東京 (小惑星)

メインベルトの小惑星

東京とうきょうまたはトキオ、498 Tokio)とは、小惑星帯にある大きな小惑星である。

東京
(トキオ)
498 Tokio
仮符号・別名 1902 KU
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯
発見
発見日 1902年12月2日
発見者 A. シャルロワ
軌道要素と性質
元期:2007年4月10日 (JD 2,454,200.5)
軌道長半径 (a) 2.650 AU
近日点距離 (q) 2.053 AU
遠日点距離 (Q) 3.247 AU
離心率 (e) 0.225
公転周期 (P) 4.31 年
軌道傾斜角 (i) 9.50
近日点引数 (ω) 241.25 度
昇交点黄経 (Ω) 97.50 度
平均近点角 (M) 121.63 度
物理的性質
長短径 85 × 60 km
自転周期 >20 時間
スペクトル分類 M
絶対等級 (H) 8.95
アルベド(反射能) 0.0694
色指数 (B-V) 0.780
色指数 (U-B) 0.375
Template (ノート 解説) ■Project

日本で初めて検出された小惑星のひとつ[1][2][3]。1900年に平山信が東京で観測したが、軌道確定には至らなかった。その後、1902年に軌道を確定して発見者となったオーギュスト・シャルロワから命名の権利が平山に譲られた。日本に由来する命名がなされた最初の小惑星である[2]

発見と命名 編集

1900年3月6日と3月9日、東京麻布台にあった東京天文台(現在の国立天文台)で、平山信がブラッシャー天体写真儀を用いて天体写真を撮影した[1][2][3]。この2つの写真からは小惑星候補が3つ検出され、うち2つ(本天体と (727) ニッポニア)が未知のものであった[1][2][3]。本天体は日本で初めて検出された小惑星のひとつであるが[1][2][3]、2点のみの観測で軌道を確定できなかったため[1]、平山は「小惑星の発見者」とはなっていない。

その後、1902年12月2日にニース天文台オーギュスト・シャルロワによって3点目の観測が行われて軌道が確定し、シャルロワが発見者となった[1]。命名の権利は平山に譲られ[1]、平山は発見場所にちなんで Tokio と名づけた。

2012年、東京天文台が麻布に所在していた時代(東京天文台は1924年に三鷹に移転した)の写真乾板が再発見され、ここに平山が本天体を検出した写真乾板も含まれていた[1]。それまで、当時の資料は関東大震災や1945年の東京天文台の火災によって失われたと考えられていた[1][3]

なお、日本人が発見者としてクレジットされる最初の(小惑星番号が最も若い)小惑星は、1927年に及川奥郎が発見した (1088) 三鷹である。

東京に由来する命名が行われた小惑星としては、他に (9782) 江戸がある。

観測 編集

2004年2月18日に西日本で観測された掩蔽により、東京のサイズはおよそ 85 km × 60 km であることが分かった。

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i 中桐正夫 (2012年3月16日). “100年以上前の天体写真乾板発見-その1-(日本人最初の小惑星検出乾板の発見)”. アーカイブ室新聞(第565号). 国立天文台・天文情報センター・アーカイブ室. 2019年3月1日閲覧。
  2. ^ a b c d e 日本最古の星野写真の発見”. 国立天文台 (2012年3月16日). 2019年3月1日閲覧。
  3. ^ a b c d e 日本最古の星野写真を発見 113年前の麻布で撮影”. アストロアーツ (2012年3月19日). 2019年3月1日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集


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