日本歴史時代作家協会 (にほんれきしじだいさっかきょうかい) は、歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などの親睦団体[1]。2019年5月に歴史時代作家クラブから組織名を改称して、藤原緋沙子を代表理事として発足した[2][3]。また、発足時の時の顧問は三田誠広高橋克彦夢枕獏[4]

公式ウェブサイトで作家菊池仁、書評家雨宮由希夫による書評や会員によるリレーエッセイ、小説などを発表するとともに、それまで歴史時代作家クラブが発表していた「歴史時代作家クラブ賞」を引き継ぎ、「日本歴史時代作家協会賞」を主催している。

日本歴史時代作家協会賞 編集

歴史時代作家クラブ賞」を前身とする。同賞は2012年に歴史・時代文学の発展と才能の発掘を目的として創設された文学賞である[5]。 第1回から第7回まで開催され、2019年、日本歴史時代作家協会賞となった。

受賞作一覧 編集

回(年) 受賞者 受賞作 刊行 選考委員
第8回
(2019年)[6]
【新人賞】 三田誠広菊池仁雨宮由希夫
受賞 泉ゆたか 『髪結百花』 2018年12月 KADOKAWA
候補 大塚已愛 『鬼憑き十兵衛』 2019年3月 新潮社
森山光太郎 『火神子 天孫に抗いし者』 2019年5月 朝日新聞出版
吉森大祐 『逃げろ、手志朗』 2019年1月 講談社
【文庫書き下ろしシリーズ賞】
受賞 藤井邦夫 「新・秋山久蔵御用控」シリーズ 文春文庫
「新・知らぬが半兵衛手控帖」シリーズ 双葉文庫
中島久枝 「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」シリーズ 光文社時代小説文庫
『一膳めし屋丸九』 ハルキ時代小説文庫
【作品賞】
受賞 天野純希 『雑賀のいくさ姫』 2018年11月 講談社
篠綾子 『青山に在り』 2018年12月 KADOKAWA
候補 赤神諒 『醉象の流儀 朝倉盛衰記』 2018年12月 講談社
天野純希 『もののふの国』 2019年5月 中央公論新社
木下昌輝 『金剛の塔』 2019年5月 徳間書店
鳴神響一 『斗星、北天にあり』 2018年11月 徳間書店
矢野隆 『朝嵐』 2019年4月 中央公論新社
【功労賞】
受賞 夢枕獏 「陰陽師」シリーズ 文藝春秋
「沙門空海」シリーズ 徳間書店/角川書店
第9回
(2020年)[7]
【新人賞】 三田誠広菊池仁雨宮由希夫加藤淳
受賞 坂上泉 『へぼ侍』 2019年7月 文藝春秋
候補 加納則章 『明治零年 サムライたちの天命』 2020年4月 エイチアンドアイ
杉山大二郎 『嵐を呼ぶ男! NOBUNAGA』 2019年11月 徳間書店
佐藤雫 『言の葉は、残りて』 2020年2月 集英社
夏山かほる 『新・紫式部日記』 2020年2月 日本経済新聞出版社
【文庫書き下ろし新人賞】
受賞 馳月基矢 『姉上は麗しの名医』 2020年4月 小学館小学館時代小説文庫
候補 稲田和浩 『女の厄払い 千住のおひろ花便り』 2019年11月 祥伝社祥伝社文庫
【文庫書き下ろしシリーズ賞】
受賞 稲葉稔 「隠密船頭」シリーズ 2019年1月~ 光文社/光文社文庫
「浪人奉行」シリーズ 2017年3月~ 双葉社/双葉文庫
受賞 神楽坂淳 「うちの旦那が甘ちゃんで」シリーズ 2018年8月~ 講談社/講談社文庫
【作品賞】
受賞 木下昌輝 『まむし三代記』 2020年2月 朝日新聞出版
候補 赤神諒 『空貝(うつせがい) 村上水軍の神姫』 2020年1月 講談社
平谷美樹 『大一揆』 2020年3月 KADOKAWA
村木嵐 『天下取』 2020年3月 光文社
【功労賞】
受賞 浅田次郎
【慰労賞】
受賞 誉田龍一
第10回
(2021年)[8]
【新人賞】 三田誠広菊池仁雨宮由希夫加藤淳
受賞 蝉谷めぐ実 『化け者心中』 2020年10月 KADOKAWA
候補 亀泉きょう 『へんぶつ侍、江戸を走る』 2020年8月 小学館
渋谷雅一 『質草女房』 2020年10月 角川春樹事務所
谷治宇 『へんこつ』 2021年5月 角川春樹事務所
【文庫書き下ろし新人賞】
受賞 櫻部由美子 『くら姫 出直し神社たね銭貸し』 2020年4月 ハルキ文庫
候補 鷹山悠 『隠れ町飛脚 三十日屋』 2020年10月 ポプラ文庫
【文庫書き下ろしシリーズ賞】
受賞 倉阪鬼一郎 「小料理のどか屋 人情帖」シリーズ 二見文庫
「お江戸甘味処 谷中はつねや」シリーズ 幻冬舎文庫
「夢屋台なみだ通り」シリーズ 光文社文庫
「人情料理わん屋」シリーズ 実業之日本社文庫
受賞 有馬美季子 「はないちもんめ」シリーズ 祥伝社文庫
「はたご雪月花」シリーズ 光文社文庫
【作品賞】
受賞 武川佑 『千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女』 2021年3月 文藝春秋
候補 奥山景布子 『浄土双六』 2020年11月 文藝春秋
河治和香 『ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙』 2020年10月 小学館
志川節子 『博覧男爵』 2021年5月 祥伝社
幡大介 『シャムのサムライ 山田長政』 2021年5月 実業之日本社
【功労賞】
受賞 なし
第11回
(2022年)[9]
【新人賞】 三田誠広菊池仁雨宮由希夫理流加藤淳
受賞 千葉ともこ 『戴天』 2022年5月 文藝春秋
候補 稲田幸久 『駆ける 少年騎馬遊撃隊』 2021年10月 角川春樹事務所
小栗さくら 『余烈』 2022年4月 講談社
夜弦雅也 『高望の大刀』 2022年2月 日本経済新聞出版
【文庫書き下ろし新人賞】
受賞 筑前助広 『谷中の用心棒 萩尾大楽:阿芙蓉抜け荷始末』 2022年2月 アルファポリス文庫
候補 進藤玄洋 『鬼哭の剣』 2022年4月 ハヤカワ時代ミステリ文庫
柳ヶ瀬文月 『お師匠様、出番です! からぬけ長屋落語人情噺』 2022年3月 ポプラ文庫
【シリーズ賞】
受賞 坂岡真 「鬼役」「鬼役伝」シリーズ 光文社時代小説文庫
「はぐれ又兵衛例繰控」シリーズ 双葉文庫
氷月葵 「御庭番の二代目」シリーズ 二見時代小説文庫
「神田のっぴき横丁」シリーズ 二見時代小説文庫
「仇討ち包丁」シリーズ コスミック時代文庫
【作品賞】
受賞 矢野隆 『琉球建国記』 2022年4月 集英社文庫
吉川永青 『高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門』 2022年5月 中央公論新社
【功労賞】
受賞 なし

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集