澤村伊智
日本の小説家、ホラー作家
1979年11月14日[1] -)は、日本の小説家、ホラー作家。
(さわむら いち、澤村 伊智 (さわむら いち) | |
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誕生 |
1979年11月14日(45歳) 大阪府 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
活動期間 | 2015年 - |
ジャンル |
小説 ホラー小説 推理小説 |
代表作 | 比嘉姉妹シリーズ |
主な受賞歴 |
日本ホラー小説大賞大賞(2015年) 日本推理作家協会賞(2019年) |
デビュー作 | 『ぼぎわんが、来る』(2015年) |
ウィキポータル 文学 |
経歴・人物
編集大阪府生まれ[2]。幼少の頃より、怪談やホラー作品に慣れ親しむ[2]。大阪大学を卒業後[3]、出版社に入社する[4]。2012年春に退職し、フリーライターとなる[5]。2015年、澤村電磁(さわむら でんじ)名義で応募した『ぼぎわん』で第22回日本ホラー小説大賞を受賞する[5][6][7][8]。選考委員の綾辻行人は、同作について「文句なしに面白いホラーエンターテインメントである」と評価している[4]。同年、同作を『ぼぎわんが、来る』と改題し刊行、小説家デビューを果たす[7]。2019年、『ぼぎわんが、来る』が、『来る』のタイトルで映画化[9]。
友人の知り合いが趣味で書いた小説を批評しようとしたときに、「自分でも書いてみよう」と思ったのが、小説を書き始めたきっかけだとしている[5]。影響を受けた作家は岡本綺堂[7]。愛読する作家として三津田信三、殊能将之を挙げている[5][10]。
受賞・候補歴
編集作品リスト
編集単著
編集比嘉姉妹シリーズ
編集→詳細は「比嘉姉妹シリーズ」を参照
- ぼぎわんが、来る(2015年10月 KADOKAWA / 2018年2月 角川ホラー文庫)
- ずうのめ人形(2016年7月 KADOKAWA / 2018年7月 角川ホラー文庫)
- ししりばの家(2017年6月 KADOKAWA / 2020年1月 角川ホラー文庫)
- などらきの首(2018年10月 角川ホラー文庫)
- 収録作品:ゴカイノカイ / 学校は死の匂い / 居酒屋脳髄談義 / 悲鳴 / ファインダーの向こうに / などらきの首
- ぜんしゅの跫(2021年1月 角川ホラー文庫)
- 収録作品:鏡 / わたしの町のレイコさん / 鬼のうみたりければ / 赤い学生服の女子 / ぜんしゅの跫
- ばくうどの悪夢(2022年11月 KADOKAWA)
- さえづちの眼(2023年3月 角川ホラー文庫)
- 収録作品:あの日の光は今も / 母と / さえづちの眼
- すみせごの贄(2024年3月 角川ホラー文庫)
- 収録作品:たなわれしょうき / 戸栗魅姫の仕事 / 火曜夕方の客 / くろがねのわざ / とこよだけ / すみせごの贄
ノンシリーズ
編集- 恐怖小説 キリカ(2017年1月 講談社 / 2019年4月 講談社文庫)
- ひとんち 澤村伊智短編集(2019年2月 光文社 / 2022年2月 光文社文庫)
- 収録作品:ひとんち / 夢の行き先 / 闇の花園 / ありふれた映像 / 宮本くんの手 / シュマシラ / 死神 / じぶんち
- 予言の島(2019年3月 KADOKAWA / 2021年6月 角川ホラー文庫)
- ファミリーランド(2019年7月 早川書房 / 2022年8月 角川ホラー文庫)
- 収録作品:コンピューターお義母さん / 翼の折れた金魚 / マリッジ・サバイバー / サヨナキが飛んだ日 / 今夜宇宙船の見える丘に / 愛を語るより左記のとおり執り行おう
- うるはしみにくし あなたのともだち(2020年8月 双葉社 / 2023年8月 双葉文庫)
- アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿(2020年10月 祥伝社 / 2023年6月 双葉文庫)
- 収録作品:笑う露死獣 / 歌うハンバーガー / 飛ぶストーカーと叫ぶアイドル / 目覚める死者たち / 見つめるユリエさん / 映える天国屋敷 / 涙する地獄屋敷
- 邪教の子(2021年8月 文藝春秋)
- 怖ガラセ屋サン(2021年10月 幻冬舎 / 2024年8月 幻冬舎文庫)
- 収録作品:人間が一番怖い人も / 救済と恐怖と / 子供の世界で / 怪談ライブにて / 恐怖とは / 見知らぬ人の / 怖ガラセ屋サンと
- 怪談小説という名の小説怪談(2022年6月 新潮社)
- 収録作品:高速怪談 / 笛を吹く家 / 苦々陀の仮面 / こうとげい / うらみせんせい / 涸れ井戸の声 / 怪談怪談
- 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集(2023年6月 宝島社)
- 収録作品:名所 / みぞ / せんせいあのね / 君島くん / 保護者各位 / 血 / かみさまとにんげん / ねぼすけオットセイQ町店301号室のノート / さきのばし / 深夜長距離バス / 内見 / 満員電車 / 空白 / はしのした / 青黒き死の仮面 / 通夜の帰り / 喫茶店の窓から / 無題 / 夢殺 / 冷たい時間 / 残された日記
- 斬首の森(2024年4月 光文社)
アンソロジー収録作品
編集「」内が澤村伊智の作品
- 宝石 ザ ミステリー Red(2016年8月 光文社)「ひとんち」
- 謎の館へようこそ 新本格30周年記念アンソロジー 白(2017年9月 講談社タイガ)「わたしのミステリーパレス」
- 短篇ベストコレクション 現代の小説 2018(2018年6月 徳間文庫)「コンピューターお義母さん」
- だから見るなといったのに 九つの奇妙な物語(2018年8月 新潮文庫nex)「高速怪談」
- ここから先はどうするの 禁断のエロス(2018年12月 新潮文庫)「壁の向こうで誰かが」
- 平成怪奇小説傑作集3(2019年11月 創元推理文庫)「鬼のうみたりければ」
- ザ・ベストミステリーズ 2019 推理小説年鑑(2019年6月 講談社)「学校は死の匂い」
- 【改題】2019 ザ・ベストミステリーズ(2022年4月 講談社文庫)
- 沈黙の狂詩曲(2019年11月 光文社)「などらきの首」
- 【分冊・改題】沈黙の狂詩曲 精華編 Vol.2(2021年6月 光文社文庫)
- 幻想と怪奇2 人狼伝説 変身と野生のフォークロア(2020年5月 新紀元社)「黄昏に立つ母は狼」
- ダーク・ロマンス 異形コレクションXLIX(2020年11月 光文社文庫)「禍または2010年代の恐怖映画」
- 蠱惑の本 異形コレクションL(2020年12月 光文社文庫)「恐またはこわい話の巻末解説」
- 甘美で痛いキス 吸血鬼コンピレーション(2021年2月 二見書房)「頭の大きな毛のないコウモリ」
- 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション(2021年2月 角川ホラー文庫)「学校は死の匂い」
- Day to Day(2021年3月 講談社 / 2021年3月 講談社【愛蔵版】)「6/23」
- 本格王2021(2021年6月 講談社文庫)「笛を吹く家」
- 秘密 異形コレクションLI(2021年6月 光文社文庫)「貍または怪談という名の作り話」
- ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話(2021年7月 PHP文芸文庫) - ショートショート集
- あなたの後ろにいるだれか―眠れぬ夜の八つの物語―(2021年8月 新潮文庫nex)「涸れ井戸の声」
- 5分で読める! 背筋も凍る怖いはなし(2021年8月 宝島社文庫)「通夜の帰り」「君島くん」「無題」
- 狩りの季節 異形コレクションLII(2021年11月 光文社文庫)「えれんとわたしの最後の事件」
- ギフト 異形コレクションLIII(2022年4月 光文社文庫)「鬼または終わりの始まりの物語」
- てのひら怪談 こっちへおいで(2022年6月 ポプラキミノベル)「しらないひと」「へどろんなの秘密」「あの家のこと」「ライブ配信あるいはアウトサイダー2022」「あぶあぶめだらじゅ」
- 5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし(2022年6月 宝島社文庫)「せんせいあのね」「はしのした」
- 超怖い物件(2022年9月 講談社文庫)「笛を吹く家」
- 鉄道小説(2022年10月 交通新聞社)「行かなかった遊園地と非心霊写真」
- 陥穽の円舞曲(2022年11月 光文社)「うらみせんせい」
- 超常気象 異形コレクションLIV(2022年12月 光文社文庫)「赤い霧」
- ヴァケーション 異形コレクションLV(2023年5月 光文社文庫)「縊または或るバスツアーにまつわる五つの怪談」
- 幻想と怪奇 ショートショート・カーニヴァル(2023年6月 新紀元社)「儂は怪物を殺した」
- 七人怪談(2023年6月 KADOKAWA)「サヤさん」
- ジャンル特化型ホラーの扉 八つの恐怖の物語(2023年10月 河出書房新社)「みてるよ」
- 乗物綺談 異形コレクションLVI(2023年11月 光文社文庫)「くるまのうた」
- 超短編!大どんでん返しSpecial(2023年12月 小学館文庫)「井村健吾の話」
- わたしの名店 おいしい一皿に会いにいく(2023年12月 ポプラ文庫)※エッセイアンソロジー「このトンネルを抜けたら最初に行く店」
- 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集(2023年12月 角川ホラー文庫)「シュマシラ」
- Jミステリー2024 SPRING(2024年4月 光文社文庫)「わたしの最後のホラーミステリ」
- 屍者の凱旋 異形コレクションLVII(2024年6月 光文社文庫)「ゾンビと間違える」
- 幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル(2024年6月 新紀元社)「『怪奇マガジン』読者ページより」
- 5分で読める! 誰かに話したくなる怖いはなし(2024年7月 宝島社文庫)「誰にも訊けなかったから」「お化け」
- 潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー(2024年8月 角川ホラー文庫)「ココノエ南新町店の真実」
インタビュー・対談
編集単著未収録作品
編集連載小説
編集- 「大門ビルディングの怪談」 - 『STORY BOX』2020年2月号 - 2021年5月号
- 「特撮なんて見ない」 - 『紙魚の手帖』vol.03 FEBRUARY 2022 - vol.15 FEBRUARY 2024
短編小説
編集- 「円環世界」 - 『小説新潮』2016年9月号
- 「今からでも遅くはない」 - 『小説新潮』2017年2月号
- 「壁の向こうで誰かが」 - 『yom yom』2017年12月号
- 「告発する美男子 前編」 - 『小説NON』2019年4月号
- 「告発する美男子 後編」 - 『小説NON』2019年7月号
- 「花が咲いたら」 - 『ミステリーズ!』vol.102(AUGUST 2020)
- 「頂戴」 - 『小説新潮』2021年1月号
- 「百鬼夜行棟」 - 『怪と幽』vol.009(2022年1月)
- 「令和のショートショート」「井村健吾の話」 - 『STORY BOX』2022年4月号
- 「チノカゼ、あるいは怪談の双曲線」 - 『怪と幽』vol.011(2022年9月)
- 「受け継がれるもの」 - 『怪と幽』vol.016(2024年5月)
エッセイなど
編集メディア・ミックス
編集映画
編集ラジオドラマ
編集漫画
編集脚注
編集- ^ 澤村 伊智(小説家) |高円寺オフィス所属メンバー | 高円寺オフィス
- ^ a b “『ぼぎわんが、来る』 (澤村伊智 著)|インタビュー・対談|本の話WEB”. 2018年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月11日閲覧。
- ^ 「怖い」のはシチュエーション 「ぼぎわんが、来る」著者 澤村伊智さん (3/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
- ^ a b 貞子も恐れる”ぼぎわん”とは…? 第22回日本ホラー小説大賞『ぼぎわんが、来る』のPV解禁! |ダ・ヴィンチニュース
- ^ a b c d 著者インタビュー 澤村伊智『ぼぎわんが、来る』 |KADOKAWA公式オンラインショップ
- ^ “日本ホラー小説大賞受賞作”. KADOKAWA. 2016年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月11日閲覧。
- ^ 第22回日本ホラー小説大賞 澤村電磁さん『ぼぎわん』が受賞|株式会社KADOKAWAのプレスリリース
- ^ “岡田准一、主演映画「来る」でミステリーホラー初挑戦「脚本怖い」”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2018年2月12日) 2018年2月12日閲覧。
- ^ 【怪老人日乗】 11月某日 |朝宮運河のブログ
- ^ “2019年 第72回 日本推理作家協会賞”. 一般社団法人日本推理作家協会. 2023年9月13日閲覧。
- ^ “第二回「細谷正充賞」発表”. 社団法人文人墨客. 2023年9月13日閲覧。
- ^ “2019年度 第19回Sense of Gender賞 The 19th Sense of Gender Award in 2019”. ジェンダーSF研究会. 2023年9月13日閲覧。
- ^ “岡田准一×中島哲也のホラー「来る」、共演に黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年2月12日) 2021年7月1日閲覧。
- ^ “『うるはしみにくし あなたのともだち』(全10回)1月23日~放送 - 青春アドベンチャー - NHK”. NHK. 2023年3月2日閲覧。
- ^ “澤村伊智のミステリー小説を宵町めめがマンガ化「アウターQ」ヤンチャンWebで開幕”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年9月27日) 2023年9月27日閲覧。
- ^ “【第1話】比嘉姉妹|カドコミ (コミックウォーカー)”. KADOKAWA. 2024年7月11日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 澤村伊智 (@ichisawamura) - X(旧Twitter)
- 澤村伊智 特設サイト - カドブン