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栂海新道(つがみしんどう)は、新潟県糸魚川市親不知付近から新潟県-富山県境に沿って稜線をたどり、朝日岳に至る登山道。上部にはコメツガの林が続くため、栂の林と海(日本海)を結ぶ道とのとの意味で、本道を拓いた小野健により名付けられた[1]

目次

概要編集

北アルプス最北部に位置する登山道。海岸付近から登り始めると全長約27kmの標高差が2,000mを超える。所要時間の目安は登りで約18時間、下りでも約15時間という健脚向けの登山道[2]。北アルプスはキャンプ指定地外でのテント設営は禁止、また、避難用山小屋は性格上、緊急時以外は当てにすべき施設ではないことから、踏破する場合はルート上にある栂海山荘(営業小屋ではない)への宿泊が必須となる。

道はひたすら尾根を忠実にたどって拓かれており(尾根は雪崩や土砂崩れ等で崩壊する危険が少ないため)、頂上をさける巻き道や斜面を蛇行する道はほとんどない。そのため登山口から朝日岳までの標高差は2400 m 程度だが、途中の上り下りを加えたコース全体の累積標高差は4000 m 近くなる[1]

登山口編集

海岸線側から踏破する場合は、国道8号天険トンネル東口付近が登山口になるが、途中、北陸街道旧道の坂田峠(611m)から登り始めることもできる[3]。坂田峠へのアクセスは、富山県側のタクシー会社に予約をすれば時間制運賃で対応可能となっている[4]

付近の山小屋編集

  • 栂海山荘(栂海新道上)
  • 白鳥避難小屋(栂海新道上)
  • 蓮華温泉(朝日岳の東方)
  • 朝日小屋(朝日岳の西方)

通過する山編集

歴史編集

電気化学工業(現・デンカ)の技術者で、黒姫山青海町、現・糸魚川市)の工場に赴任した小野健が、山々を眺めるうち登山道づくりを志した。部下を誘って「さわがに山岳会」を立ち上げ、町内にかかる犬ヶ岳までという触れ込みで1968年から道づくりを始めた。朝日岳が最終目標であると明かしたのは、犬ヶ岳山頂に達した時だった。手作業で藪を切り開く重労働に加え、富山県側の営林署から国有林盗伐の疑いで摘発されたり、9種の許認可を得るため奔走したりと苦労しながら、1971年夏に全線が開通した。その後、登山者の分散を危惧する富山県朝日町議会が2度にわたり廃道を決議したこともあった。現在は3つの山岳団体が道の補修や草刈りを分担している[1]

ギャラリー編集

脚注編集

外部リンク編集