伝習録』(でんしゅうろく、中国語: 傳習錄)は、中国の時代に、王陽明が起こした儒学の教え・陽明学の入門書。

概要 編集

伝習録
各種表記
繁体字 傳習錄
簡体字 传习录
拼音 Zhuànxílù
注音符号 ㄓㄨㄢˋㄒㄧˊㄌㄨˋ
発音: ヂュァンシールー
広東語拼音 Zyun6 Zaap6 Luk6
日本語読み: でんしゅうろく
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王陽明

陽明自身には、自ら著した書物がほとんどなく、本書は、弟子たちが王陽明の手紙や言行などをまとめた3巻で構成される。

日本での影響 編集

日本には、1614年に紹介され、大塩平八郎西郷隆盛植木枝盛が傾倒し、日本思想史においても多大な影響を与えた。注釈・訳注書が多数ある。

江戸時代を通じ、各地の儒学塾で講義された。豊後日田広瀬淡窓咸宜園では、朱子学の『近思録』とともに、学業最後のテキストに用いられた。

日本語版文献 編集

  • 近藤康信訳著 『伝習録 新釈漢文大系13』 明治書院、初版1961年
  • 山田準/鈴木直治編訳 『傳習録』 岩波文庫、初版1936年、復刊1996年ほか[1]
    • 山田準 訳著 『伝習録講話』 明徳出版社、新版2001年
  • 溝口雄三訳『伝習録』 中央公論新社<中公クラシックス>、2005年[2] - 現代語訳のみ
  • 吉田公平 『王陽明「伝習録」を読む』 講談社学術文庫、2013年
    • 吉田公平編訳・解説 『伝習録』 <鑑賞中国の古典10>角川書店、1988年
  • 吉田公平 『伝習録 「陽明学」の真髄』 たちばな出版<タチバナ教養文庫>、1995年
    • 吉田公平編訳 『伝習録 「陽明学」の真髄』 <中国の古典>講談社、1988年
  • 安岡正篤訳著 『傳習録』 明徳出版社<中国古典新書>、1978年。重版多数
  • 『語録 王陽明全集第一巻』 明徳出版社、1983年、修訂版1991年。詳細な訳注
  • 『王陽明全集抄評釈』 岡田武彦全集<6・7巻> 明徳出版社、2006年。詳細な研究
  • 中田勝 『王陽明 徐愛 「伝習録集評」』 鈴木利定閲、明徳出版社、2016年  

脚注・出典 編集

  1. ^ 旧字・旧かな表記での読み下し
  2. ^ 元版は『世界の名著続4 朱子王陽明』中央公論社。荒木見悟責任編集

外部リンク 編集