日高山脈
北海道中央部の山脈
日高山脈(ひだかさんみゃく)は、北海道の中央南部にある唯一の山脈。狩勝峠側の佐幌岳から襟裳岬までを南北に貫いている。長さは南北およそ150 km、最高峰は幌尻岳で標高2,053 mである。山域の103,447 haが日高山脈襟裳国定公園に指定されている。アルプス山脈やアンデス山脈、ロッキー山脈と同時期に日高造山運動により形成された山岳地帯で、北海道随一の険阻な山脈である。
日高山脈 | |
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![]() 東方から望む日高山脈。国際宇宙ステーションより: 手前が十勝平野、右上方が夕張山地南部、勇払平野、石狩平野 | |
所在地 | 北海道 |
位置 | 北緯42度43分10秒 東経142度40分58秒 / 北緯42.71944度 東経142.68278度座標: 北緯42度43分10秒 東経142度40分58秒 / 北緯42.71944度 東経142.68278度 |
最高峰 | 幌尻岳(2,053 m) |
延長 | 150 km |
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日高山脈の特徴 編集
地形が急峻で険しく、山脈を横断する交通路は北端の狩勝峠・日勝峠および南部の野塚トンネルと襟裳岬付近の追分峠を除き、無きに等しい。
稜線にナイフリッジを連ね、氷河地形である圏谷(カール)が見られる日本では数少ない極めて峻険な山脈である。
登山道がある山は少なく、林道歩きと沢登りが前提となるため登山は容易ではない[1]。
日高山脈より源流を発する沙流川・静内川・新冠川は日高電源一貫開発計画の中心河川として、胆振総合振興局および日高振興局向けに水力発電による電力と灌漑用水の供給が行われている。また十勝側の札内川からも十勝総合振興局向けに灌漑用水と水道水および電力の供給が行われている。
日高山脈を構成する山岳 編集
北部山岳より記す。小数点以下が記載された座標は最高点に位置する三角点の座標。三角点の等級は本来漢数字であるが、再配列可能な表のためアラビア数字で表記している。
北日高 編集
中日高 編集
南日高 編集
名称 | 標高 | 三角点 | 点名 | 位置 | 源流 |
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神威岳 | 1,600.2 m | 2等 | 神居奴振 | 北緯42度25分42秒 東経142度54分25秒 / 北緯42.42833度 東経142.90694度 | 元浦川(シュオマナイ川) 歴舟中ノ川(ルートルオマップ川) |
ソエマツ岳 | 1,625 m | -- | -- | 北緯42度25分38秒 東経142度56分49秒 / 北緯42.42722度 東経142.94694度 | ソエマツ川 ヌビナイ川 |
ピリカヌプリ | 1,630.8 m | 2等 | 奴振 | 北緯42度24分08秒 東経142度58分00秒 / 北緯42.40222度 東経142.96667度 | 日高幌別川 ヌビナイ川 |
トヨニ岳 | 1,493 m | -- | -- | 北緯42度21分46秒 東経143度00分22秒 / 北緯42.36278度 東経143.00611度 | ソカンベツ川 豊似川 |
野塚岳 | 1,353 m | 2等 | 野塚岳 | 北緯42度19分45秒 東経143度02分52秒 / 北緯42.32917度 東経143.04778度 | ニオベツ川 野塚川 |
十勝岳 | 1,456.6 m | 3等 | 幌尻 | 北緯42度17分27秒 東経143度04分34秒 / 北緯42.29083度 東経143.07611度 | コイボクシュメナシュンベツ川 楽古川 |
楽古岳 | 1,471.5 m | 1等 | 面射岳 | 北緯42度16分21秒 東経143度06分40秒 / 北緯42.27250度 東経143.11111度 | メナシュンベツ川 札楽古川 |
広尾岳 | 1,231 m | -- | -- | 北緯42度13分54秒 東経143度10分53秒 / 北緯42.23167度 東経143.18139度 | 幌満川 広尾川 |
美幌岳 | 1,120.9 m | 2等 | 美幌岳 | 北緯42度11分20秒 東経143度12分22.5秒 / 北緯42.18889度 東経143.206250度 | 猿留川 美幌川 |
アポイ岳 | 810.5 m | 1等 | 冬島 | 北緯42度06分28秒 東経143度01分32秒 / 北緯42.10778度 東経143.02556度 | 冬島川 |
豊似岳 | 1,105 m | 1等 | 豊似山Ⅰ | 北緯42度04分37秒 東経143度13分59秒 / 北緯42.07694度 東経143.23306度 | 歌別川 |
関連文献 編集
- 伊藤久雄「日高山地における交通路の発達」『地理学評論』第40巻第7号、日本地理学会、1967年、369-372頁、doi:10.4157/grj.40.369。
出典 編集
- ^ “日高地方における山岳遭難発生状況”. 日高振興局 (2018年). 2020年8月11日閲覧。
- 日本の主な山岳標高 - 国土地理院
参考文献 編集
- 『山渓カラー名鑑 日本の山1000』山と渓谷社 1992年
- 梅沢俊、菅原靖彦『北海道夏山ガイド4 日高山脈の山々』北海道新聞社 2007年
外部リンク 編集
- 日高山脈襟裳国定公園 - 北海道庁
- 日高山脈博物館へようこそ - 日高町