石橋正孝
日本の文芸評論家
石橋 正孝(いしばし まさたか、1974年4月 - )は、日本の文芸評論家、フランス文学研究者。立教大学観光学部交流文化学科准教授。研究者としてはジュール・ヴェルヌを専門とする。神奈川県横浜市生まれ[1]。同市在住。
経歴・人物
編集東京大学教養学科卒[1]。同大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、パリ第8大学博士課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、立教大学他兼任講師[2]。2013年から立教大学観光学部交流文化学科助教、2018年から同准教授[3]。2009年から2016年、日本ジュール・ヴェルヌ研究会会長、フランス・ジュール・ヴェルヌ協会会報編集委員。
東京大学およびパリ第8大学大学院博士課程在学中の2001年7月、「ウィルキー・コリンズから大西巨人へ - 「探偵小説」再定義の試み」で第8回創元推理評論賞佳作を受賞[1]。2017年11月には、「なぜシャーロック・ホームズは「永遠」なのか - コンテンツツーリズム論序説」により第61回群像新人評論賞受賞。2018年4月には、『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション』(第2巻)によって、第23回日仏翻訳文学賞(小西国際交流財団)を受賞している。2019年には『群像』掲載のホームズ論により、第42回日本シャーロック・ホームズ大賞奨励賞を日本シャーロック・ホームズ・クラブから授与されている。
作品リスト
編集単行本
編集単著
編集- 『大西巨人 闘争する秘密』(左右社、流動する人文学) 2010年
- 『「驚異の旅」または出版をめぐる冒険 - ジュール・ヴェルヌとピエール=ジュール・エッツェル』(左右社、流動する人文学) 2013年
共著
編集- 『あらゆる文士は娼婦である - 19世紀フランスの出版人と作家たち』(倉方健作共著、白水社) 2016年
- 『歴史の総合者として - 大西巨人未刊行批評集成』(大西巨人著、山口直孝, 橋本あゆみ共編、幻戯書房) 2017年
訳書
編集- 『ジュール・ヴェルヌの世紀 - 科学・冒険・《驚異の旅》』(コタルディエール他著、私市保彦, 新島進共訳、東洋書林) 2009年
- 『罵倒文学史 - 19世紀フランス作家の噂の真相』(アンヌ・ボケル, エティエンヌ・ケルン著、東洋書林) 2011年
- 『レジスタンス女性の手記』(アニエス・アンベール著、東洋書林) 2012年
- 『ジュール・ヴェルヌ伝』(フォルカー・デース著、水声社) 2014年
- 「ジュール・ヴェルヌ 〈驚異の旅〉コレクション」(インスクリプト)
- 2『地球から月へ 月を回って 上も下もなく』 2017年
- 3『エクトール・セルヴァダック』 2023年
- 「レペルトワール(ミシェル・ビュトール評論集)」(共訳、幻戯書房)
- 『I 1960』 2020年12月
- 『Ⅱ 1964』 2021年12月
- 『Ⅲ 1968』 2023年1月
雑誌掲載作品
編集文芸評論
編集- 「ウィルキー・コリンズから大西巨人へ - 「探偵小説」再定義の試み」(『創元推理21』2001年冬号、東京創元社) 2001年9月
- 「『深淵』について (小特集 大西巨人を読む)」 (『早稲田文学』2002年5月号、早稲田大学出版部)
- 「『八十日間世界一周』論 」(『創元推理21』2002年夏号、東京創元社) 2002年8月
- 「鏡の国の永劫回帰 - 『深淵』再読のために」(『早稲田文学』2004年3月号、早稲田大学出版部)
- 「自己を否定する小説家の肖像 - ジュール・ヴェルヌの没後百周年を前に」(『未来』2004年11月号、未来社)
- 「「書くこと」の革命性 - 書評 大西巨人+荒井晴彦『シナリオ神聖喜劇』」(『未来』2005年3月号、未来社)
- 「「再話」としての初読への誘い、または『神聖喜劇』の大衆化のために」(『社会評論』149号、スペース伽耶) 2007年
- 「ジュール・ヴェルヌで読むミシェル・ビュトール」(『早稲田文学(第10次)』第1号、太田出版) 2008年4月
- 「空洞地球と永遠回帰 - 奥泉光小論」(『早稲田文学(第10次)』第3号、早稲田文学会) 2010年1月
- 「対訳で楽しむ『八十日間世界一周』」全6回(『ふらんす』2012年4月号 - 9月号、白水社)
- 「冥界とユートピア - 横尾忠則の小説作品をめぐって」(『ユリイカ』2012年11月号、青土社)
- 「環形動物の孤独 - 武田百合子『日日雑記』を中心に」(『ユリイカ』2013年10月号、青土社)
- 「なぜシャーロック・ホームズは「永遠」なのか - コンテンツツーリズム論序説」(『群像』2017年12月号)
- 「説明的虚無に殉じるアンチ「アンチミステリー」 - 中村文則『その先の道に消える』書評」(『群像』2019年1月号)
- 「絵画・推理・歴史 - シャーロック・ホームズの「歴史戦」」(『群像』2019年4月号)