ロリー・キニア英語: Rory Kinnear, 1978年[1][注 1]2月17日 - )は、イングランド俳優である。ローリー・キニアとも表記される。

ロリー・キニア
Rory Kinnear
Rory Kinnear
2012年
生年月日 (1978-02-17) 1978年2月17日(46歳)
出生地 イングランドの旗 イングランド ロンドン ハマースミス
国籍 イギリスの旗 イギリス
職業 俳優
活動期間 2000年 - 活動中
配偶者 パンドラ・コリン
著名な家族 ロイ・キニア(父)
カーメル・クライアン英語版(母)
主な作品
映画
007』シリーズ
『ブロークン』
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
ブレグジット EU離脱
MEN 同じ顔の男たち
テレビドラマ
ペニー・ドレッドフル 〜ナイトメア 血塗られた秘密〜
カジュアル・ベイカンシー 突然の空席
舞台
The Man of Mode
Othello
 
受賞
ローレンス・オリヴィエ賞
最優秀助演俳優賞
2008年『The Man of Mode
主演男優賞
2014年『Othello
その他の賞
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妻は女優パンドラ・コリン[4]

生い立ち 編集

両親は俳優のロイ・キニアカーメル・クライアン英語版。また父方の祖父はスコットランドのラグビー選手のロイ・ミューア・キニア英語版である。

タワー・ハウス・スクール英語版に通い、1991年に卒業した[5]ロンドンのセント・ポールズ・スクールで教育を受け、オックスフォード大学ベリオール・カレッジで英語、LAMDAで演技を学んだ[6]ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーナショナル・シアターに出演しており、舞台を中心に活動する傍ら映画・ドラマ等でも活動している。日本ではダニエル・クレイグ主演の映画『007』シリーズに登場するビル・タナー英語版役で知られている。

1988年に映画『新・三銃士/華麗なる勇者の冒険』の撮影時の落馬事故で亡くなった父親をもっとよく知るために俳優になったと、2008年のインタビューで答えている[7]

私生活 編集

女優パンドラ・コリンとの間に息子ライリーと娘ホープがいる[8]

2020年5月に姉カリーナが新型コロナウイルス感染症により48歳で死去したことをガーディアン紙への寄稿で明かしている。カリーナは出生時の酸素不足で脳に深刻なダメージを受け、19歳の時に救命のために脊椎の手術を受けた後は腰から下が麻痺したままとなり、死の6年前には敗血症で挿管されて腎臓にダメージを受けていたとのことである[9]。その後、カリーナの名前を冠したクラウドファンディングキャンペーン「For Karina」を立ち上げ、カリーナが暮らしていた施設「ロイ・キニア・ハウス」の庭の改装のための資金を募っている。「ロイ・キニア・ハウス」は、ロリーの母カーメルがカリーナのようなケアを必要とする人々のための施設がないことに不満を抱き、重度の身体的・精神的困難を抱える若年層のための施設を建設するための資金調達を1994年に始め、2000年に開設した施設であり、施設名はカーメルの亡き夫でロリーの亡父であるロイの名前に因んでいる[10]

出演作品 編集

映画 編集

邦題/原題 役名 備考 吹き替え
2007 マンスフィールド・パーク
Mansfield Park
ラッシュワース テレビ映画
2008 マーガレット・サッチャー 〜政界を夢見て〜
Margaret Thatcher: The Long Walk to Finchley
デニス・サッチャー テレビ映画
007 慰めの報酬
Quantum of Solace
ビル・タナー 大西健晴(ソフト版)
白熊寛嗣キングレコード版)
丸山壮史BSジャパン版)
2010 ターゲット
Wild Target
ジェリー・ベイリー 日本劇場未公開
ナショナル・シアター・ライヴ2014/ハムレット
National Theatre Live: Hamlet
ハムレット
2012 ブロークン
Broken
ボブ・オズワルド 日本劇場未公開、WOWOWで放映
【劇場版】 嘆きの王冠 〜ホロウ・クラウン〜/リチャード二世[11]
The Hollow Crown: Richard II
ボリングブルック(ヘンリー4世) テレビ映画シリーズ『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』の第1シーズン第1話を日本では2017年に映画として劇場上映[12]
007 スカイフォール
Skyfall
ビル・タナー 白熊寛嗣
2013 ナショナル・シアター・ライヴ2014/オセロ
National Theatre Live: Othello
イアーゴー
2014 カムバック!
Cuban Fury
ギャリー 後藤ヒロキ
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
The Imitation Game
ロバート・ノック刑事 こねり翔
2015 マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり
Man Up
ショーン 斎藤寛仁
007 スペクター
Spectre
ビル・タナー 白熊寛嗣
2016 アウトサイダーズ
Trespass Against Us
P・C・ラヴィッジ
ナショナル・シアター・ライヴ2017/三文オペラ
National Theatre Live: The Threepenny Opera
マクベス(メッキー・メッサー/マック・ザ・ナイフ) N/A
2017 iBOY
iBoy
エルマン 日本劇場未公開、Netflixで配信
ナショナル・シアター・ライヴ2018/ヤング・マルクス
National Theatre Live: Young Marx
カール・マルクス N/A
2018 ナショナル・シアター・ライヴ2019/マクベス
National Theatre Live: Macbeth
マクベス N/A
ピータールー マンチェスターの悲劇
Peterloo
ヘンリー・ハント英語版 (吹き替え版なし)
2019 ブレグジット EU離脱
Brexit: The Uncivil War
クレイグ・オリヴァー英語版 テレビ映画
2021 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ
No Time to Die
ビル・タナー 白熊寛嗣
2022 MEN 同じ顔の男たち
Men
ジェフリーなどの同じ顔の男たち 遠藤純一

テレビ 編集

邦題/原題 役名 備考 吹き替え
2008 メサイア 血塗られた救世主
Messiah: The Rapture
ステュワート・ディーン 第5シリーズ全2話
2009 官僚天国!〜今日もツジツマ合わせマス〜
The Thick of It
エド 第3シーズン第1話
セレブになりたくて 〜サイモンの青春日記〜
Beautiful People
ロス 第2シーズン第2話
2010 オレたち、ゆる刑事 ~ジャック&ケイト
Vexed
ダン・ビショップ 第1シーズンの3エピソード
2011 恋する女たち
Women in Love
ルパート・バーキン 全2話のミニシリーズ
ブラック・ミラー
Black Mirror: The National Anthem
マイケル・キャロウ首相 第1シーズン第1話『国歌英語版』主演 宮本充
2012 エドウィン・ドルードの謎
The Mystery of Edwin Drood
セプティマス・クリスパークル牧師 全2話のミニシリーズ
ホロウ・クラウン/嘆きの王冠
The Hollow Crown
ボリングブルック(ヘンリー4世) テレビ映画シリーズ第1シーズン第1話『リチャード二世
日本では2017年に『【劇場版】 嘆きの王冠 〜ホロウ・クラウン〜/リチャード二世』のタイトルで劇場上映[11]
2014-2016 ペニー・ドレッドフル 〜ナイトメア 血塗られた秘密〜
Penny Dreadful
怪物(第1シーズン)
ジョン・クレア(第2, 3シーズン)
ピーター・クラフト(第4シーズン)
メインキャスト
2015 カジュアル・ベイカンシー 突然の空席
The Casual Vacancy
バリー・フェアブラザー 主演、全3話のミニシリーズ
2018 ウォーターシップ・ダウンのウサギたち
Watership Down
カウスリップ(黄花九輪桜 全4話のアニメ・ミニシリーズ、声の出演
2019 2034 今そこにある未来
Years and Years
スティーヴン・ライオンズ 全6話のミニシリーズ 丸山壮史
2023 ザ・ディプロマット
The Diplomat
ニコール・トロウブリッジ Netflix オリジナルシリーズ メイン

舞台 編集

邦題/原題 役名 備考
2002 かもめ
The Seagull
コンスタンティン
テンペスト
The Tempest
キャリバン
2003 じゃじゃ馬ならし
The Taming of the Shrew
トラニオ
シンベリン
Cymbeline
2004 ハムレット
Hamlet
レアティーズ
2009 太陽に灼かれて
Burnt by the Sun
ミティア
2010 ハムレット
Hamlet
ハムレット
2013 オセロ
Othello
イヤゴー

ゲーム 編集

邦題/原題 役名 備考
2010 ゴールデンアイ 007
GoldenEye 007
ビル・タナー 声の出演
007 ブラッドストーン
James Bond 007: Blood Stone
ビル・タナー 声の出演
2012 007 レジェンド
007 Legends
ビル・タナー 声の出演

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1976年生まれとする資料もある[2][3]

出典 編集

  1. ^ Dobson, Michael. (2016). The Oxford Companion to Shakespeare. Wells, Stanley., Sharpe, Will., Sullivan, Erin. (2nd ed ed.). Oxford: Oxford University Press, Incorporated. p. 199. ISBN 978-0-19-105815-8. OCLC 1109817839. https://www.worldcat.org/oclc/1109817839 
  2. ^ ロリー・キニア - allcinema
  3. ^ Rory Kinnear - IMDb(英語)
  4. ^ Pandora Colin - Biography” (英語). IMDb. 2019年4月2日閲覧。
  5. ^ Alumni - Tower House School | An Opportunity for Every Boy” (英語). www.thsboys.org.uk. 2020年5月28日閲覧。
  6. ^ Rory Kinnear: Good show, sweet prince” (英語). London Evening Standard (2010年11月29日). 2012年10月21日閲覧。
  7. ^ John Preston (2008年1月27日). “Rory Kinnear: becoming an actor was a way of getting to know my father better” (英語). The Telegraph. https://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/3670797/Rory-Kinnear-becoming-an-actor-was-a-way-of-getting-to-know-my-father-better.html 2019年4月2日閲覧。 
  8. ^ Rosanna Greenstreet (2017年8月12日). “Rory Kinnear: ‘I realised early on in life that I’d have to concentrate on personality’” (英語). The Guardian. https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/aug/12/q-and-a-rory-kinnear 2019年6月28日閲覧。 
  9. ^ Kinnear, Rory (2020年5月12日). “My sister died of coronavirus. She needed care, but her life was not disposable” (英語). The Guardian. https://www.theguardian.com/commentisfree/2020/may/12/rory-kinnearsister-protect-vulnerable-coronavirus-rory-kinnear 2021年9月13日閲覧。 
  10. ^ For Karina - a Charities crowdfunding project in Twickenham by Rory Kinnear” (英語). 2021年9月13日閲覧。
  11. ^ a b 【劇場版】 嘆きの王冠 ~ホロウ・クラウン~/リチャード二世”. allcinema. 2019年4月2日閲覧。
  12. ^ 嘆きの王冠 ホロウ・クラウン リチャード二世”. 映画.com. 2019年4月2日閲覧。

外部リンク 編集