朝鮮労働党中央軍事委員会
朝鮮労働党および朝鮮民主主義人民共和国の最高軍事機関
朝鮮労働党中央軍事委員会(ちょうせんろうどうとうちゅうおうぐんじいいんかい、朝鮮語:조선로동당 중앙군사위원회)は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の指導政党である朝鮮労働党の最高軍事機関である。
朝鮮労働党中央軍事委員会 | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 조선로동당 중앙군사위원회 |
漢字: | 朝鮮労働党中央軍事委員会 |
発音: | チョソルロドンダンチュンアングンサウィウォヌェ |
日本語読み: | ちょうせんろうどうとうちゅうおうぐんじいいんかい |
英語表記: | Central Military Commission of the Workers' Party of Korea |
本委員会は朝鮮労働党規約第27条に規定されており、同国の軍事組織である朝鮮人民軍及び同国全ての武力組織を掌握している[1]。中央軍事委員会委員長は、同党総書記で同国国務委員長の金正恩。
職責
編集朝鮮労働党規約第27条に「中央軍事委員会は、同国の軍事政策についての討論決定,朝鮮人民軍の領導、軍需産業の開発,軍事力の統率を行う。」と規定されている[1]。しかし、金正日政権下では同国の国家機関である国防委員会によって重要な軍事政策が決定されるようになったため、存在感が低下していた。一方後継の金正恩政権下では対照的に権限を拡大し、朝鮮労働党の中核的な組織となっている[2]。
沿革
編集第7期委員構成
編集※2016年6月29日(第13期最高人民会議第4回会議終了)時点[6][7][9]
※2017年10月7日(朝鮮労働党第7次大会第2回総会終了)時点で変更された人物も追加して記載する[10]
※2019年4月10日(朝鮮労働党第7次大会第4回総会終了) 時点で変更された人物も追加して記載する[11]
- 委員長
- 金正恩 - 朝鮮労働党委員長、朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長、第三代朝鮮人民軍最高司令官、共和国元帥、朝鮮民主主義人民共和国第三代最高指導者
- 委員
- 黄炳瑞 - 朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会副委員長、朝鮮人民軍総政治局長、朝鮮人民軍次帥
- 朴奉珠 - 朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会副委員長、朝鮮民主主義人民共和国内閣総理
- 朴永植 - 朝鮮労働党中央委員会政治局委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員、人民武力部長、朝鮮人民軍大将
- 李明秀 - 朝鮮労働党中央委員会政治局委員、朝鮮人民軍総参謀長、朝鮮人民軍次帥
- 金英哲 - 朝鮮労働党中央委員会政治局委員、朝鮮労働党中央委員会副委員長、同党中央委員会統一戦線部長、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員
- 李萬建 - 朝鮮労働党中央委員会政治局委員、朝鮮労働党中央委員会軍需工業部長、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員
- 金元弘 - 朝鮮労働党中央委員会政治局委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員、国家安全保衛部長、朝鮮人民軍大将
- 崔富日 - 朝鮮労働党中央委員会政治局委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員、人民保安部長、朝鮮人民軍大将
- 金慶玉 - 朝鮮労働党中央委員会組織指導部第一副部長、朝鮮人民軍大将
- 李永吉 - 朝鮮労働党中央委員会政治局委員候補、朝鮮人民軍上将(のち大将に昇進)
- 徐洪燦 - 人民武力部第一副部長、朝鮮人民軍後方総局長、朝鮮人民軍上将
以下は朝鮮労働党第7次大会第2回総会で補選された人物
- 委員
以下は朝鮮労働党第7次大会第4回総会で選出された委員
- 委員
以下は朝鮮労働党中央軍事委員会第7期第4回拡大会議で選出された副委員長
第8期委員構成
編集- 委員長
- 金正恩 - 朝鮮労働党中央委員会総書記、朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長、第三代朝鮮人民軍最高司令官、共和国元帥、朝鮮民主主義人民共和国第三代最高指導者
- 副委員長
- 李炳鉄 - 朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、朝鮮労働党中央委員会書記局書記、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員、人民軍元帥
- 朴正天- 朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員、朝鮮労働党中央委員会書記、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員、人民軍元帥
- 委員
脚注
編集- ^ a b 朝鮮労働党中央軍事委員会について Archived 2010年10月6日, at the Wayback Machine.
- ^ 米国専門家:金正恩氏、軍事最高機関である中央軍事委員会委員長推戴。
- ^ 朝鮮人民軍、上級幹部の人事異動を発表,人民網,2009年2月20日
- ^ 朝鮮労働党中央軍事委員会委員の金勇哲氏逝去,朝鮮日報,2010年4月27日
- ^ 朝鮮労働党国防委員会金一哲更迭,新華社通信,2010年5月14日
- ^ a b “朝鮮労働党大会「設計図なき戴冠式」(4) 金与正「中央委員」人事の意味”. THE HUFFINGTON POST (2016年5月21日). 2016年6月1日閲覧。
- ^ a b “朝鮮勞動黨19人政治局委員名單出爐”. 大公網 (2016年5月10日). 2016年6月1日閲覧。
- ^ 「核戦争抑止力いっそう強化」北朝鮮で党軍事委拡大会議 デイリーNKジャパン 2020年5月24日
- ^ “김정은, 당·국가 최고위직 겸직… 아버지 시대와 결별(金正恩、党・国家の最高職位を兼務... 父の時代と決別)”. 国民日報 (2016年6月30日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ 朝鮮労働党中央委員会の総会…金与正氏が党中央委員に デイリーNKジャパン 2017年10月8日
- ^ 朝鮮労働党中央委員会 デイリーNKジャパン 2019年4月11日
- ^ “【北朝鮮解説】朝鮮労働党の機構図 北朝鮮の重要機関や会議の役割”. 2020年11月28日閲覧。