見たこともない景色」(みたこともないけしき)は、日本歌手菅田将暉楽曲俳優として活動する彼のソロ歌手デビューシングルとして2017年6月7日エピックレコードより発売された。

見たこともない景色
菅田将暉シングル
初出アルバム『PLAY
B面 ばかになっちゃったのかな
リリース
規格 CDデジタル・ダウンロード
時間
レーベル エピックレコードジャパン
作詞・作曲 篠原誠飛内将大
ゴールドディスク
菅田将暉 シングル 年表
見たこともない景色
(2017年)
呼吸
(2017年)
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背景 編集

2016年11月20日から放送が始まったauサッカー日本代表を応援するCM「au BLUE CHALLENGE」(「三太郎シリーズ」)の「応援」編で楽曲が使用される。当時放送されていたCMでは、歌と共にピッチで泥だらけになってサッカーボールを追いかける侍風の選手たちを応援する桃太郎松田翔太)、浦島太郎桐谷健太)、金太郎濱田岳)の様子が描かれていたが、菅田の名前の表記はなく告知も一切されていなかった。同年12月22日、楽曲を歌っているのが菅田であることが公表され、同日公開されたウェブCMでは「アジア最終予選- ROAD TO RUSSIA」のダイジェスト映像とともに、菅田が歌い上げる姿が公開された[1]

2017年3月21日頃、菅田は自身のTwitterで「今夜19時、とある場所にてとある映像を解禁します。みんなに見てもらえるかな」と告知。同日午後7時、渋谷スクランブル交差点の5面ビジョンで一斉にソロ歌手としてデビューすることが発表され、同時にデビュー曲「見たこともない景色」のミュージック・ビデオが公開された[2]。また、今後俳優業と並行して、音楽活動も行っていくことも発表された[3]4月28日、収録曲とアートワークが発表された[4]。アーティスト写真やCDのジャケットでは、ギターを抱えてヴィンテージ風のジャケットを着用するなど、チャック・ベリーを意識している。音楽サイトReal Soundはジャケット写真の立ち姿は、エルヴィス・コステロの「マイ・エイム・イズ・トゥルー」を思い起こさせると指摘している[5]

菅田はauのCM曲を歌うことが決まり、音楽プロデューサーと話した際に「疾走感があってクリアな、男性だけでなく女性にも受け入れてもらえる気持ちいいものにして欲しい」とリクエストした[6]

批評家の反応 編集

「見たこともない景色」は、音楽批評家から賛否両論の評価を受けた。「ロッキング・オン」の峯岸利恵は、真っすぐ突き抜けるような声と安定した音程感を称賛。俳優として「場に溶け込みながらも存在感を出すこと」に長けていたが、そのポテンシャルが歌い手としても表れているとコメントした[7]Real Soundは「王道のロックらしい疾走感があり、サウンドもクリア」だが、「どことなく"泥臭さ"のようなものも感じる」とコメントした[5]。一方、音楽評論家の石黒隆之は、同じauのCM曲を歌った桐谷健太(「海の声」)と比較し、「桐谷健太よりは正確なように聞こえます」としたが、伝わってくるのは楽曲の魅力ではなく「“こんなこともできる”菅田将暉のプロモーション」であり、その点「海の声」とは対極だとコメント。さらに菅田には高畑充希と同様に「この人は歌っている自分が好きなだけなんじゃないか」と思わせてしまうところがあり、長澤まさみのように曲やシチュエーションによって声のトーンを変えようともしないと指摘。それは音楽そのものに無頓着だからであり、チャーミングではないと述べた[8]

チャート成績 編集

Billboard Japan Hot 100では、2017年4月3日付けで初登場4位[9]。ダウンロード配信が先行で開始し、各指標で高いポイントをマークしていたが、シングルが発売されると3万枚弱を売り上げ、2017年6月19日付けで3位を記録[10]

ミュージック・ビデオ 編集

ミュージック・ビデオは、Perfumeの作品を多く手掛けている関和亮が監督を務めた[11]。2017年3月22日にショートバージョンがYouTubeで公開された[12]

ライブ・パフォーマンス 編集

2017年6月2日、「ミュージックステーション」に出演し、「見たこともない景色」をテレビ初披露した。同番組には映画「キセキ -あの日のソビト-」から誕生した菅田、横浜流星成田凌杉野遥亮による音楽ユニット・グリーンボーイズとして出演しているが、ソロとしては初出演となった。バンドメンバーには、映画「何者」でタッグを組んだカラスは真っ白を迎えた[13]。放送後、菅田の歌声がBUMP OF CHICKENのボーカル、藤原基央のそれに似ていることが視聴者の間で話題になった[14]

CDの発売日である2017年6月7日に菅田将暉本人名義としては初となるライブイベントを渋谷・WWW Xで開催。「見たこともない景色」の他に、カップリング曲「ばかになっちゃったのかな」、自身が出演した映画「何者」の劇中でも歌唱した忘れらんねえよの「まだ知らない世界」のカバーを弾き語りで披露した[15]

収録曲 編集

#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「見たこともない景色」篠原誠飛内将大飛内将大
2.「ばかになっちゃったのかな」金木和也金木和也金木和也、川口圭太
3.「見たこともない景色」(Instrumental) 飛内将大飛内将大
合計時間:
初回生産限定盤DVD
#タイトル作詞作曲・編曲監督時間
1.「見たこともない景色」(Music Video)  関和亮
合計時間:

チャート 編集

チャート(2017年) 最高
順位
Billboard Japan Hot 100[16] 3
Billboard Japan Top Singles sales[17] 5
Billboard Japan Radio Songs[18] 6
オリコンチャート 週間[19] 5

発売日一覧 編集

国/地域 発売日 規格
日本 2016年12月22日 (2016-12-22)[20] デジタル・ダウンロード
2017年6月7日 (2017-06-07) CD

脚注 編集

  1. ^ “菅田将暉、auのCM楽曲歌っていた 収録姿も公開”. オリコン. (2016年12月22日). https://www.oricon.co.jp/news/2083463/full/#vk 
  2. ^ “菅田将暉、6・7ソロ歌手デビュー「これまでにないワクワク」”. オリコン. (2017年3月22日). https://www.oricon.co.jp/news/2087829/full/ 
  3. ^ “菅田将暉、ソロ歌手デビュー!音楽活動をスタート”. シネマトゥデイ. (2017年3月22日). https://www.cinematoday.jp/news/N0090427 
  4. ^ “菅田将暉デビューシングルのカップリングをANNで初OA、アートワークも公開”. ナタリー. (2017年4月28日). https://natalie.mu/music/news/230681 
  5. ^ a b “菅田将暉、ソロデビュー曲「見たこともない景色」で見せる“泥臭さ” 素の自分で勝負するシンガーへ”. Real Sound. (2017年6月2日). https://realsound.jp/2017/06/post-79732.html 
  6. ^ 菅田将暉(インタビュアー:Wakako Shudo)「【インタビュー】菅田将暉という23歳の自然体、そして内なる光を宿した “幻影”」『THE FASHION POST』http://fashionpost.jp/portraits/917392017年6月8日閲覧 
  7. ^ “今週の一枚 菅田将暉『見たこともない景色』”. ロッキング・オン. (2017年6月6日). https://rockinon.com/blog/ro69plus/161789 
  8. ^ “菅田将暉がソロ歌手デビュー。お上手でも魅力がない原因は”. 女子SPA!. (2017年4月7日). https://joshi-spa.jp/685209 
  9. ^ “【ビルボード】84.9万枚を売り上げ乃木坂46「インフルエンサー」が総合首位 菅田将暉「見たこともない景色」ダウンロード2位で総合4位に初登場”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2017年3月29日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/49257/2 2017年3月29日閲覧。 
  10. ^ “【ビルボード】Kis-My-Ft2「PICK IT UP」がAKB48、菅田将暉を抑え総合首位”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2017年6月14日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/52144/2 2017年6月15日閲覧。 
  11. ^ 見たこともない景色”. スペースシャワーTV (2017年). 2017年6月19日閲覧。
  12. ^ “菅田将暉、CDデビュー曲“見たこともない景色”MV公開”. ロッキング・オン. (2017年3月22日). https://rockinon.com/news/detail/158045 
  13. ^ “菅田将暉、MステでTV初披露のソロデビュー曲「見たこともない景色」熱唱 圧巻の歌唱力が反響呼ぶ”. モデルプレス. (2017年6月2日). https://mdpr.jp/news/detail/1691285 
  14. ^ “『Mステ』菅田将暉ソロデビュー 歌声を聞いたファンが想像したアーティストは…”. T-SITE. (2017年6月2日). http://top.tsite.jp/news/geinou01/i/35881984/ 
  15. ^ “菅田将暉、CDデビュー記念で初ライブ開催。生歌披露で420人を魅了”. T-SITE. (2017年6月7日). https://rockinon.com/news/detail/161870 
  16. ^ “Japan Hot 100”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2017年5月19日). https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=hot100&year=2017&month=06&day=19 2017年5月15日閲覧。 
  17. ^ “Japan Top Singles sales”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2017年5月19日). https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=sales&year=2017&month=06&day=19 2017年5月15日閲覧。 
  18. ^ “Radio songs”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2017年6月19日). https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=radio_songs&year=2017&month=06&day=19 2017年6月15日閲覧。 
  19. ^ “6/19付週間シングルランキング1位はKis-My-Ft2の「PICK IT UP」”. オリコン. (2017年6月14日). https://www.oricon.co.jp/news/2092334/full/ 2017年6月15日閲覧。 
  20. ^ “菅田将暉が歌うサッカー日本代表応援ソング、フルver解禁”. 音楽ナタリー. (2016年12月22日). https://natalie.mu/music/news/214325 2017年6月8日閲覧。 

外部リンク 編集