粘液酸(Mucic acid)は、ガラクトースまたはガラクトースを含むラクトースガラクチトールクエルシトール、また多くの種類の天然ガム等を硝酸で酸化して得られるアルダル酸の一種である[1]

粘液酸
Structural formula of mucic acid
Ball-and-stick model of the mucic acid molecule{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 526-99-8 チェック
PubChem 3037582
ChemSpider 2301286 ×
ChEMBL CHEMBL1232958 ×
特性
化学式 C6H10O8
モル質量 210.14 g mol−1
融点

230 °C, 503 K, 446 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

特徴編集

粘液酸は、210-230℃で融解する結晶性粉末を形成する[2]アルコールには不溶、冷水にはほぼ不溶である[1]。分子の対称性のため、キラル炭素原子を持つにも関わらず光学不活性なメソ化合物である。

反応編集

ピリジンと一緒に140℃まで加熱すると、アロ粘液酸に変化する[1][3]。発煙塩酸で消化するとαα′-フルフラールジカルボン酸となり、硫化バリウムと一緒に加熱するとチオフェンカルボン酸となる[1]アンモニウム塩は、二酸化炭素アンモニアピロール、その他の物質から乾留で生成する[1]。腐食性のアルカリと融合すると、シュウ酸を生成する[1]

硫酸水素カリウムとともに脱水、脱炭酸され、3-ヒドロキシ-2-ピロンを生成する。

 
粘液酸から3-ヒドロキシ-2-ピロンへの反応。(a)硫酸水素カリウムとともに160℃で4時間反応 (b)塩酸でpH7に

利用編集

レニウム触媒の脱酸素脱水反応によりナイロンを生成する過程のアジピン酸の前駆体となる[4]

関連項目編集

出典編集

  1. ^ a b c d e f Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Mucic Acid" . Encyclopædia Britannica (英語). 18 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 954.
  2. ^ Mucic acid”. ChemSpider. 2018年3月30日閲覧。
  3. ^ Butler, C. L.; Cretcher, L. H. (1929). “The Preparation of Allomucic Acid and Certain of Its Derivatives”. Journal of the American Chemical Society 51 (7): 2167. doi:10.1021/ja01382a029. 
  4. ^ Li, X.; Wu, D.; Lu, T.; Yi, G.; Su, H.; Zhang, Y. (2014). “Highly Efficient Chemical Process to Convert Mucic Acid into Adipic Acid and DFT Studies of the Mechanism of the Rhenium-Catalyzed Deoxydehydration”. Angewandte Chemie International Edition 53 (16): 4200. doi:10.1002/anie.201310991. PMID 24623498.