第3期九段戦

1952年度の九段戦

第3期九段戦(だい3きくだんせん)は、1952年度九段戦である。第3期九段戦は、第5回全日本選手権戦の一環として開催された[注 1]

第3期 九段戦
開催期間 1951年 - 1952年12月30日
前九段 大山康晴(2期目)
第3期九段 塚田正夫(初)
九段戦
第2期第4期 >
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概要 編集

九段戦はこれまで参加できる棋士が限られていたが、第3期からはC級2組以上の棋士全員が参加可能となった[3]

本戦トーナメントは、第6期順位戦時点のA級棋士[注 2]8名と、二次予選を勝ち抜いた大野源一八段、小泉雅信八段、松浦卓造七段、清野静男六段の4名を加えた12名で行われた。第3期からは、本戦トーナメントの2回戦より三番勝負で勝敗を決することとなった[3]。その結果、塚田正夫八段が勝ち上がり大山康晴九段への挑戦権を獲得した[4]

九段戦五番勝負は、大山康晴九段に塚田正夫八段が挑戦し、その成績を塚田八段が大山九段に3勝2敗として九段を奪取した[4][5]。塚田は初の九段獲得となった。

九段戦終了後、名人対九段の実力日本一をかけた名人九段戦が行われることとなっているが[6][7]、名人保持者の大山康晴が敗退しているため、前名人の木村義雄十四世名人が番勝負に出場し、三番勝負の成績を塚田九段が木村十四世名人に2勝0敗とした。

名人九段三番勝負 編集

対局者 第1局 第2局
木村義雄 十四世名人
塚田正夫 九段 全日本選手権者獲得

九段戦五番勝負 編集

対局者 第1局 第2局 第3局 第4局 第4局
指し直し
第5局
1952年
10月31日・11月1日
1952年
11月5日・6日
1952年
11月28日・29日
1952年
12月8日
1952年
12月18日・19日
1952年
12月29日・30日
大山康晴 九段
塚田正夫 八段 九段奪取

本戦 編集

本戦からのシード:8名
升田幸三 八段、丸田祐三 八段、坂口允彦 八段、塚田正夫 八段、板谷四郎 八段、原田泰夫 八段、松田茂行 八段、荒巻三之 八段
予選からの進出者:4名(名前の左に★を表記)


1回戦 2回戦 準決勝 挑戦者決定戦
丸田祐三 八段 ●●
大野 ●●
松田茂行 八段
大野 ○○ 九段戦五番勝負進出
大野源一 八段
塚田正夫 八段 ○●○
原田泰夫 八段
小泉 ●●
小泉雅信 八段
塚田 ○○
塚田正夫 八段 ○○
坂口允彦 八段 ●○●
荒巻 ●●
松浦卓造 七段
荒巻 ○●○
荒巻三之 八段
升田幸三 八段 ●○●
清野静男 六段
板谷 ●●
板谷四郎 八段
升田 ○○
升田幸三 八段 ○○


脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 第3回から第8回までの全日本選手権戦は、「九段戦」と「名人九段戦」の2つ棋戦を内包する方式で開催された[1][2]
  2. ^ ただし、九段保持者の大山康晴九段と、休場中の高柳敏夫八段、松田辰雄八段は除く。

出典 編集

  1. ^ 山本 1966, pp. 193–194.
  2. ^ 山本 1966, p. 308.
  3. ^ a b 山本 1966, p. 234
  4. ^ a b 山本 1966, p. 236
  5. ^ 九段戦(全日本選手権戦)・十段戦|終了・休止棋戦”. 日本将棋連盟. 2022年2月6日閲覧。
  6. ^ 山本 1966, p. 194.
  7. ^ 山本 1966, p. 214.

参考文献 編集

外部リンク 編集