特定原材料
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特定原材料(とくていげんざいりょう)とは、日本の食品表示の一種で食物アレルギーの原因となる食品の使用の有無を、包装その他にて表示するものである。主に卵、小麦、えび、かに、そば、落花生、乳である。
概要編集
発症数や重篤度から勘案して「食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令」で、7品目について特定原材料として表示を義務づけるとともに、通知で特定原材料に準じるものとして21品目の表示を奨励している。後者の表示は任意である。特定原材料と「特定原材料に準じるもの」をあわせて「特定原材料等」として扱われる。
アレルギー患者の商品選択に資するように、食品メーカーが特定原材料等を使用しないで食品を製造した場合には「使用していない」旨の表示を行うことが勧められている[1]。なお、特定原材料等の表示についてアレルギー物質を含んでいることを容易に判別することができる食品については、表示を省略できる[1]。
食品衛生法第19条第1項は「内閣総理大臣は、一般消費者に対する食品、添加物、器具又は容器包装に関する公衆衛生上必要な情報の正確な伝達の見地から、消費者委員会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物又は前条第一項の規定により規格若しくは基準が定められた器具若しくは容器包装に関する表示につき、必要な基準を定めることができる」とし、同条第2項は「前項の規定により表示につき基準が定められた食品、添加物、器具又は容器包装は、その基準に合う表示がなければ、これを販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない」としている。
日本では、かつては厚生労働省が担っていたが、平成21年9月1日より内閣府の外局である消費者庁へ移管され引き継がれた[2]。それまでは、食品衛生法や健康増進法の規定に基づく食品表示等に関する業務は、厚生労働省が担っていた。
企業防衛や原材料調査の負担回避を狙いとして「入っているかもしれない」などの可能性表示がなされると、結果的に消費者の商品選択の幅を狭めるおそれがあるため、このような可能性表示は認められない[1][3]。一方で食品に関する想定外の原材料の混入に関する注意喚起表示がなされているケースもある[4]。
特定原材料編集
「食品衛生法第十九条第一項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令」別表第四により特定原材料として定義される(かつては食品衛生法施行規則で定められていた)。現在は7品目[1]。【 】内は認められる代替表記等の例[5]。
特定原材料に準ずるもの編集
通知により特定原材料に準ずるものとして表示が推奨されるもの(任意表示)で、随時改訂が行われ、2019年時点で21品目が定められている。【 】内は認められる代替表記等の例[5]。
出典編集
- ^ a b c d “アレルギー表示について”. 消費者庁. 2012年9月10日閲覧。
- ^ “消費者庁への食品表示等業務の移管について”. 厚生労働省. 2012年9月10日閲覧。
- ^ “アレルギー物質を含む食品の表示についての考え方”. 日本食品化学研究振興財団. 2012年9月10日閲覧。
- ^ 加工食品のアレルギー表示 - 表示のきまり - 株式会社 明治HP
- ^ a b “特定原材料等の代替表記方法リスト”. 消費者庁. 2012年9月10日閲覧。
外部リンク編集
- 食物アレルギー表示に関する情報 - 消費者庁
- 食物アレルギー - アレルギーポータル