海底ポスト(かいていポスト)は、海底に設置されている郵便ポスト海中郵便ポスト海中ポストとも呼ばれる。日本では和歌山県すさみ町静岡県伊東市沖縄県那覇市沖縄県北谷町に設置されている[1]

城ヶ崎海岸の伊豆海洋公園に設置されている海底ポスト。クリスマスシーズンにはより本格的なポストが設置される。

和歌山県すさみ町 編集

概要 編集

1999年4月南紀熊野体験博でのイベントの一つとして、和歌山県すさみ郵便局局長の発案で設置された郵便ポスト[2]。設置場所は、和歌山県すさみ町の枯木灘(かれきなだ)海岸、岸から100m、水深10mの海底にあり[3]、郵便ポストは、昔ながらの円柱形の丸ポスト(郵便差出箱1号)である[3]

実際に投函されたハガキは地元のダイバーが毎日回収し、日本郵便株式会社を通じて全国に配達される[3]。1日平均10通、週末夏休みには多い日で50通のハガキが投函され、年間投函数は1000通近くに上る[3]

2002年ギネスブックに「世界一深いところにあるポスト」として認定、掲載された[3]。同年6月9日に投函数が1万通、2005年12月25日には投函数2万通、さらに2011年10月1日には投函数が3万通を記録した。

元々すさみ町は、ダイビングスポットとして人気があるところで、海中ポストへの投函目的で訪れる人も多く、ダイビングツアー参加客が現地で耐水紙はがきを買って投函しているという[3]

また、2007年4月15日には、8年間海底に設置されていたポストの老朽化により、ポストの取り換え作業が行われた。取り換え作業は、公募した「ボランティアダイバー」7名を含む10名で行われ、今後は新旧ポストを1年交代で使用する予定である。

メディアへの登場 編集

沖縄県那覇市 編集

2013年にNAHAえんがん共同企業体が沖縄県那覇市の波の上うみそら公園内の水深7メートルの海底(海底ポスト)と浅瀬(海中ポスト)の2か所に設置[1]。海底ポストは赤色[1]。海中ポストのほうの上部にはシーサーが飾られている[1]。専用の耐水紙はがきのみを用いることができる私的設置ポストであるが[1]、特定非営利活動法人の美ら海振興会が回収して記念スタンプを押印することになっている[1]

沖縄県北谷町 編集

2016年に沖縄県北谷町宮城海岸の「砂辺No.1」ポイント沖合約60m、水深約7mに設置された海底ポスト。北谷町海域利用事業所協力会に所属するダイビングショップが協同して海底まで運び設置された。耐水性の専用のポストカードを利用して実際に投函することが可能。また、専用の風景印もポストカードに押され、北谷町公式イメージキャラクターである「ちーたん」がデザインに登場している。ゆるキャラが入った風景印は沖縄県で初めて。ポストカードは協力会指定のダイビングショップで購入できる。

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f “海のポスト設置 浅瀬と海底に、21日投函式”. 琉球新報. (2013年12月11日). http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-216519-storytopic-1.html 2013年12月11日閲覧。 
  2. ^ フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 4』講談社、2003年。 
  3. ^ a b c d e f 日本地理研究会 編『知れば知るほど面白い! 日本地図150の秘密』山田有司(発行)(第1刷)、彩図社、2014年12月22日、88-89頁。ISBN 978-4-8013-0038-5 
  4. ^ 海中郵便ポスト”. すさみ町商工会. 2021年1月11日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯33度32分51秒 東経135度29分11秒 / 北緯33.54750度 東経135.48639度 / 33.54750; 135.48639