福武直

1917-1989, 社会学者。東京大学名誉教授。東大紛争当時は東京大学文学部教授。

福武 直(ふくたけ ただし、1917年2月12日[1] - 1989年7月2日[2])は、日本社会学者文学博士東京大学[3])。東京大学名誉教授。

略歴

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岡山県生まれ。1937年第六高等学校卒業[4]1940年東京帝国大学文学部社会学科卒業[5]卒業論文は「社會學と社會的現實−社會學方法論における諸問題−」[6]1948年東京大学文学部助教授[7]1960年教授1962年に「日本村落の社会構造」で東京大学より文学博士学位を授与される[8]1977年(昭和52年)に定年退官、名誉教授1981年1月から1986年3月まで社会保障研究所所長。

ベネッセホールディンクス(福武書店)の福武總一郎とは遠縁に当たる[9]

活動

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日本農村は「家」を構成単位として成立しているとした。同族的結合の強い東北を「東北型農村」と規定し、同等の家族によって構成される農村を「講組結合」とし、西南型農村と規定した。家族社会学で有名である。マックス・ヴェーバーの研究で注目され、農村調査を中心に研究を行い、丸山眞男の政治学、大塚久雄の経済学と並ぶ人気教授だった。弟子に古城利明飯島伸子ほかがいる。

受賞歴

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著書

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  • 『中国村落の社会生活』弘文堂書店, 1947
  • 『社会学の現代的課題』日本評論社, 1948
  • 『日本農村の社会的性格』東京大学協同組合出版部, 1949
  • 『社会科学と価値判断』春秋社 1949 (マックス・ウェーバー研究叢書)
  • 『人間と社会』河出書房, 1950
  • 『中国農村社会の構造』有斐閣, 1951
  • 『社会学の基本問題』東京大学出版会, 1952
  • 『日本の農村社会』東京大学出版会, 1953
  • 『社会学入門』学生社, 1957
  • 『農村社会の潮流』時潮社, 1957
  • 『社会調査』岩波全書 1958
  • 『日本村落の社会構造』東京大学出版会, 1959
  • 『世界農村の旅』東京大学出版会, 1962
  • 『日本農村社会論』東京大学出版会, 1964
  • 『日本農村の社会問題』東京大学出版会, 1967
  • 『現代日本社会論』東京大学出版会, 1972
  • 福武直著作集』全10巻 東京大学出版会, 1975
  • 『日本社会の構造』東京大学出版会, 1981
  • 『社会保障論断章』東京大学出版会, 1983
  • 『大学生協論』全国大学生活協同組合連合会, 1985
  • 『福祉社会への道 協同と連帯を求めて』全国大学生活協同組合連合会, 1986
  • 『福武直著作集』第11巻,補巻 東京大学出版会, 1986
  • 『二一世紀への課題 高齢社会と社会保障』東京大学出版会, 1988
  • 『社会学と社会的現実 福武直自伝』福武直先生追悼文集刊行会, 1990

共著・編著

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  • 社会学 日高六郎共編 光文社, 1952
  • 日本の社会 要書房, 1952
  • アメリカ村 移民送出村の実態 東京大学出版会, 1953
  • 海外移民が母村に及ぼした影響 和歌山県日高郡三尾村実態調査 毎日新聞社人口問題調査会, 1953
  • 日本農村社会の構造分析 東京大学出版会, 1954
  • 農村 有斐閣, 1954
  • 社会調査の方法 有斐閣, 1954
  • 日本農民の社会的性格 塚本哲人共著 有斐閣, 1954
  • 農村調査研究入門 古島敏雄共編 東京大学出版会, 1955
  • 日本農業の基礎知識 大内力,金沢夏樹共著 東京大学出版会, 1958
  • 合併町村の実態 東京大学出版会, 1958
  • 社会学辞典 日高六郎,高橋徹共編 有斐閣, 1958
  • 社会学 角川書店, 1959
  • 日本人の社会意識 三一書房, 1960
  • 社会学論集 調査報告篇 河出書房新社, 1960
  • 君たちが生きる社会 萩坂昇共著 筑摩書房, 1961 (新中学生全集)
  • 農業共同化と村落構造 有斐閣, 1961
  • 社会科事典 有斐閣, 1961
  • インドの農村社会構造 アジア経済研究所, 1962
  • 現代人の社会学 社会学新事典 河出書房新社, 1963
  • インド村落の社会経済構造 大内力,中根千枝共著 アジア経済研究所, 1964
  • 社会学研究案内 有斐閣, 1964
  • 日本の農業 大内力,金沢夏樹共著 東京大学出版会, 1964
  • 倫理・社会 日高六郎共著 学生社, 1964
  • 地域開発の構想と現実 第1-3 東京大学出版会, 1965
  • 社会学 浜島朗共著 有斐閣, 1965
  • 二〇世紀の社会学 尾高邦雄共編 ダイヤモンド社, 1965
  • 社会調査法 松原治郎共著 有斐閣, 1967
  • 大井町 地域社会の構造と展開 地域社会研究所, 1967
  • 農漁村社会の展開構造 秋田県由利郡金浦町 地域社会研究所, 1971
  • 農村社会と農民意識 十五年間の変動分析 有斐閣, 1972
  • 現代の中国 東大教授訪中団報告 東京大学出版会, 1977
  • 農山村社会と地域開発 神奈川県大井町相和地区 東京大学出版会, 1977
  • 企業進出と地域社会 第一生命本社移転後の大井町の展開 蓮見音彦共編 東京大学出版会, 1979
  • 現代化中国の旅 社会学者訪中団報告 東京大学出版会, 1979
  • 世界の社会保障50年 伊部英男共編 全国社会福祉協議会, 1987
  • 都市と農村の福祉 一番ケ瀬康子共著 中央法規出版, 1988
  • 21世紀の福祉 阿部志郎共編 中央法規出版, 1988

翻訳

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  • S.D.ギャムブル『北京の支那家族生活』生活社, 1940
  • 中国経済統計研究所『中支農村経済の研究』生活社, 1941
  • ハンス・フライヤー『現実科学としての社会学』日光書院, 1944
  • トウルンワルド『社会学の対象と方法』青山書院, 1944
  • トウルンワルト『社会学の饗宴』青山書院, 1952
  • カール・マンハイム『変革期における人間と社会』みすず書房, 1953

脚注

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  1. ^ 日本著作権協議会 1958
  2. ^ 小山路男「福武直先生を悼む」『季刊社会保障研究』第25巻第2号、国立社会保障・人口問題研究所、1989年、NDLJP:9209506。「国立国会図書館デジタルコレクション.ログインなしで閲覧可能」 
  3. ^ 福武直『日本村落の社会構造』東京大学〈文学博士 報告番号不明〉、1962年。 NAID 500000319806https://id.ndl.go.jp/bib/000007817951 
  4. ^ 第六高等学校 編『第六高等学校一覧 自昭和12年至昭和13年』第六高等学校、1937年7月25日、300頁。NDLJP:1453856/157 
  5. ^ 『東京帝国大学一覧 昭和15年度』東京帝国大学、1941年3月1日、594頁。NDLJP:1466162/307 
  6. ^ 東京大学文学部社会学研究室開室五十周年記念事業実行委員会 1954
  7. ^ 『官報』第6437号、昭和23年7月1日、p.5. NDLJP:2962970/3
  8. ^ 書誌事項(CiNii Dissertations)”. 国立情報学研究所. 2018年11月17日閲覧。
  9. ^ 東京大学が創立130周年を記念し、「情報学環・福武ホール」を2007年に開設~高度情報化社会における教育・文化・コミュニケーション研究の発信拠点~”. 東京大学. 2018年11月17日閲覧。

参考文献

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  • デジタル版日本人名大辞典
  • 福武直先生年譜及び著作目録」『社会保障研究』第23巻第1号、国立社会保障・人口問題研究所、1987年6月、134-140頁、ISSN 03873064NDLJP:9209403 
  • 東京大学文学部社会学研究室開室五十周年記念事業実行委員会 編『東京大学文学部社会学科沿革七十五年概観』東京大学文学部社会学研究室開室五十周年記念事業実行委員会、1954年、89頁。 NCID BN12964302 
  • 日本著作権協議会 編『著作權臺帳(第5版) 文化人名録 昭和31年版』日本著作権協議会、1958年、445頁。 NCID BN13814892 


先代
馬場啓之助
社会保障研究所長
1981年 - 1986年
次代
小山路男