 1962 / のち新装版 1989
  • 日本の発掘 東京大学出版会[東大新書] 1963
  • 古代の装身具 塙書房[塙選書] 1963
  • 古墳文化と古代国家 至文堂[日本歴史新書] 1966
  • 日本の誕生 原始・古墳時代 ポプラ社[日本の歴史1] 1968
  • 日本古代遺跡の研究 総説 吉川弘文館 1968
  • 日本の美術 1 小学館[ブック・オブ・ブックス] 1972
  • 新羅文化論攷 吉川弘文館 1973
  • 日本装飾古墳の研究 講談社 1973
  • 日本考古学史 吉川弘文館[日本歴史叢書 34] 1974 / のち新装版 1995
  • 日本の歴史文庫 1 講談社 1975
  • 図録東洋仏教遺跡 日本仏教文化の源流を訪ねて 吉川弘文館 1975
  • 古代史と考古学 吉川弘文館 1976
  • 日本古代遺跡の研究 論考編 吉川弘文館 1976
  • 図録東西文化交流史跡 吉川弘文館 1978
  • 日本人はどこから来たか 講談社学術文庫 1979
  • 古墳の視点 学生社 1980
  • 考古学と現代 日本評論社[日評選書] 1980
  • 年表でみる日本の発掘・発見史 1 日本放送出版協会NHKブックス] 1980
  • 考古学への道 学生社 1980
  • 古代朝鮮文化と日本 東京大学出版会[UP選書] 1981
  • 日本の発掘増補版 東京大学出版会[UP選書] 1982
  • 日本考古学概論 吉川弘文館 1982
  • 年表でみる日本の発掘・発見史 2 日本放送出版協会[NHKブックス] 1982
  • 古代の遺跡 写真集 学生社 1983
  • 装飾古墳・図文からみた日本と大陸文化 日本書籍 1983
  • 歴訪世界の博物館 六興出版[ロッコウブックス] 1984
  • 日本考古学史辞典 東京堂出版 1984
  • 考古学史の人びと 第一書房 1985
  • 東アジア葬・墓制の研究 第一書房 1987
  • 日本考古学研究 1 学生社 1988
  • 日本考古学研究 2 学生社 1989
  • 日本考古学研究 3 学生社 1990
  • 日本考古学用語辞典 学生社 1992 / のち軽装版 1998 / のち改訂新版 2004
  • 日本考古学史年表 学生社 1993
  • 斎藤忠著作選集 全6巻 雄山閣出版 1996-1998
  • 北朝鮮考古学の新発見 雄山閣出版 1996
  • 日本考古学文献総覧 学生社 1997
  • 遺跡 今と昔 写真集 学生社 1997
  • 中国天台山諸寺院の研究 日本僧侶の足跡を訪ねて 第一書房 1998
  • 中国五台山竹林寺の研究 円仁(慈覚大師)の足跡を訪ねて 第一書房 1998
  • 古代遺跡の考古学者 学生社 2000
  • 郷土の好古家・考古学者たち 東日本編 雄山閣出版 2000
  • 郷土の好古家・考古学者たち 西日本編 雄山閣出版 2000
  • 日本考古学の百年 東京新聞出版局 2001
  • 日本考古学史年表軽装版 学生社 2001
  • 仏塔の研究 アジア仏教文化の系譜をたどる 第一書房 2002
  • 考古学とともに七十五年 斎藤忠自伝 学生社 2002
  • 日本考古学用語小辞典 学生社 2003
  • 幢竿支柱の研究 第一書房[アジアの特殊仏教石造文化財の系譜 1] 2003
  • 六地蔵幢の研究 第一書房[アジアの特殊仏教石造文化財の系譜 2] 2004
  • 日本考古学人物事典 学生社 2006
  • 古都扶余と百済文化 2005年11月国立扶余博物館講演記念 第一書房[Academic series new Asia ; 46] 2006
  • 中国・韓国・北朝鮮の古跡への回想 漢詩の情感に触れつつ 第一書房[Academic series new Asia ; 47] 2007
  • 古都慶州と新羅文化 第一書房[Academic series new Asia 49] 2007
  • 古都開城と高麗文化 第一書房[Academic series new Asia 53] 2007
  • 斎藤忠著作選集 続編 全2巻 雄山閣 2007-2008

共著

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編著

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  • 日本古墳文化資料綜覧 3分冊 吉川弘文館 1952-1956
  • 信濃国分寺上田市教育委員会 1967
  • 日本古代遺跡の研究 文献編 吉川弘文館 1971
  • 日本考古学の視点 日本書籍 1974
  • 日本考古学史資料集成 吉川弘文館 1979
  • 日本古墳文化資料綜覧 明治初年〜昭和26年 臨川書店 1982
  • 中世の考古学 遺跡発掘の新資料 名著出版 1983
  • 古代朝鮮・日本金石文資料集成 吉川弘文館 1983
  • 日本考古学論集 全10巻 吉川弘文館 1986-1987
  • 続日本古墳文化資料綜覧 昭和30年〜昭和55年 全2巻 臨川書店 1985-1988
  • 高麗寺院史料集成 大正大学綜合仏教研究所 1997
  • 書簡等からみた史学・考古学の先覚 雄山閣出版 1998

共編

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  • 日本史図録 全4巻 児玉幸多・久野健共編 吉川弘文館 1960-1964
  • 日本横穴地名表 古墳化基礎資料 杉山博久共編 吉川弘文館 1983
  • 先史・古代の韓国と日本 江坂輝弥共編 築地書館 1988
  • 考古学から古典を読む 坂誥秀一共編 雄山閣出版[季刊考古学・別冊 4] 1993

監修

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  • 江見水蔭『地底探検記』の世界 解説・研究編 中山清隆編 雄山閣出版 2001
  • 日本考古学を語る 捏造問題を乗り越えて 小林達雄ほか編 雄山閣[季刊考古学・別冊 11] 2003

その他

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  • 「先学との対談 一 斉藤忠先生の考古学を学ぶ」、坂誥秀一『先学に学ぶ日本考古学』雄山閣 2008
  • 「座談会 斎藤忠先生を囲んで (江戸時代の好古家たち―日本考古学の基礎をきづいた人々) 」、國學院大學日本文化研究所編 『近世の好古家たち―光圀・君平・貞幹・種信』 雄山閣 2008

脚注

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  1. ^ 東文研アーカイブデータベース「斎藤忠」東京文化財研究所
  2. ^ a b c d e 大正大学史學會 2014
  3. ^ 考古学界最長老・斎藤忠さん死去 104歳(『朝日新聞』2013年7月23日)”. 2013年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月24日閲覧。
  4. ^ a b 第二高等学校 編『第二高等学校一覧 自大正15年至大正16年』第二高等学校、1926年、209頁。 
  5. ^ 東文研アーカイブ『日本美術年鑑』平成26年版(460頁)
  6. ^ 3月31日学士試験合格(『官報』第1602号、昭和7年5月6日、p.134
  7. ^ 書誌事項(CiNii Dissertations)”. 国立情報学研究所. 2017年7月7日閲覧。
  8. ^ 東京大学百年史編集委員会 編「第六部 一覧・図表 主要人事」『東京大学百年史 資料三』東京大学、1986年、136頁https://hdl.handle.net/2261/00078990 

参考・関連書籍

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  • 『考古学叢考』上中下巻 斎藤忠先生頌寿記念論文集刊行会編 吉川弘文館 1988
  • 大正大学史學會(編)「斎藤忠先生略年譜」『鴨台史学』第12号、大正大学史學會、2014年、111-114頁、ISSN 1349-0893