鏡の中にある如く

イングマール・ベルイマンによる1961年の映画

鏡の中にある如く』(かがみのなかにあるごとく、Såsom i en spegel)は、イングマール・ベルイマン監督・脚本による1961年スウェーデンの映画である。

鏡の中にある如く
Såsom i en spegel
監督 イングマール・ベルイマン
脚本 イングマール・ベルイマン
製作 アラン・エーケルンド英語版
出演者 ハリエット・アンデルセン
グンナール・ビョルンストランド
マックス・フォン・シドー
ラーシュ・パッスコード英語版
音楽 エリク・ノルドグレン(クレジット無し)
撮影 スヴェン・ニクヴィスト
編集 Ulla Ryghe
配給 日本の旗 昭映
公開 スウェーデンの旗 1961年10月16日
日本の旗 1964年7月10日
上映時間 89分
製作国  スウェーデン
言語 スウェーデン語
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作家が、17歳の息子、精神分裂病を患った娘、娘の夫である医師とともに、別荘を訪れる話。

あらすじ 編集

島の別荘で休暇を楽しむ家族。作家のダビッド、彼の17歳の息子ミーヌス、娘のカーリン、その夫で医師のマッティンで、父と娘婿は海に網打ちに出る。そこでマッティンがダビッドにカーリンの病状が芳しくないことを告げる。彼女の精神分裂病は完治が望めず、再発の可能性があるという。 その夜は庭先で夕食を取り、ダビッドは子どもたちに旅のみやげを渡し、お返しに三人はミーヌス作の芝居『芸術の亡霊または幻想の墓場』を演じる。カーリンはミーヌスの父への嫌みだと言う。 夜になってマッティンが寝てしまうとカーリンは起き出し、物音に惹かれるように2階の空き部屋に行き、壁の向こうから大勢の人の囁き声を聞いて、欲情にかられ身悶えする。 朝4時、仕事中の父の部屋を訪ね、父のベッドで眠ってしまったカーリンは、父が外に出た後に目覚め、机の引き出しの日記を読んでしまう。そこには、不治の病を支えようとするより、小説のネタにと好奇の目を向けていることが、記されている。カーリンはマッティンを起こして泣き出し、マッティンは必死になだめる。 翌朝、ダビッドとマッティンがボートで沖に出て留守の時、カーリンはミーヌスを2階の空き部屋に連れて行き、「この部屋には神が現れる」と言う。ミーヌスは信じられない姉の言動に不安を抱く。 二人が海岸に行くとカーリンは突然嵐が来ると言って走り出す。ミーヌスが追って探すと彼女は座礁した廃船の中にいて、カーリンが彼を誘惑し二人は関係を持ってしまう。 ダビッドとマッティンが海から帰り、ミーヌスから事情を聞いて二人は慌てて廃船に向かう。カーリンは罪の意識でまた乱れ、弟との出来事を父に告白し自ら再入院を望んだ。 入院の準備をしている間に、カーリンがいなくなって皆が探すと2階の空き部屋で誰かに話しかけ、「もうすぐ神が来る」と祈るカーリンの姿があった。 救急のヘリコプターが着いて、カーリンとマッティンは病院へと向かう。残されたミーヌスは父ダビッドに、姉と関係した罪から「もう生きられない」と言う。父は「神にすがれば生きていける。愛が神そのもの。そう考えると絶望から救われる」と答える。それを受けミーヌスは「姉は家族に愛され神と共にいる」と話し、父の言葉に目を輝かせた。

キャスト 編集

評価 編集

第34回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞した[1]。さらに翌年の第35回アカデミー賞では脚本賞にノミネートされた[2]

第12回ベルリン国際映画祭ではコンペティション部門で上映され、金熊賞を争った[3]

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集