日産・YDエンジンとは、CD型エンジン後継として日産自動車1998年平成10年)から生産している自動車用直列4気筒直噴ディーゼルエンジンである。すべてNEO Di・DOHCである。

日産・YDエンジン
YD22DDTi型
生産拠点 日産自動車
製造期間 1998年5月 -
タイプ 直列4気筒DOHC16バルブ
ディーゼルエンジン
排気量 2.2リットル
2.5リットル
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通常は超拡散燃焼であるディーゼルエンジンに予混合燃焼技術を取り入れた、日産独自の低温予混合燃焼であるMK燃焼[1]を実用化した最初のエンジンである。大量のEGRで燃焼温度を低下げ、穏やかに燃焼させることでNOxの発生を抑え、これによるPMの増加を予混合燃焼化(黄色い炎の発生を抑え、青い炎で完全燃焼させる)の促進により回避することにより、これまでトレードオフの関係にあった NOxとPMの同時低減を可能とした。 また、燃焼初期の緩やかな熱発生により、燃焼騒音(着火遅れによるディーゼルノック)も大幅に低減している。

日本国内向けは1998年平成10年)6月に発売された初代プレサージュに先行搭載されたが、排出ガス規制強化に伴いごく短期間[2]で搭載車が一時消滅、2012年(平成24年)6月、キャラバンのモデルチェンジに伴い大幅改良のうえ再登板となった[3]。 平成30年排出ガス規制およびポスト新長期規制に適合しないため生産を終了し、ディーゼルエンジンの国内生産から撤退する。

バリエーション 編集

 
YD25DDTi型

YD22系 2,184 cc 編集

YD22DD 編集

  • ボッシュ分配型直噴
  • 出力:79 PS (58 kW)/4,000 rpm・16.0 kgm (157 Nm)/2,000 rpm
  • 内径×行程:86.0 mm×92.0 mm

YD22DDTi 編集

YD25系 2,488 cc 編集

YD25DDTi 編集

  • 直噴インタークーラーターボ
  • 出力
190 PS (140kW)/4,000 rpm 45.9 kgm (450 Nm)/1,400 - 3,200 rpm (テラ)
150 PS (110kW)/4,000 rpm 28.5 kgm (275 Nm)/1,800 rpm
129 PS (95kW)/3,200 rpm 36.3 kgm (356 Nm)/1,400 - 2,000 rpm (NV350キャラバン)
  • 内径×行程:89.0 mm×100.0 mm

搭載車種 編集

脚注 編集

  1. ^ Modulated Kineticsの略。低温予混合燃焼(MK 燃焼)方式の紹介 - 日産自動車(発表日不明)2018年5月13日閲覧
  2. ^ 乗用車用としては僅か3年程、商用車用としても7年程度
  3. ^ 内燃機関超基礎講座 日産キャラバンのディーゼルエンジン[YD25DDTI]型式は同じ、中身は別物に”. モーターファンテック. モーターファンイラストレーテッド. 2022年3月21日閲覧。

関連項目 編集