鈴木貫太郎 (東京都議会議員)

鈴木 貫太郎(すずき かんたろう、1944年昭和19年1月15日 - )は、日本政治家宮城県石巻市出身。都議会公明党所属の元東京都議会議員(7期)。第38代東京都議会副議長[1]、元東京都監査委員。元東京都荒川区議会議員(2期)。都議会公明党顧問、公明党中央規律委員・都本部副代表・荒川総支部長[2][3][4]

経歴

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・幼少期は太平洋を望む千葉県富浦町(現・南房総市)で育つ。千葉県出身で、当時軍人だった父親が、郷土出身の宰相・鈴木貫太郎にあやかり命名された。転勤が多い父親の影響で小学校を転々とした。1950年昭和25年)4月、千葉県鴨川市立鴨川小学校入学。南房総市立富浦小学校、神奈川県横須賀市立衣笠小学校茨城県牛久市立中根小学校北海道恵庭市立恵庭小学校茨城県古河市立古河第一小学校で卒業式を迎える。1956年昭和31年)4月、茨城県古河市立古河第一中学校入学。その後、茨城県立栃木高等学校入学。高校2年の終わりには九州の進学校・熊本県立熊本高等学校に転校し、勉強漬けの日々を送る。1962年昭和37年)4月、中央大学法学部法律学科へ入学。弁護士だった叔父の影響もあり、法曹を志すようになった。憲法学者中央大学法学部橋本公亘教授に影響を受ける。

・時は学生運動真っ盛りで、入学当初は大学の至る所で学生と警察がぶつかっているような日々だった。授業はロックアウトし、学習するには自ら机に向かうしかない状況だった。その様な経験を通し、社会を良くも悪くもする政治に対し、強い関心を抱くようになった。父親の縁故をたどり、荒川区町屋に下宿した。寝食を共にする同世代の友人たちと意見を戦わせる日々を送り、「21世紀は人間の世紀」との言葉に感銘を受け、「皆が笑顔で過ごせる社会を築いていきたい」と心に誓った。アルバイトをしながらひたすら旧司法試験の勉強に取り組むも、臨んだ結果は不合格となる。浪人して受験を続ける経済的な余裕もなく、弁護士の夢を断念して就職する道を選んだ。1967年昭和43年)3月、同大学同学部卒業[5][6][7]

1967年昭和43年)4月、公明新聞社入社。政治部や地方部では記者として全国を飛び回り、紙面レイアウトや印刷工場の業務なども携わる。約15年にわたり健筆を揮った。

1983年昭和59年)、荒川区議会議員選挙へ出馬し初当選。(2期6年)[8]。地域密着で区民の問題解決に奔走する一方、議会では経費削減に取り組み、区役所・公共施設などの電気代契約を見直しながら大幅な経費削減を断行した。

1989年平成元年)、東京都議会議員選挙に出馬し当選。(7期28年)[9]。初の質問で「旭電化跡地の『地域住民の意向を生かした』整備」を粘り強く訴えた。当時、東京都の重要な再開発地域として旭電化跡地(現在の尾久の原公園一帯)が注目を浴びていた時期と重なり、地域の青年からの要望である「結婚世代の若者が安心して住めるような住宅を」との声を行政に主張し、若年ファミリー向け住宅「ヤングピア」建設着工への道筋を開いた。

1995年平成7年)、阪神・淡路大震災を契機に、大災害やテロ発生時に、一人でも多くの人命を救助できる医療体制整備の必要性を痛感し、タッグの色で治療の優先度を決定するトリアージ・タッグを強く推進した結果、全国に先駆けての導入を東京都が決定するまでに至った[10]

2007年平成19年)10月、女性専門外来の開設を目指し署名を開始した。約8万の署名が実を結び、JR日暮里駅前の東京女子医科大学東医療センター「日暮里クリニック」内に女性専門外来が誕生し、専門の女性医師ならではの診療が好評を博した[11]

・東京都立航空工業高等専門学校(現・東京都立産業技術高等専門学校)の生徒が、手作りの人工衛星をロケットで打ち上げたいという夢を持っていると知り、都議会で応援を呼びかけた。結果、2008年平成20年)1月、H2Aロケットに相乗りする形で人工衛星「輝汐(きせき)」が宇宙に飛び立つにに至った[12][13]。中学校道徳の副読本にも「輝汐が起こした奇跡」として掲載されるなど、地域と協力して夢を実現するまでのエピソードが話題を呼んだ[14]

脚注

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  1. ^ 歴代議長・副議長(令和5年10月5日現在)”. 東京都議会議会局管理部広報課 (2023年10月5日). 2024年7月27日閲覧。
  2. ^ ごあいさつ・プロフィール ”. 徒然なるままに/前東京都議会議員/鈴木かんたろうHP (2017年3月30日). 2024年7月26日閲覧。
  3. ^ ご挨拶・PROFILE”. 東京都議会議員/荒川区選出/鈴木かんたろうHP (2012年10月4日). 2024年7月26日閲覧。
  4. ^ 鈴木かんたろう/基本データ”. Facebook/Meta/ (2024年7月26日). 2024年7月26日閲覧。
  5. ^ ごあいさつ・プロフィール”. 徒然なるままに/前東京都議会議員/鈴木かんたろうHP (2017年3月30日). 2024年7月27日閲覧。
  6. ^ ご挨拶・PROFILE”. 東京都議会議員/荒川区選出/鈴木かんたろうHP (2012年10月4日). 2024年7月27日閲覧。
  7. ^ 鈴木かんたろう/基本データ”. Facebook/Meta/ (2024年7月26日). 2024年7月27日閲覧。
  8. ^ ご挨拶・PROFILE”. 東京都議会議員/荒川区選出/鈴木かんたろうHP (2012年10月4日). 2024年7月27日閲覧。
  9. ^ 鈴木かんたろう/基本データ”. Facebook/Meta/ (2024年7月26日). 2024年7月27日閲覧。
  10. ^ 災害時のトリアージ・タッグ統一化へ  厚生省が全国標準様式を発表    全国のトップを切って東京都で採用決定 (救急医療ジャーナル 4(2): 62-3, 1996)”. 愛媛大学医学部救急医学教室 (1996年3月12日). 2024年7月27日閲覧。
  11. ^ *** 東京女子医大「女性専門外来」移転のお知らせ *** (片井 みゆき)”. 東京女子医科大学本院 総合診療(女性)科 (2017年4月4日). 2024年7月27日閲覧。
  12. ^ 本校の人工衛星KKS―1、通称「輝汐(きせき)」等が紹介されました。”. 東京都立産業技術高等専門学校 (2019年7月25日). 2024年7月27日閲覧。
  13. ^ 今も上空700キロ、自作衛星と高専結ぶ10年の軌跡 高専に任せろ! 2019 宇宙に挑む(下)”. NIKKEI STYLE/日本経済新聞社 (2019年7月25日). 2024年7月27日閲覧。
  14. ^ ごあいさつ・プロフィール”. 徒然なるままに/前東京都議会議員/鈴木かんたろうHP (2017年3月30日). 2024年7月27日閲覧。