流れ星が消えないうちに

流れ星が消えないうちに』(ながれぼしがきえないうちに、Before shooting star fade out)は、橋本紡による小説

流れ星が消えないうちに
Before shooting star fade out
著者 橋本紡
発行日 2006年2月20日
発行元 新潮社
ジャンル 恋愛小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 281
公式サイト www.shinchosha.co.jp
コード ISBN 978-4103007517
ISBN 978-4101351810文庫本
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出版社は新潮社新潮文庫)。2014年、新潮文庫の100冊にもラインアップされている[1]。2015年には映画化された[2]

概要 編集

かつての恋人を想う奈緒子、今は亡き親友を想う巧、奈緒子と巧をつなぐ加地の存在、周囲の人々との日常物語。橋本の他作品と同様、『車輪の下』『銀河鉄道の夜』などの文学小説が作中に登場する。

また、この他に星座流星群といった天体プラネタリウム)、野球サッカーボクシングなどのスポーツなども登場する。

千葉県を舞台にしており、これは、作中の設定や描写、一部の人名にも反映されている。

橋本の代表的な作品『半分の月がのぼる空』のとある大きなテーマを、別の角度から描いた作品としても話題を集めた[要出典]

2007年2月には、ベネッセによる「高2進研プロシードテスト模試」に問題文として出題された。

あらすじ 編集

奈緒子はいつからか玄関で寝る生活をしていたが、ある日、父親が家出してきて、どこか奇妙な親子での生活が始まる。その頃、奈緒子の恋人・巧は、ボクシングの練習で山崎先輩にKOをくらい、身のあり方を考えていた。そんな2人の共通点は、奈緒子の恋人であり巧の親友たる加地の存在だった。

登場人物 編集

本山 奈緒子(もとやま なおこ)
一軒家で一人暮らしをしている21歳の大学生。元々は家族4人で住んでいたが、父の転勤に伴い、大学進学が決まっていた奈緒子を残し、家族は佐賀県へ引っ越した。
かつての恋人・加地が事故で亡くなってしまってから、加地への想いの強さあまりに気持ちの整理がつけられずにいる。そのため、自分の部屋で寝ることができず、現在は玄関で毎晩寝ている。
川嶋 巧(かわしま たくみ)
(姉によって)金髪頭にされた20歳の大学生で、奈緒子の現在の恋人。
当初、ボクシングをしていたが、自分の気持ちと山崎の意見からやめることにした。それ以前はサッカーをしていたが、こちらも高校卒業後にやめた。
ひょんなことから親友のような仲になった奈緒子の元恋人・加地との思い出ばかり考えている。
加地(かじ)
奈緒子とは小学生からの幼馴染にして初恋の相手、巧とは高校時代からの同級生。一年半前に、旅先の海外で事故死した。
高校生時代は読書や天体などインドア志向であったが、巧と知り合ってから、自らの言葉や考えに向き合った生き方をはじめ、奈緒子に告白して付き合うようになった。さらに、大学進学後は授業をほったらかしてまで、積極的にあてのない旅に出るようになった。
彼が生前に残した言葉は、奈緒子や巧に強い印象を残した。また、巧に語った言葉は後に奈緒子の父を経て、奈緒子に伝わってゆく。
本山 絵里(もとやま えり)
奈緒子の妹で、奈緒子とは3つ年下。家出した父の様子を見にやってきた。
奈緒子の父
演 - 小市慢太郎
3年前佐賀に転勤していたが、突如、奈緒子のもとへ家出して来た。以後、かつての自宅で鬱々と過ごすも、巧と飲んでからあることをきっかけに活動を始める。巧との会話から読売ジャイアンツのファンらしい。
かつては、地域との関係は希薄であったが、現在は性格の良さから地域住民から頼られ、娘・奈緒子との溝も次第に埋まってゆく。
奈緒子の母
山崎(やまざき)
巧の1つ年上の先輩で、巧と同じくサッカーをしていたが、現在はボクシングをやっている。
作中での呼び名は「山崎先輩」。巧の姉・瑞穂に想いを抱いている。
川嶋 瑞穂(かわしま みずほ)
巧の姉。見た目は美人だが、巧曰く、口は悪くガサツな性格。
山崎の憧れであるが、山崎は瑞穂の嫌いな「マッチョで胸毛が多い」に該当している。
春日 貴子(かすが たかこ)
奈緒子の友人。加地を亡くしてからの奈緒子を心配する。
伊沢(いわさわ)
藤木(ふじき)
カレン君
瑞穂が以前憧れていた全国クラスのサッカー強豪校の選手のこと。プロ内定を受ける実力を持つFW。
県大会2次予選で、巧や山崎らとベスト8を掛けて対戦したことがある。
名前やポジションから、実在のサッカー選手、カレン・ロバートと思われる。

映画 編集

同名タイトルで、2015年11月21日公開。監督は柴山健次、主演は波瑠[2]。2014年12月からクランクインし、武蔵野市三鷹市でオールロケが敢行される[2]

キャスト 編集

スタッフ 編集

関連項目 編集

  • 斎藤美奈子 - 著書『文芸誤報』で本書を「中年カップルみたい」・「作家として敗北している」など歯に衣着せぬ言葉で酷評した。

脚注 編集

  1. ^ 新潮文庫の100冊 2014”. 新潮文庫. 2014年12月9日閲覧。
  2. ^ a b c “波瑠主演!人気恋愛小説「流れ星が消えないうちに」を映画化”. 映画.com. (2014年12月9日). http://eiga.com/news/20141209/2/ 2014年12月9日閲覧。 
  3. ^ 塩ノ谷早耶香、新曲「流れ星」が波瑠主演映画の主題歌に決定”. musicman-NET (2015年8月7日). 2015年8月16日閲覧。
  4. ^ 桐嶋ノドカ、波瑠主演「流れ星が消えないうちに」挿入歌を配信リリース”. 音楽ナタリー (2015年9月23日). 2015年9月24日閲覧。

外部リンク 編集