ムスカリ学名: Muscari)はツルボ亜科ムスカリ属植物の総称。狭義には、学名 Muscari neglectum をムスカリという。

ムスカリ属
Muscari
Muscari
(2006年4月14日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: キジカクシ科 Asparagaceae
亜科 : ツルボ亜科 Scilloideae
: ヒアシンス連 Hyacintheae
亜連 : Hyacinthinae
: ムスカリ属 Muscari
学名
Muscari
Mill.
タイプ種
Muscari botryoides (L.) Mill.
英名
grape hyacinth

名の由来はギリシャ語moschos(ムスク)であり、麝香(じゃこう)のことである。は一見するとブドウのように見えることから、ブドウヒアシンスの別名を持つ。花言葉は、日本においては「寛大な愛」「明るい未来」「通じ合う心」である。海外では逆に、「絶望」、「失望」、「失意」、「悲嘆」、「憂鬱」など、ネガティブなものが多い。

形態・生態 編集

一般的には球根植物。

開花期は3月初旬から4月末頃。花色は鮮やかな青紫色だが、近年、白色コバルト色なども見られる。花弁はあまり開かない。

分布 編集

原産地は南西アジアあるいは地中海沿岸地方で、地中海沿岸が分布の中心。

日本には1980年ごろから市場に出回るが、当初の品種は小さく見ごたえもあまりなかったことからさほど注目されなかった。品種改良により観賞価値の高いものが作られると人気品種となって普及し、各地の公園や庭先などでごく普通に見られるまでになった。

人間との関わり 編集

ムスカリ属の一部は園芸植物としてよく栽培される。球根は数年くらい植えたままでも差し障りないが、できればに掘り上げるとよい。病虫害もあまりなく、栽培しやすい植物である。早春を彩る花として絨毯のように多数を植え付けると効果的である。

花言葉は、寛大なる愛、明るい未来、通じ合う心、などがある一方で、失望、失意、などもあり正反対の意味の両方が付けられている。

イラク北部にある約6万年前のネアンデルタール人の遺跡から、埋葬時にムスカリの花を手向けたと考えられる痕跡が発見されており、人類最古の埋葬花とされている。

下位分類 編集

50-60ある。

脚注 編集

  1. ^ a b c 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年。ISBN 978-4-900358-61-4 
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Muscari botryoides (L.) Mill.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年3月29日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Muscari comosum (L.) Mill.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年3月29日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Muscari neglectum Guss. ex Ten.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年3月29日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集