朝紫(あさむらさき)は、1996年平成8年)に東北農業研究センターで育成されたイネ(稲)の品種[1]。旧系統名は「奥羽糯349号」[1]玄米の表面が紫黒色である特性を導入したもち米の品種である[2]バリ島原産の紫黒米と「タツミモチ」を交配し、さらに「ココノエモチ」を交配して得た「東糯396」に、「ふくひびき」を交配することによって育成された[3]

朝紫
イネ属 Oryza
イネ O. sativa
交配 東糯396×ふくひびき
亜種 ジャポニカ O. s. subsp. japonica
品種 朝紫
開発 東北農業研究センター
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熟期は、東北中南部では早生の晩で、「あきたこまち」や「ヒメノモチ」と同時期かやや晩生である[2]。収量は「ヒメノモチ」と比べると2割程度少ない[2]。葉の縁や葉舌は紫色であり、玄米の果皮は、一見黒色に見えるほど濃い紫色となる[2]

7~8分搗きで炊飯すると紫色のおこわとなる[2]。少量を白米と炊飯すると、全体が赤飯のような赤紫色となる[2]とした場合の食味は、「ヒメノモチ」と同程度かやや劣る[2]。玄米は、カルシウムカリウムに富む[2]

脚注 編集

  1. ^ a b 石谷 2009, p. 159.
  2. ^ a b c d e f g h 石谷 2009, p. 160.
  3. ^ 石谷 2009, pp. 159–160.

参考文献 編集

  • 石谷, 孝佑 編『米の事典 -稲作からゲノムまで-』(新版)幸書房、2009年11月20日。ISBN 9784782103388 

関連項目 編集