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アメリカの消防士

消防士(しょうぼうし)

目次

消防に携わるしごと「消防士」編集

消防に所属する職員のうち火災が発生した際に火災現場へ赴く者である。消防隊に所属している場合であると、消防隊員(しょうぼうたんいん)とも言われる。消防士の仕事は発生した火災の抑圧・沈静化と人命救助の二つである。

火災の食い止めは、日ごろから火災を防止するための広報、または各種消防設備の点検などといったことを始め、実際に火災が発生した際には消防車で現場に赴き、火災を最小限へ抑える努力をする。火災を最小限に抑える方法として、「火を消す」という方法が最も素早く、ポンプによって汲み上げたを放水したり、消火器を使用したりして火を消す。人命救助は、火災現場で取り残されている人を助け出すことが主で、上層階などにいる人に対してははしご車などを駆使して助け出す。

日本の消防組織編集

日本の消防組織は、国の機関である消防庁と、地方自治体の消防本部消防署、さらには消防団からなる。消防団は、普段は別の仕事をしている人がいざというときに駆けつけるもので、大半の消防活動は自治体に置かれた消防本部や消防署が行っている。

消防活動ですぐ思い浮かぶのが消防車で出場(日本の消防では出動ではなく、現場に赴くという意味で出場と呼ぶ)し、消防隊(ポンプ隊)による火災の消火である。これ以外には各種の災害対策や救助隊(レスキュー隊)による救助活動救急隊による救急搬送、火災・災害予防のための指導や規制、防災のための広報活動などがその主な仕事である。

採用は各自治体ごとに行われる。東京消防庁の例でいうと、募集は大学卒業程度を対象としたI類、短大卒程度のII類、高卒程度のIII類、さらに法律や建築、電気、化学などの専門知識がある人を対象にした専門系、という4つに分けて行われる。採用試験に合格すると、全員が消防学校に入学する。期間は専門系とIII類が9カ月、II類とI類は1年。ここで消防の基礎知識、技術、体力などを身につけるとともに、消防活動を行ううえで必要な国家資格も取得する。消防学校を卒業すると各消防署に配属され、一定の実務経験を積んで「救急の仕事がしたい」「消防車の運転をしたい」などといった希望を出すと、勤務の実績などを考慮されたうえで、今度は専門の研修を受けることになる。専門家を養成する研修は、化学、医学、外国語、ヘリコプターの操縦など、全部で80種類以上あるという。

日本の消防の階級としての「消防士」編集

日本において「消防士」は消防職員の中で、消火救急救助・査察などの業務を行う消防吏員の10階級中最下位の階級である(警察官の階級でいうと巡査にあたる)。消防吏員の階級については総務省消防庁の定める消防吏員の階級の基準第1条に規定されており、全国の消防本部を設置する市町村においては、この基準に基づき消防吏員の階級を定めている。詳細は消防吏員を参照のこと。

消防職員は、消防署に配属される前に消防学校で学生として消防活動に必要な知識を学んだり訓練を受けることになるが、この時の階級は消防士である。なお学費は無料である。

階級章は黒の地に金帯が1本、その上に消防章が1つ。

一般的には消防職員の事をすべて消防士と呼ぶ場合が多いが、日本においては正しくは消防本部に勤務する公務員は消防職員であり、その中で消火・救急・救助・査察などの業務を行う者が消防吏員でその消防吏員の一番下の階級が消防士である。近年は警察官や自衛官との類推から「消防官」という呼称が当局の公式な文書(例として消防本部の職員募集ポスター)でさえ使用されることもある。

消防士の装備編集

消防士の疾病リスク編集

  • 熱傷 - 手甲部、頭部付近(顔面、頚部、気道)の熱傷が多い[1]
  • 建物の崩落リスク
  • 心血管疾患 - ハーバード大学公衆衛生学部は「心疾患による死亡率が最も高い職業は消防士」との研究結果を発表した[2]
  • 悪性腫瘍 - アスベスト(石綿)、ダイオキシンなどの火災時に発生する有害物質や放射線にさらされることが多く、がんのリスクが高くなると指摘されている[3][4][5]。状況によっては、さらにリスクが高くなる[6]
  • 精神疾患 - 被災者の負傷を見ることが多く、PTSDなどの精神的なストレスを受け発症しやすい[7][8]
  • 音響外傷 - サイレン、火災報知器の警告音、消防装備の駆動音等の大音響に晒されるため[9][10]

出典編集

  1. ^ 消防活動時における輻射熱と温度に関する調査研究(消防技術安全所報 41号(平成16年) 参照日:2018.5.30)
  2. ^ 「心臓に最も危険な職業」、トップは消防士 - 米国(AFP通信2007年3月22日 18:31 発信地:米国 参照日:2018.5.30)
  3. ^ Daniels, Robert D. (2014年12月17日). “Is There a Link Between Firefighting and Cancer? – Epidemiology in Action”. National Institute for Occupational Safety and Health. 2015年1月6日閲覧。
  4. ^ Study of Cancer among U.S. Fire Fighters”. National Institute for Occupational Safety and Health (2014年7月25日). 2015年1月6日閲覧。
  5. ^ “Painting, firefighting, and shiftwork”. IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans / World Health Organization, International Agency for Research on Cancer 98: 9–764. (2010年). PMC 4781497. PMID 21381544. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=4781497. 
  6. ^ NYの消防士、テロ救助でがん発症率高く(日本経済新聞 2011/9/2付 参照日:2018.5.30)
  7. ^ Fire fighters' battle with PTSD: "Every day is an anxious day"”. The Guardian (2017年8月23日). 2017年9月22日閲覧。
  8. ^ Berger, William; Coutinho, Evandro Silva Freire; Figueira, Ivan; Marques-Portella, Carla; Luz, Mariana Pires; Neylan, Thomas C.; Marmar, Charles R.; Mendlowicz, Mauro Vitor (2012年6月1日). “Rescuers at risk: a systematic review and meta-regression analysis of the worldwide current prevalence and correlates of PTSD in rescue workers” (英語). Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology 47 (6): 1001–1011. doi:10.1007/s00127-011-0408-2. ISSN 0933-7954. PMC 3974968. https://link.springer.com/article/10.1007/s00127-011-0408-2. 
  9. ^ Hong, O.; Samo, D.G. (2007年8月1日). “Hazardous Decibels: Hearing Health of Firefighters”. Workplace Health & Safety 55 (8): 313–319. doi:10.1177/216507990705500803. 
  10. ^ Tubbs, R.L. (1995年). “Noise and Hearing Loss in Firefighting”. Occupational Medicine 10 (4): 843–885. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/articles/8903753/. 

関連項目編集