広義には人間が知覚し思考し得る対象の一切

ものぶつ)とは、広義には対象を特定化せず一般的・包括的にいうであり、人間が知覚し思考しうる対象の一切である[1]英語ではthing

  • 空間のある部分を占め、人間の感覚で捉えることができる形を持つ対象。
  • 具体的な存在から離れた、人間が考えられうる形を持たない対象。
  • 妖怪霊魂など、不可思議で霊力を持つ得体が知れない存在。この用法の例は古くは『春秋左氏伝宣公三年に見られる[2]
  • 哲学では経験対象客観)とされる時間的存在者のこと。空間的・時間的対象。ドイツ語で Ding。(反対語:物自体 Ding an sich)
    • 狭義にはこのもの、あのものと指示しうる感覚的個物(「椅子」「机」など)を意味するが、広義には思考の対象となり、命題の主題となりうる万物、例えば価値などの非感覚的個物をも含めて意味する。
  • 商品。また、経済学では、のうち、物理的なものを指す。「モノ」と書かれることもある。
  • 物 (法律)とは、人(自然人)に対する言葉で、権利などの客体となるものをいう。民法上は、有体物をいう。法律家は「ブツ」と読むことも多い。
  • 日常生活では、食べ物飲み物宝物下手物初物色物など、不特定または多様な物品、個体などを指すのに用いられることが多い。
  • ブツ」と音読みにする場合でも、廃棄物動物、などのように同様の意味を持つことが多い。また隠語的に、(公言できない)物品の代名詞としても用いられる。

出典 編集

  1. ^ 『大辞林-第二版』、三省堂 「もの」
  2. ^ 小南一郎「第2章 2 精霊としての"物"」『古代中国 天命と青銅器』京都大学学術出版会、2006年。ISBN 978-4876988143 

関連項目 編集