硫化バリウム(Barium sulfide)は、BaS化学式を持つ無機化合物である。硫化バリウムは、炭酸バリウムリトポン等を含む他のバリウム化合物の重要な前駆体である[2]。他のアルカリ土類金属カルコゲン化合物と同様に、硫化バリウムは電子ディスプレイで短い波長の光を放出する[3]。無色であるが、他の硫化物と同様に不純なものは着色している。

硫化バリウム
識別情報
CAS登録番号 21109-95-5 チェック
PubChem 6857597
ChemSpider 5256933 チェック
EC番号 244-214-4
ChEBI
特性
化学式 BaS
モル質量 169.39 g/mol
密度 4.25 g/cm3 [1]
融点

1200 °C

沸点

分解

への溶解度 2.88 g/100 mL (0 °C)
7.68 g/100 mL (20 °C)
60.3 g/100 mL (100 °C)
溶解度 アルコールに不溶
屈折率 (nD) 2.155
構造
結晶構造 岩塩 (六面体), cF8
空間群 Fm3m, No. 225
配位構造 八面体 (Ba2+); 八面体 (S2–)
危険性
EU分類 有害 (Xn)
環境に対して危険 (N)
EU Index 016-002-00-X
NFPA 704
3
2
0
Rフレーズ R20/22, R31, R50
Sフレーズ (S2), S28, S61
関連する物質
その他の陰イオン 酸化バリウム
その他の陽イオン 硫化マグネシウム
硫化カルシウム
硫化ストロンチウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

発見、製造、性質

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硫化バリウムは、Vincentius Casciarolus(1571年-1624年)によって硫酸バリウム重晶石)の還元により生成された[4]。現在ではCasciarolusの方法を改良して、蛍石の代わりに石炭が用いられている。この反応は、炭素熱還元と呼ばれる。

 

この物質は燐光を発することから興味が持たれ、Lapis BoloniensisChrysolapisbologna stone等として知られた[5][6][7]。様々な錬金術師化学者がこの物質で実験を行った。

アンドレアス・マルクグラーフは、方解石石膏bologna stoneを生成するのには適さないが、特殊な重い蛍石を用いることができることを示し、最終的に硫酸カルシウムからbologna stoneが生成できると結論付けた[8]

硫化バリウムの結晶は塩化ナトリウム型で、Ba2+とS2-を中心に持つ八面体構造である。

安全性

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硫化バリウムは、硫化カルシウム等の関連する硫化物と同様に非常に毒性が高い。水と触れると、毒性のある硫化水素に変化する。

出典

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  1. ^ Lide, David R., ed. (2006). CRC Handbook of Chemistry and Physics (87th ed.). Boca Raton, FL: CRC Press. ISBN 0-8493-0487-3.
  2. ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
  3. ^ Vij, D. R.; Singh, N. "Optical and electrical properties of II-VI wide gap semiconducting barium sulfide" Proceedings of SPIE (1992), 1523 (Conf. Phys. Technol. Semicond. Devices Integr. Circuits, 1992), 608-12.
  4. ^ F. Licetus, Litheosphorus, sive de lapide Bononiensi lucem in se conceptam ab ambiente claro mox in tenebris mire conservante, Utini, ex typ. N. Schiratti, 1640. See http://www.chem.leeds.ac.uk/delights/texts/Demonstration_21.htm
  5. ^ Lapis Boloniensis”. www.zeno.org. 2012年12月27日閲覧。
  6. ^ Lemery, Nicolas (1714). Trait℗e universel des drogues simples. https://books.google.de/books?id=K25AAAAAcAAJ&pg=PA458&hl=de#v=onepage&q&f=false 
  7. ^ Ozanam, Jacques; Montucla, Jean Etienne; Hutton, Charles (1814). Recreations in mathematics and natural philosophy ... https://books.google.de/books?id=jAYAAAAAQAAJ&pg=PA411&hl=de 
  8. ^ Marggraf, Andreas Sigismund (1767). Chymische Schriften. https://books.google.de/books?id=Obc5AAAAcAAJ&pg=PA113&hl=de