激情ギターラ!

ロドリーゴ・イ・ガブリエーラのアルバム

激情ギターラ!』(原題:Rodrigo y Gabriela)は、メキシコ出身のギター・デュオ、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ2006年に発表したスタジオ・アルバム。デュオの世界デビュー作に当たり、当時2人が拠点としていたアイルランドのレーベル「ルビーワークス・レコード英語版」から発売された後、2007年にはアメリカやイギリス、2008年には日本やフランスでもアルバム・チャート入りした。

激情ギターラ!
ロドリーゴ・イ・ガブリエーラスタジオ・アルバム
リリース
録音 2005年10月 イギリス バース リヴァーサイド・スタジオ[3]
ジャンル アコースティック音楽、インストゥルメンタルラテン音楽ロック
時間
レーベル ルビーワークス・レコード英語版
アメリカ合衆国の旗ATOレコード
日本の旗ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
プロデュース ジョン・レッキー、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(アイルランド[4]
  • 53位(イギリス[5]
  • 70位(日本[2]、フランス[6]
  • 90位(スイス[7]
  • 98位(アメリカ[8]
  • ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ アルバム 年表
    Live: Manchester and Dublin
    (2004年)
    激情ギターラ!
    (2006年)
    激情セッション
    (2008年)
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    背景 編集

    ライヴ・パフォーマンスにおけるエナジーをそのまま録音したいという意図から、主にオルタナティヴ・ロック系の作品の制作で知られるジョン・レッキーが共同プロデューサーに起用された[9]。なお、収録曲「フワン・ロコ」のタイトルは、レッキーのメキシコ風ニックネームに由来している[10]。2人が本作のレコーディングで主に使用したギターは、フランク・テイトというダブリンのギター職人によりカスタマイズされており、指板は通常のアコースティック・ギターよりも狭くて薄く、更にギターの内部も木材で補強されて、パーカッション代わりに叩いても壊れにくくなっていたという[9]

    天国への階段」はレッド・ツェッペリンのカヴァーで、2人はスタンリー・ジョーダンがこの曲を演奏しているのをテレビで見て、それをきっかけにライヴで演奏するようになった[10]。また、「オライオン」はメタリカのアルバム『メタル・マスター』(1986年)収録曲のカヴァーで、ロドリーゴ・サンチェスは2006年のインタビューにおいて「私が初めてギターを弾きたくなったのは、メタリカがきっかけだった」「オリジナルに忠実にしたかったから、2本のギター用にシンプルなアレンジを施したとはいえ、ドラム・パートも含むバンド全体の要素も、幾らか再構築してみた」と語っている[9]。「PPA」は「Pinche Personal Assistant」の略で、無能でありながら自信家の音楽業界人を批判したタイトルである[10]

    反響 編集

    2人の活動拠点であったアイルランドでは、本作がアルバム・チャート1位を獲得し[4]、2006年のうちにプラチナ・ディスクの認定を受けた[11]。また、2006年にシングル・カットされた「天国への階段」は、同国のシングル・チャートで39位を記録した[4]

    アメリカの『ビルボード』では、2007年1月6日付のトップ・ヒートシーカーズで3位を記録し[12]、同年9月8日には、総合アルバム・チャートのBillboard 200で98位に達した[8]。イギリスでは2007年8月18日付の全英アルバムチャートで初登場78位となり[13]、最終的には5週トップ100入りして最高53位を記録した[5]

    フランスでは2008年3月1日付のアルバム・チャートで初登場132位となり、同年5月31日に最高70位を記録して、合計40週にわたりトップ200入りした[6]。2008年3月5日に発売された日本盤は、同年3月24日付のオリコンチャートで最高70位を記録し、26週にわたってトップ300入りした[2]。スイスでは2009年8月9日付のアルバム・チャートで90位となった[7]

    評価 編集

    Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「この9曲は、ニュー・フラメンコ英語版ともニューエイジ・ミュージックとも関係なく、断固とした狂おしいまでの情熱が浮かんでくるような、ジャンルや伝統を焼き尽くす煙と炎を伴った音楽であり、少なくとも今回の場合は、ヘヴィメタルの神に感謝すべきだろう」と評している[14]。また、クリス・モスはBBCのレビューにおいて「ロック、フラメンコ、ジャズ、メタル、それにシャドウズから影響を受けていることは明白だが、このデュオはもはや、強力な特徴あるサウンドを確立している」と評している[1]

    収録曲 編集

    全作曲: 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作。
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「タマクン - Tamacun」 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    2.「ディアブロ・ロホ - Diablo Rojo」 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    3.「ヴァイキング・マン - Vikingman」 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    4.「サトリ - Satori」 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    5.「イクスタパ - Ixtapa」 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    6.天国への階段 - Stairway to Heaven」(Jimmy Page, Robert Plant) 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    7.「オライオン - Orion」(James Hetfield, Lars Ulrich, Cliff Burton) 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    8.「フワン・ロコ - Juan Loco」 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    9.「PPA - PPA」 特記なき楽曲はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ作
    日本初回盤ボーナス・トラック
    #タイトル作詞作曲時間
    10.「セニョリータ - Senorita XXX」  

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集